*

もう10月

公開日: : 最終更新日:2012/05/28 高野秀行の【非】日常模様

いつの間にか10月になっていた。
先月読んだ本の中から面白いものをまとめて紹介しよう。
吉田誠一『ヨム マラソン』(講談社)

中高年の「スポーツにハマる」という現象について考えさせられた。

広瀬正『エロス』

昭和9年と昭和45年へのタイムスリップを存分に楽しめる。
小松左京の解説がすばらしい。

余華『活きる』(角川書店)

チャン・イーモウ監督・ゴン・リー主演映画の原作。
とことん不幸に見えるがとても美しく、そこはかとないユーモアに包まれた
不思議な作品。
同じ著者が最近出した下品きわまる『兄弟』とは真逆なのに、
共通したトーンが感じられる。

平松剛『磯崎新の「都庁」』(文藝春秋)

本格エンタメノンフの傑作。
どうして最近、建築関係に良書が多いのか。

同じく平松剛のデビュー作。

私はこっちのほうが好き。
しかし、これが大宅賞をもらっていたとは知らなかった。

千松信也『ぼくは猟師になった』(リトルモア)

京大に進学しながら、運送会社に勤務しながらの兼業猟師という生き方を選んでしまった人の話。
こんな人生もあるのだ。
さて、そろそろ自分の本を書かなければ。
もう2年以上も、新しい本を書いていないのだから。
(去年出版された2冊は一昨年に書き上げたもの)

関連記事

no image

略して『みらぶ~』!

『未来国家ブータン』の3刷りが届いた。こんな表紙である。すげ~なあ。 本書を「みらぶ~」と命名

記事を読む

no image

2009年の小説ベスト1

ここんところ仕事で行き詰っているのに、いや、だからこそ、 大作の小説を読んだ。 アミタヴ・ゴーシュ

記事を読む

no image

バトルロイヤルに負ける

7月に紀伊国屋新宿本店で行われていた書店員オススメ本バトルロイヤルだが、 「ゴッドファーザー」の続編

記事を読む

no image

元アヘン王国・ワ州の今

中国ネットウォッチャーで、ライターでもある安田峰敏君がワ州へ行ってきた。 中国領内でしかるべきコ

記事を読む

no image

鬼のミイラと地震予知動物

「未確認思考物隊」の仕事は続く。 先週は大分県宇佐市にある「鬼のミイラ」(写真・右)と 「地震予知動

記事を読む

no image

『謎の独立国家ソマリランド』PV&オタク本の魔力

『謎の独立国家ソマリランド』発売1カ月を記念して(?)、 プロモーション映像を作った。 http

記事を読む

no image

本の宴会

妻の大学時代の友人たちが集まる飲み会があり、私も混ぜてもらった。 場所は、やはり妻の友人で、本マニ

記事を読む

no image

なぜ北欧人は放射能を恐れてヒロシマに逃げるのか

もはや日記代わりなので、ここにどんどん書く。 29日(火)、「おとなの週末」で連載している「移民の宴

記事を読む

no image

新婚2ヶ月ではありません

こんな時期に不思議なのだが、『西南シルクロードは密林に消える』(講談社文庫)が 重版になった。 王

記事を読む

次のクレイジージャーニーはこの人だ!

世の中には、「すごくユニークで面白いんだけど、いったい何をしている人なのか説明できない」という人

記事を読む

Comment

  1. 植原 より:

    AGENT: Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.1; SV1; .NET CLR 1.1.4322)
    高野さん、
     今年は未だ書いてないということは、早くても今年末に書いて出版は来年末?
     おとなしくて純情なタカヒデ(?)ファンはどうなる?
    だって、1ヶ月に6冊も本を読んで(サラリーマンの通勤中の読書ならまだしも)時々、野々村荘へエスケープ(ワセダ三畳青春記)して、腰痛治しに整体行って・・・。(笑)
     ムレイ村でブタ探しと言い訳してた時みたいに(アヘン王国潜入記)何か一つに夢中になって欲しいです。
    かといってBlogが途絶えると不安になるし、ファンに心配かけさせるのも高野さんの魅力でもあるし。
    んー困りましたね。タカヒデファンの皆さんはどう思いますか?。
    勝手に長々書いて済みませんでした。
    暇人キタ3号(怪魚ウモッカ)より。

  2. SUM より:

    AGENT: SoftBank/1.0/921T/TJ001/SN359293012332811 Browser/NetFront/3.3 Profile/MIDP-2.0 Configuration/CLDC-1.1
    高野さん、こんにちは。いつもブログを拝見しておりますが、はじめてコメントさせていただきます。
    ブログを読んだ直後に、書店の棚で偶然『磯崎新の「都庁」』を見つけてしまったので何かの縁か(あるいは高野さんのパワーか)と買ってみました。
    失礼ながら著者の平松剛さんを知りませんでした。今から読んでみようと思います!

植原 へ返信する コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

デビュー35周年記念・自主サバティカル休暇のお知らせ

高野さんより、「デビュー35周年記念・自主サバティカル休暇」のお知らせ

no image
イベント&講演会、テレビ・ラジオ出演などのご依頼について

最近、イベントや講演会、文化講座あるいはテレビ・ラジオ出演などの依頼が

ソマリランドの歌姫、来日!

昨年11月に、なんとソマリランド人の女性歌手のCDが日本でリリ

『未来国家ブータン』文庫はちとちがいます

6月23日頃、『未来国家ブータン』が集英社文庫から発売される。

室町クレージージャーニー

昨夜、私が出演したTBS「クレイジージャーニー」では、ソマリ人の極

→もっと見る

  • 2025年11月
     12
    3456789
    10111213141516
    17181920212223
    24252627282930
PAGE TOP ↑