辺境女子作家・名須川先輩デビュー!
公開日:
:
最終更新日:2012/05/28
高野秀行の【非】日常模様
『メモリークエスト』で、「日本への身元保証人になってほしいと迫ったミャンマー人のアナン君」と「古今東西の春画を集めているセーシェルのインドおやぢ」という2つの依頼をしてくれた名須川ミサコさんという人がいる。
旅行ライターで、話をきけば、私が海外に出る前から、いろんな辺境地を駆けずり回っている人で、つまりは「先輩」である。
話もめっぽう面白い。
岩手出身で小学生のときから日本酒を飲んでいて、世界のどこに行っても自分より酒の強い男に会ったことがないとか、マダガスカルに野生動物を見に行ったはいいが、そこは「トゲトゲの森」と呼ばれるほどトゲのある植物が多く、完全防備で行ったのに、瞳に肉眼ではよく見えないような細かいトゲが20も刺さって死ぬほど痛かったとか、
まあ、すごい。
あまりに面白いので、その場で幻冬舎の編集者に「名須川さんに原稿書いてもらいなよ」と強く勧め、それがこのほど実現した。
web幻冬舎「世界おやぢ紀行」
http://webmagazine.gentosha.co.jp/oyadi/index.html
第一回は、コモロ共和国で、会ってたった二日の男に求婚され、それを名須川さんがOKしてしまったという、これまたびっくりの話。
なぜか、冷凍庫に放り込まれたシーラカンスを見つけたそうで、その貴重な写真(!)も掲載されている。
辺境女子作家・名須川先輩のデビュー作をどうぞ。
関連記事
-
「シャバはつらいよ」連載開始!
大野更紗「困ってるひと」の続編、「シャバは辛いよ」がポプラ・ビーチにて連載が始まった。 今回、私は
-
ソマリアの海賊裁判は面白い!
ほとんどの人が知らないと思うが、ソマリアの海賊が日本に来ている。 日本も国際協力の名の下に法整備を行
-
学校や仕事に行くのが辛いとき、この映像を見よう
アブディンの『わが盲想』、やっと重版がかかった。 「すぐにドカーンと売れる」という私の皮算用か
-
笑えるノンフィクション・旅行記を教えてほしい
ちょっと前に、これから写真に力を入れると書いたが、 パソコンの使い方に悪戦苦闘しているうちに原稿に
-
「ワセダ三畳記」が増刷!
『ワセダ三畳青春記』の増刷が決まった。 集英社文庫、5冊目出してやっと増刷だ。 私は最初『異国トー
-
西原理恵子『できるかな クアトロ』
私が「解説」を書いた西原理恵子の『できるかな クアトロ』(角川文庫)が届く。 漫画部分は例によって
-
小説の書き方本、ベスト3はこれだ!
「本の雑誌」12月号が届いた。 特集は「いま作家はどうなっておるのか!」 ベテラン文芸編集者が匿名
- PREV :
- スポーツノンフィクションとしてのブラインドサッカー
- NEXT :
- なぜか妻が…
Comment
AGENT: Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.0; .NET CLR 2.0.50727)
わ〜続きが読みたい!
求婚を受けて結婚されたんでしょうか?!
ん?でも確かメモリークエストでは「ハワイ在住」とかってなってたような。
するすると吸い込まれるような(いや吸い込むのは私か?)な文章ですね。
AGENT: Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.1; SV1; .NET CLR 1.1.4322)
第二回(後編)読みました。
おもしろかなしずむ、ですね。名須川さんの行動力?
もすごいすごい。