水泳大会&妻帰る
公開日:
:
最終更新日:2012/05/28
高野秀行の【非】日常模様
先週は虚ろな日々を過ごしていたが、
日曜日は前々から予定されていた巣鴨での水泳大会。
リレーのメンバーでもあるのでもちろん参加する。
会場へ行くと、八百数十人もの老若男女(マスターズだから子供はいないが20代後半はいる)が養殖場のマスのようにバシャバシャと水面を泳ぎまわっており、
初めて外国のモスクに入り、ムスリムの人たちがいっせいに膝をついてお祈りをしている姿を見たときと同じ驚きをおぼえた。
なんだ、このやばい人たちは、という感じだ。
でもその十分後には私も一緒にまじってマスのようにバシャバシャやっており、
違和感なく溶け込んでいるのも、モスクのときと同じだった。
そして月曜日は、妻がブータンから帰国し、ブータンの焼酎アラを飲みながら
土産話を聞く。
アラは蒸留酒のくせに、醸造酒の日本酒よりマイルド。
蒸留したときの薪から出た煙の匂いが、辺境の村の囲炉裏の匂いそのもので
とても懐かしい。
夜這い取材のため、ガイドや地元の人たちといろいろ揉め、
ときに激怒して怒鳴ったり、ときに悔し涙を流しながら、
ブータンでもいちばん僻地をうろついたという話を聞き、
「そんなことのために、よくそこまでやるよな」と思う。
こうして、どんどん日常に戻っていく。
「放っておいても明日は来る」とは、まさに「生きる」ということなんだなと今更ながら気づいた。
関連記事
-
-
本の雑誌はみんなの実家なのか
ツイッターでつぶやいたので重複するようだが、昨日久しぶりに本の雑誌を読んだ。 いつも買おうと思い
-
-
キワモノ作家の王道娯楽ミステリ!?
久しぶりに新規の(自分にとって)小説を楽しんで読んだ。 田中啓文『チュウは忠臣蔵のチュウ』(文春文
-
-
原宏一氏との対談がウェブ登場
昨日まちがえて「タカタカ対談リターンズ」と書いたが、 「タカタマ対談」でした。 まさか「本の雑誌」の
-
-
炎のジプシー・ブラス
ルーマニアを代表するロマ(ジプシー)ブラス、ファンファーレ・チォカリーアのドキュメンタリー映画『
-
-
『怪獣記』見本本、到着!
『怪獣記』(講談社)の見本本がついに届いた。 私は最近よく本を出しているイメージがあるが、ほとんど文
-
-
心身がついていかない
日本に帰り突然環境が激変し、心身がまったく付いていかない。 2ヶ月近くソマリエリア(ソマリランド、ソ
-
-
今月のエンタメノンフ文芸部はすごい
今月は宮田珠己部長の「日本全国津々うりゃうりゃ」(廣済堂出版)と 内澤旬子副部長の「飼い喰い」(岩波
- PREV :
- イベントのお知らせ
- NEXT :
- 対談は仕事場でなく家庭で



Comment
AGENT: Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.1; Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.1; SV1) ; .NET CLR 1.1.4322)
アラ というのは
アラック から来てるんですよね?