*

抱かれたい路上の男ナンバーワン

公開日: : 最終更新日:2012/05/28 高野秀行の【非】日常模様

先日紹介した『TOKYO 0円ハウス0円生活』(大和書房)の著者・坂口恭平が
その本に登場するスーパー・ホームレス「鈴木さん」をモデルに小説も書いていた。
『隅田川のエジソン』(青山出版社)がそれだ。
これがまたメチャクチャ面白い。
鈴木さんがホームレスになってから、どんどん「進化」していく様子を
特に周囲の人々との関係を中心に描いたもの。
『0円ハウス』には描かれなかった鈴木さん(本書では「硯木さん(スーさん)」)のモテモテぶりも
存分に描かれている。
女子ホームレスは最初はイケメンのところに行くが、
やがては生活力のある男のところに来るのだという。
男子の仲間にも次々にアドバイスをしてあげ、感謝され、
ホームレス仲間のハシモトが「スーさんは抱かれたい路上の男ナンバーワンです!」
と叫ぶシーンにいたっては電車の中で爆笑してしまった。
文明とは何かというところを深く考察していながら笑える。
これも読むべし!

関連記事

no image

「飲み」の黄金世代

一緒にコンゴにも行った駒大探検部の先輩・ノノさんがついに結婚、 新婦の地元で式と披露宴が行われた。

記事を読む

no image

王様のブランチ

妻は早起きして一昨日から通っている浦安市の災害ボランティアに出かけていたので、 9:30にひとりで「

記事を読む

no image

骨と沈黙

年に一度のお楽しみ、本の雑誌増刊の「おすすめ文庫王国2009」で 佐藤多佳子が自分の文庫オールタ

記事を読む

no image

電話で追及される

ルワンダ人の友人、カレラから電話がかかってきた。 以前、私が環境NGOを手伝っていたとき、ルワンダの

記事を読む

no image

鍵は辺境にある!らしい

すごい本が出たものである。 内田樹『日本辺境論』(新潮新書)。 「日本人とは何ものか? 鍵は『辺境

記事を読む

no image

南米からの便り

 実家の母から「あんた宛に外国から手紙が届いている」と電話が来た。 八王子の実家を知っているという

記事を読む

no image

Bangladesh

Bangladesh no shuto,Dhaka ni iru. 20nenmae no

記事を読む

no image

卵ゲップ病

 昨日の晩、イシカワに電話をしたところ、「帰ってからも下痢が止まらなくて、参った」という。  それは

記事を読む

no image

愛するマンガ

今、私がいちばん愛しているマンガはこれです。

記事を読む

no image

高野秀行プロデュース第2弾! エンタメノンフ最終兵器登場。

もう高野本やこのブログの読者のみなさんにはお馴染みだと思うが、私の古い友人でスーダンから来た盲目の留

記事を読む

Comment

  1. komari-ko より:

    AGENT: Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.0)
    >女子ホームレスは最初はイケメンのところに行くが、
    >やがては生活力のある男のところに来るのだという。
    ↑これって人間が生きていくための本能なんでしょうね。
    人が恐怖やスリルを求めるのは、原始時代の人間にはあった
    「生きてゆく上でのありとあらゆる恐怖」を脳が欲してるからだと
    聞いたことがあります。
    しかし、高野さんのこの記事のタイトルと、もう一つ前のタイトル(元首相になりたいて!笑)おもしろい〜!

  2. 同級生A より:

    AGENT: DoCoMo/2.0 N905i(c100;TB;W24H16)
    大学時代、何かの授業で一緒だった者です。当時、「探険部って何やるの?」なんて話をさせてもらった記憶があります。
    先日、新聞で「辺境作家」という肩書きの横に見覚えのある顔写真が。通勤の往復に、文庫になったアマゾンやミャンマーの本を楽しませてもらってます。何だか、生き方貫いてて嬉しかったです。これからも期待してます。

  3. 大学生 より:

    AGENT: Mozilla/5.0 (Windows; U; Windows NT 5.1; en-US) AppleWebKit/525.13 (KHTML, like Gecko) Chrome/0.2.149.27 Safari/525.13
    初めてコメントさせていただきます。
    昨日、大学のサークルの後輩から高野さんが執筆された『ワセダ三畳青春記』を借りたのですが、あまりにもおもしろくてついさきほど全部読みきってしまいました。
    もう何ていうか、僕の理想とする大学生活や人生観が詰まっていて、本当におもしろかったです。また、自由に自分のしたいように生きるか、社会にでて組織に属すかという葛藤の描写に強く心が打たれました。すぐにこの本を読みきった後、インターネットで高野さんのことを検索して、こちらのブログの方を見つけました。
    これからもこちらの方を拝見させていただきます。
    拙い文章で申し訳ないです・・。

  4. 歌川 より:

    AGENT: Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.1; SV1; .NET CLR 1.1.4322)
    読みました。高野さんのセンスは頼りになります。
    「抱かれたい路上の男・・・」は食い気味に爆笑。
    あと「ナンデモタオル」  このタオル名、頭からはなれない。
    「−−−言われるまでは、好きにやる。これがおれのやり方だ。」
    はー格好良い。
    読み終えると 「解放」を感じ、好きな小説だなあとしみじみしました。

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

デビュー35周年記念・自主サバティカル休暇のお知らせ

高野さんより、「デビュー35周年記念・自主サバティカル休暇」のお知らせ

no image
イベント&講演会、テレビ・ラジオ出演などのご依頼について

最近、イベントや講演会、文化講座あるいはテレビ・ラジオ出演などの依頼が

ソマリランドの歌姫、来日!

昨年11月に、なんとソマリランド人の女性歌手のCDが日本でリリ

『未来国家ブータン』文庫はちとちがいます

6月23日頃、『未来国家ブータン』が集英社文庫から発売される。

室町クレージージャーニー

昨夜、私が出演したTBS「クレイジージャーニー」では、ソマリ人の極

→もっと見る

  • 2025年12月
    1234567
    891011121314
    15161718192021
    22232425262728
    293031  
PAGE TOP ↑