2009年の小説ベスト1
公開日:
:
最終更新日:2012/05/28
高野秀行の【非】日常模様

ここんところ仕事で行き詰っているのに、いや、だからこそ、
大作の小説を読んだ。
アミタヴ・ゴーシュ『ガラスの宮殿』(新潮クレストブックス)。
旧英領のインド、ビルマ、マレーシアを舞台に展開する一族の夢と恋と冒険を書き綴った、
アジア版「百年の孤独」みたいな大河小説である。
(書きっぷりはむしろチリの作家イザベル・アジェンデの『精霊たちの家』や『エヴァ・ルナ』に近いが)
よほど取材と調査をしたようで、一つ一つのエピソードのディテイルがすごい。
ノンフィクションかと思うくらいだ。
読んでいるとものすごくこの舞台へ行きたくなる。
あー、仕事なんか放り出して今すぐ行きてえ!と叫びそうになったが、
よく考えたらバングラに行くじゃないか。
主人公一族の故地はバングラのチッタゴン周辺なのである。
ともかく2009年の小説ベスト1はこれに決定。
関連記事
-
-
高島俊男先生の人生は失敗だったらしい
敬愛する高島俊男先生の新刊『お言葉ですが…別巻⑤ 漢字の慣用音って何だろう?』(連合出版)を読む。相
-
-
生物「超」多様性問題
探検部の後輩で今、テレビのディレクターをやっている男が生物多様性問題について取材をしているというので
-
-
野口英世は史上最強の日本人探検家!
高野秀行公式サイトへようこそ。 ここでは私の日常模様を書くことになってるのだが、私の日常は「飲む、
-
-
ソマリランド療法の勧め
なんとか取材の目処がつき、来週の8日(金)に東京に着く便を予約した。 ソマリ人は、私にとって、おそら
-
-
ロゼをちびちびやりながら砂漠を行く
ごぶさたしております。 20日に東京を発ち、今度はなぜか北アフリカのチュニジアをうろうろしている。
-
-
放っておいても明日は来る
「暑さに負けつつ本を売ろうと思い立った」という謎のメールが杉江さんから来た。 web本の雑誌で『放
-
-
「少しよろしいですか」
打ち合わせがあったのだが、電車に乗ってから肝心の原稿を忘れたことに気づき、 愕然としていったん帰宅。
-
-
マンセームー脳人間、読書界へ進出!
学研「ムー」的なものに脳が染まってフリーズしてしまうという恐ろしい状態、 それが「慢性ムー脳人間」。
- PREV :
- 雪男
- NEXT :
- ハッピー・ストリート



Comment
AGENT: Mozilla/5.0 (Windows; U; Windows NT 5.1; ja; rv:1.9.0.14) Gecko/2009082707 Firefox/3.0.14 (.NET CLR 3.5.30729)
精霊たちの家、大好きです。というわけで早速おすすめの本、アマゾンで購入しました!ありがとうございます。ちなみに昨日怪獣記を読みました。私は特にUMAファンではありませんが、UMAに熱狂する夫は怪獣記に熱狂してました。