*

ニムラの時代到来&ツバルは沈まない

公開日: : 最終更新日:2012/05/28 高野秀行の【非】日常模様

本日(9月21日)朝日新聞の朝刊11面にて、「明日来る」のトップバッターにして
私をブータンに送り込んだ二村聡さんとその会社ニムラ・ジェネティック・ソリューションズが
生物多様性会議に関する特集の一環として大きく取り上げられている。
ていうか、「ニムラ」の特集みたいだ。
ニムラの公式アドバイザーである私もたいへん嬉しい。
二村さんもいよいよメジャーになってきた。
今月末から来月初めにかけて、あちこちの新聞・雑誌に出るらしい。
来週28日にはテレビ東京のワールドビジネスサテライトにも登場するという。
ファンはお見逃しなく!
       ☆        ☆         ☆
ところで、その二村さんに教えてもらったのだが、
南太平洋にあって温暖化で沈むことで有名なツバルが実は「沈まない」らしい。
オセアニア地域研究の専門家で農業経済学博士である小林泉・大阪学院大学教授は
「ツバル問題と海面上昇とは当面無関係」と断言している。
http://monden.daa.jp/01tuvalu/guest03a.html
実際の問題は、人口増とツバルの経済状況の悪化。
それで2002年、当時の首相がおそらく先進国の環境派弁護士に入れ知恵されて
「ツバルは温暖化で沈むので環境難民として認めてほしい」と国連に訴え、
それをマスコミがろくに確かめもせずに報道しまくり、
いまや世界の常識にまでなってしまったということらしい。
私は前からツバルに行ってみたいと思っていたので、
最近では最も驚くニュースだ。
私が先日行った早稲田での生物多様性シンポジウムでなぜか登場した女性映画監督は
ツバル沈没をメインの一つにしたドキュメンタリー映画をとり、その話をしていたが、
彼女も騙されていたということか。
そしてその映画がまた他の人たちを騙すということになるのか。
そういえばヒマラヤの氷河が2035年までに溶けるというのも間違いだったという。
エコロジーの話は嘘だらけで何を信じていいかわからなくなりそうだが、
そういうときは現地をよく知る人の話に耳を傾けるしかない。

関連記事

no image

ソマリランドをラクダで探検する

来年の今頃、ソマリランドとプントランドの国境地帯をラクダで旅しようと思っている。 ピラミッドみたい

記事を読む

no image

法隆寺の謎

武澤秀一『法隆寺の謎を解く』(ちくま新書)を読む。 インドの聖地を歩いて回った建築家が建築学と空間

記事を読む

no image

タマキングのおそるべき深化

早く紹介せねば!と思いながら、もう発売から二週間近くが過ぎてしまった。でも、まだ買っていない人もたく

記事を読む

no image

テレビ川柳師・ナンシー関の秀逸な評伝

読書運というものがあって、読んでも読んでも面白い本に当たらないときもあれば、手にする本がことごとく面

記事を読む

no image

濁った水たまりで釣りをする

アブディンから電話がかかってきた。 彼は結局、身重の奥さんと北九州に「疎開」した。 スーダンの実家か

記事を読む

no image

内澤旬子と三匹の豚

ジュンク堂新宿店で、宮田珠己部長、内澤旬子副部長とトークショーを行った。 本来、宮田部長が『スットコ

記事を読む

no image

うなドン

日曜日、和光大学で教えているロバート・リケットさんという人と下北沢で会う。 リケットさんは南三陸のフ

記事を読む

no image

ドリアン系の作家たち

私が中島義道先生や町田康の本を面白いと書いて、なんだか意外だったようだが、 ほんとうに両方とも好き

記事を読む

no image

ここにも藤岡弘探検隊のファンが…

ひょんなことから、作家の古処誠二(こどころ・せいじ)と飯を食った。 つい最近まで私は古処さんのこと

記事を読む

no image

ボロボロのデビルマンみたいなやつ

月曜日、ヒストリーチャンネルの取材が終わったあと、 探検部の現役学生3名と飯を食う。 うち二人はニュ

記事を読む

Comment

  1. アジケト より:

    AGENT: Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 8.0; Windows NT 5.1; Trident/4.0; .NET CLR 1.1.4322; InfoPath.2; .NET CLR 2.0.50727; .NET CLR 3.0.4506.2152; .NET CLR 3.5.30729)
    >ファンはお見逃しなく
    僕のファンはいないでしょうから、
    高野ファンの皆さま、よろしくお願いします。

  2. 小林 純 より:

    AGENT: Mozilla/5.0 (Macintosh; U; Intel Mac OS X 10_5_8; ja-jp) AppleWebKit/533.18.1 (KHTML, like Gecko) Version/5.0.2 Safari/533.18.5
    いや、僕はれっきとした二村さんファンです。
    二村さんがこれから救う世界の大きさを信じて疑わない一人です。

  3. アジケト より:

    AGENT: Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 8.0; Windows NT 5.1; Trident/4.0; .NET CLR 1.1.4322; InfoPath.2; .NET CLR 2.0.50727; .NET CLR 3.0.4506.2152; .NET CLR 3.5.30729)
    高野さん 先ほど連絡がありまして、
    今日の予告にもちらりと登場するそうです。
    自分はマレーシアで見られないのですが…

Message

メールアドレスが公開されることはありません。

no image
イベント&講演会、テレビ・ラジオ出演などのご依頼について

最近、イベントや講演会、文化講座あるいはテレビ・ラジオ出演などの依頼が

ソマリランドの歌姫、来日!

昨年11月に、なんとソマリランド人の女性歌手のCDが日本でリリ

『未来国家ブータン』文庫はちとちがいます

6月23日頃、『未来国家ブータン』が集英社文庫から発売される。

室町クレージージャーニー

昨夜、私が出演したTBS「クレイジージャーニー」では、ソマリ人の極

次のクレイジージャーニーはこの人だ!

世の中には、「すごくユニークで面白いんだけど、いったい何をしている

→もっと見る

    • アクセス数1位! https://t.co/Wwq5pwPi90 ReplyRetweetFavorite
    • RT : 先日、対談させていただいた今井むつみ先生の『言語の本質 ことばはどう生まれ、進化したか』(秋田嘉美氏と共著、中公新書)が爆発的に売れているらしい。どんな内容なのかは、こちらの対談「ことばは間違いの中から生まれる」をご覧あれ。https://t.c… ReplyRetweetFavorite
    • RT : 今井むつみ/秋田喜美著『言語の本質』。売り切れ店続出で長らくお待たせしておりましたが、ようやく重版出来分が店頭に並び始めました。あっという間に10万部超え、かつてないほどの反響です! ぜひお近くの書店で手に取ってみてください。 https:/… ReplyRetweetFavorite
    • RT : 7月号では、『語学の天才まで1億光年』(集英社インターナショナル)が話題の高野秀行さんと『ムラブリ』(同上)が初の著書となる伊藤雄馬さんの対談「辺境で見つけた本物の言語力」を掲載。即座に機械が翻訳できる時代に、異国の言葉を身につける意義について語っ… ReplyRetweetFavorite
    • オールカラー、430ページ超えで本体価格3900円によくおさまったものだと思う。それにもびっくり。https://t.co/mz1oPVAFDB https://t.co/9Cm8CjNob8 ReplyRetweetFavorite
    • 文化背景の説明がこれまた充実している。イラク湿地帯で食される「ハルエット(現地ではフレートという発音が一般的)」という蒲の穂でつくったお菓子にしても、ソマリランドのラクダのジャーキー「ムクマド」にしても、私ですら知らなかった歴史や… https://t.co/QAHThgpWJX ReplyRetweetFavorite
    • 最近、献本でいただいた『地球グルメ図鑑 世界のあらゆる場所で食べる美味・珍味』(セシリー・ウォン、ディラン・スラス他著、日本ナショナルジオグラフィック)がすごい。オールカラーで写真やイラストも美しい。イラクやソマリランドで私が食べ… https://t.co/2PmtT29bLM ReplyRetweetFavorite
  • 2024年11月
    « 3月    
     123
    45678910
    11121314151617
    18192021222324
    252627282930  
PAGE TOP ↑