ある阿呆の血
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最終更新日:2012/05/28
高野秀行の【非】日常模様
10日ほど前だが、このブログを通して、読者からのメールが来たのはいいが、
「あなたは私を知っている。当ててみなさい」という高飛車かつ意味不明なもの。
てっきり頭のおかしいやつだろうと思っていたら、
そのあとのメールで、なんと20年も音信不通だった父方の従妹だと判明した。
いつの間にか、私の本の読者になっていたという。
今日その従妹と会った。
20年ぶりだが、彼女は子どものときから親戚の集まりでは押し黙って何も喋らず、
「あの子は大丈夫なのか」といわれていた子だったから、
ふつうに話をしたのは生まれて初めて。
会ってみれば、当時の暗い、頑なな雰囲気はなく、いたって明るい。
いろんな経験を経た「大人」だけがもっている賢さを感じる。
その一方、「子どもの頃から琵琶法師になりたかった」と言い、
実際に20歳を過ぎてから琵琶を買おうとしたら、
中古でも50万円もするので腰を抜かしてやめたという、いかにも私の従妹らしい逸話も披露していた。
そうそう、「高野の家はロシア人の血が入っているって聞いたけどほんと?」なんて
間抜けなことも言ってたっけ。
そんなわけ、ねーだろ!
写真を見ればわかるが、親族はみんな、八王子土着の百姓の顔だ。
もっとも私たちの祖父は小学校も出ていない純農民だったが、
ロシア文学にハマリ、なぜか一人で牛小屋にこもって小説を書いていたと聞いたことがある。
誰もその小説を読んだ者はいないらしいが…。
阿呆の血は争えないようである。
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やっほー!わたしも阿呆の仲間入り!!