*

形見の銃弾

公開日: : 最終更新日:2012/05/28 高野秀行の【非】日常模様


 義父が昨年1月、義母が今月と、相次いで亡くなったため、
妻の実家は遺品の山である。
 なにしろ80歳以上生きた人たちだから、たまったモノの数はハンパでなく、
いったいどこに何があるのかさっぱりわからない。
木曜日、別の遺品を捜していたら、床下から散弾銃の弾が大量に出てきた。
義父は狩猟を趣味としていた。猟銃はすでに警察に返したものの、
なぜか銃弾は残しておいたらしい。
ベレッタ、レミントン、ウィンチェスター…。
海外ミステリや海外ノンフィクションでおなじみのブランドが続々現れて、
私は感動してしまった。
義姉も「わあ、なんだか大藪春彦みたい!」と妙な喜びかたをしていた。
酔っ払っていたこともあり、「形見分けだ」と三箱ももらってきてしまった。
いったいどうするんだろう、この銃弾。

関連記事

no image

だめだめスウェーデン刑事小説

ヘニング・マンケル『殺人者の顔』(創元推理文庫)を読む。 「スウェーデンが世界に誇る警察小説シリー

記事を読む

ときに意味もなく文庫解説一覧

別に意味はないが、書いていた原稿が一段落したので、こんなものを作ってみた。 まず拙著の文庫解説

記事を読む

no image

「日本人作家、怪獣を目撃」トルコ紙

私の謎の物体目撃について、「アナトリア通信」という通信社を介し、トルコの全国紙のうち「ザマン」「イ

記事を読む

no image

前回はブチ切れて、すみません。

よくよく見たら、前回の記事はなぜか途中でブチ切れているではないか。 石川さんと読者の方、すみません

記事を読む

no image

番組はよかったけれど…

もう先週の話になってしまったが、私が関わったNHKのドキュメンタリーが放映された。 自分が旅した様子

記事を読む

no image

『雪』断念

オルハン・パムク『雪』(藤原書店)を修行のように少しずつ読んできたが、 今日ついに断念。 小説自体が

記事を読む

no image

ミャンマーの伝奇小説「マヌサーリー」

 ジャズとプロレスを小学生のときから愛す義姉・高橋ゆりが(とついに名前が出てしまったが)日本語に訳

記事を読む

no image

「イスラム飲酒紀行」気持ちは早くも第2弾

今月25日に発売予定の新刊『イスラム飲酒紀行』(扶桑社)の予約受付がアマゾンで始まった。 なぜかわ

記事を読む

ミャンマー納豆紀行

業務連絡を兼ねたお知らせ。 今月19日より1ヶ月ほどミャンマーに行く予定だ。 もっと早く公表した

記事を読む

no image

サバイバルには向いてない

産経新聞用の書評でベン・シャーウッド『サバイバーズ・クラブ』(講談社インターナショナル)という本を

記事を読む

Comment

  1. komari-ko より:

    AGENT: Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.0; .NET CLR 2.0.50727)
    これ銃弾なんですね!?
    全く見たこともないモノなので、パッと見、香辛料(赤いのがナツメグで緑のがバジル)かと思いました。平和〜。

  2. machi より:

    AGENT: Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 5.1; GTB5; .NET CLR 1.1.4322)
    はじめまして。
    最近三畳青春期から入ってあれこれ読み進んでいます。
    Book 0ff で買って読んだウモッカをネット注文でも買ってしまいました。 (T_T)
    私としては重複購入はもう3回目なのであきらめていますが…
    今日の写真、早めのバレンタインデーかと思いました。

Message

メールアドレスが公開されることはありません。

no image
イベント&講演会、テレビ・ラジオ出演などのご依頼について

最近、イベントや講演会、文化講座あるいはテレビ・ラジオ出演などの依頼が

ソマリランドの歌姫、来日!

昨年11月に、なんとソマリランド人の女性歌手のCDが日本でリリ

『未来国家ブータン』文庫はちとちがいます

6月23日頃、『未来国家ブータン』が集英社文庫から発売される。

室町クレージージャーニー

昨夜、私が出演したTBS「クレイジージャーニー」では、ソマリ人の極

次のクレイジージャーニーはこの人だ!

世の中には、「すごくユニークで面白いんだけど、いったい何をしている

→もっと見る

    • アクセス数1位! https://t.co/Wwq5pwPi90 ReplyRetweetFavorite
    • RT : 先日、対談させていただいた今井むつみ先生の『言語の本質 ことばはどう生まれ、進化したか』(秋田嘉美氏と共著、中公新書)が爆発的に売れているらしい。どんな内容なのかは、こちらの対談「ことばは間違いの中から生まれる」をご覧あれ。https://t.c… ReplyRetweetFavorite
    • RT : 今井むつみ/秋田喜美著『言語の本質』。売り切れ店続出で長らくお待たせしておりましたが、ようやく重版出来分が店頭に並び始めました。あっという間に10万部超え、かつてないほどの反響です! ぜひお近くの書店で手に取ってみてください。 https:/… ReplyRetweetFavorite
    • RT : 7月号では、『語学の天才まで1億光年』(集英社インターナショナル)が話題の高野秀行さんと『ムラブリ』(同上)が初の著書となる伊藤雄馬さんの対談「辺境で見つけた本物の言語力」を掲載。即座に機械が翻訳できる時代に、異国の言葉を身につける意義について語っ… ReplyRetweetFavorite
    • オールカラー、430ページ超えで本体価格3900円によくおさまったものだと思う。それにもびっくり。https://t.co/mz1oPVAFDB https://t.co/9Cm8CjNob8 ReplyRetweetFavorite
    • 文化背景の説明がこれまた充実している。イラク湿地帯で食される「ハルエット(現地ではフレートという発音が一般的)」という蒲の穂でつくったお菓子にしても、ソマリランドのラクダのジャーキー「ムクマド」にしても、私ですら知らなかった歴史や… https://t.co/QAHThgpWJX ReplyRetweetFavorite
    • 最近、献本でいただいた『地球グルメ図鑑 世界のあらゆる場所で食べる美味・珍味』(セシリー・ウォン、ディラン・スラス他著、日本ナショナルジオグラフィック)がすごい。オールカラーで写真やイラストも美しい。イラクやソマリランドで私が食べ… https://t.co/2PmtT29bLM ReplyRetweetFavorite
  • 2024年4月
    « 3月    
    1234567
    891011121314
    15161718192021
    22232425262728
    2930  
PAGE TOP ↑