雪男
公開日:
:
最終更新日:2012/05/28
高野秀行の【非】日常模様
第七回 開高健ノンフィクション賞の発表があり、
中村安希『バックストリートの旅−ユーラシア・アフリカ大陸、そこに暮らす人々をめぐる旅』という作品が受賞した。
残念ながら受賞は逃したが、角幡唯介という探検部の後輩が
最終候補に残った。
タイトルは『雪男は向こうからやってきた』。
やっぱりUMAものだというのがさすがだ。
選評を見ると、佐野眞一氏は角幡の作品を押していたという。
ほかの審査員も「文章力はいちばん」と高く評価している。
角幡は、学生時代、中国チベットの未開放地区に勝手にはいり、
ヤルツァンポ川をたったひとりで一ヶ月分の食料を背負って
雪を掻き分けて遡るというすごいことをやっていた。
日本国内でも雪山で雪崩に三回あって、三回とも自力で脱出しているという。
体力・気力が尋常でないやつだ。
もっとも相当なアホで、卒業してせっかく朝日新聞の記者になったものの
私の『西南シルクロードは密林に消える』を読み、「俺もこういうことがやりてえんだ」と
朝日をやめてしまったというくらいだから
まさか文章力がそんなにあるとは思わなかった。
文章力もあるUMAものなんて見たことがないので、
早く原稿を読んでみたいものだ。
関連記事
-
-
今度はインド人をアゼンとさせてしまう
また午前中、また別のソマリランド人と会った後、 いつもどおり、ドトールF店に「出勤」すると、なぜかそ
-
-
『困ってるひと』ついに発売
大野更紗『困ってるひと』(ポプラ社)がついに発売となった。 今アマゾンで見たら、180位である。
-
-
移住するなら盛岡がいい
先週の土曜日、盛岡市のMORIOKA TSUTAYAでのトークイベントに行ってきたのだが、盛岡の読書
-
-
ハサミ男、驚愕のラスト
前々から気にはなっていたが、読んでいなかった殊能将之『ハサミ男』(講談社文庫)を読んだ。
-
-
Bhutan ni tsuita
Ottoi Bhutan ni tsuita. Sono hi wa hareteite yokat
-
-
熊いじめと阿片チンキ
前々から英語圏に興味がなかったのだが、最近ははっきりと拒否反応を示すようになってきた。 おかげで客
-
-
エンタメ・ノンフの秋!
「ダ・カーポ」の増刊「早稲田大学特集」の取材を受ける。 ワセダを出てへんなことをやっている人間のコー
- PREV :
- 三沢光晴DVD-BOX
- NEXT :
- 2009年の小説ベスト1
Comment
AGENT: Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 8.0; Windows NT 5.1; Trident/4.0; GTB5; .NET CLR 1.1.4322; .NET CLR 2.0.50727; .NET CLR 3.0.4506.2152; .NET CLR 3.5.30729)
探検部の後輩が作家になるとは高野さんも探検部OBの中では中堅に
なってきてるのでは? 高野本に煽られて人生を変えしまった人は結構、いるんじゃないかな?