*

公私混同の推進を!

公開日: : 最終更新日:2012/05/28 高野秀行の【非】日常模様


来年3月ごろ発売が予定されている『世界の市場』という本に掲載用のインタビューを受ける。
インタビュアーは松岡絵里さんというフリーの編集者兼ライターだったが、
面白いことに「高野さんのファンです」と全く関係ないのにダンナさんが付いてきていた。
(もちろん前もって私に「いいですか?」と訊いてきたのだが)
お二人は旅好きで、新婚旅行で世界一周をしたあげく、
『してみたい! 世界一周』(情報センター出版局)という本を二人でつくったという。
奥付をみればなんと12刷。
1800円の本が、だ。
思わず、ひざまずいて教えを請いたくなる。
でも、いいよなあ。
仕事なのに、関係のないダンナさんがついてくるとか、
新婚旅行を利用して本を書いてベストセラーにしてしまうとか。
「日本人は人生を楽しんでいない」という話が定期的に出て、
またその都度、「労働時間の短縮を」とか言うけどちがうんじゃないか。
労働も公私混同して、家族や友達や恋人と一緒に楽しくやればいいんじゃないか。
日ごろ思っていたことを再度確認させてもらった。

関連記事

no image

横領ニモ負ケズ

私の行くところトラブルありと人は言う。 今回もでっかいトラブルが起きた。 よりにもよって『メモリー

記事を読む

no image

狂気の起源を求めて

ビルマ(ミャンマー)難民研究者にして本人は医療難民の大野更紗さんのところに シャン料理をもっていく。

記事を読む

no image

ついに「増刷童貞」が破られる

 日本帰国後に知ったニュースの第二弾。  ついにというか、やっとというか、私の「増刷童貞」が破られ

記事を読む

no image

海賊の少年とすしざんまい

裁判というのはひじょうに傍聴が難しい。 いつ行われるのか直前にならないと公表されないのだ。

記事を読む

no image

ペ・ヨンジュンが好きな理由=2位.肉体?

 早大探検部の後輩で、かつてワセダの同じアパートに住んでいた男と久しぶりに飲んだ。 彼はいまテレビの

記事を読む

no image

前回はブチ切れて、すみません。

よくよく見たら、前回の記事はなぜか途中でブチ切れているではないか。 石川さんと読者の方、すみません

記事を読む

no image

美味すぎる差し入れ

読者の方よりお酒をいただいた。 身内の方が、千葉県香取郡神崎町にある超老舗(江戸時代初期創業だそう

記事を読む

no image

尼僧が行く!

誰か人を別の人に紹介するのがとても好きである。 昔から、自分には彼女がいないのに、友人に女の子を紹

記事を読む

no image

霊感はない、ただ見えるだけ

工藤美代子『もしもノンフィクション作家がお化けに出会ったら』(幽ブックス)という本をもらっていたこ

記事を読む

no image

小説の強烈な引き

麻雀やカードゲームと同じように、読書も「引き」が強いときと弱いときがある。 引きが強いときには、て

記事を読む

Comment

  1. 関係のないダンナのほうです より:

    AGENT: Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 8.0; Windows NT 6.0; Trident/4.0; SLCC1; .NET CLR 2.0.50727; Media Center PC 5.0; .NET CLR 1.1.4322; .NET CLR 3.5.30729; .NET CLR 3.0.30729)
    無理言って同席させていただき、本当にありがとうございました。
    日ごろから公私混同してばかりなのですが、
    奥さんのインタビュー仕事に同行したのは初めてでした。
    いやでも大感激&今年一番緊張したできごとだったかも?です。
    サイン入り袋とじ文庫は家宝として大切に保存させていただきますね。

Message

メールアドレスが公開されることはありません。

no image
イベント&講演会、テレビ・ラジオ出演などのご依頼について

最近、イベントや講演会、文化講座あるいはテレビ・ラジオ出演などの依頼が

ソマリランドの歌姫、来日!

昨年11月に、なんとソマリランド人の女性歌手のCDが日本でリリ

『未来国家ブータン』文庫はちとちがいます

6月23日頃、『未来国家ブータン』が集英社文庫から発売される。

室町クレージージャーニー

昨夜、私が出演したTBS「クレイジージャーニー」では、ソマリ人の極

次のクレイジージャーニーはこの人だ!

世の中には、「すごくユニークで面白いんだけど、いったい何をしている

→もっと見る

    • アクセス数1位! https://t.co/Wwq5pwPi90 ReplyRetweetFavorite
    • RT : 先日、対談させていただいた今井むつみ先生の『言語の本質 ことばはどう生まれ、進化したか』(秋田嘉美氏と共著、中公新書)が爆発的に売れているらしい。どんな内容なのかは、こちらの対談「ことばは間違いの中から生まれる」をご覧あれ。https://t.c… ReplyRetweetFavorite
    • RT : 今井むつみ/秋田喜美著『言語の本質』。売り切れ店続出で長らくお待たせしておりましたが、ようやく重版出来分が店頭に並び始めました。あっという間に10万部超え、かつてないほどの反響です! ぜひお近くの書店で手に取ってみてください。 https:/… ReplyRetweetFavorite
    • RT : 7月号では、『語学の天才まで1億光年』(集英社インターナショナル)が話題の高野秀行さんと『ムラブリ』(同上)が初の著書となる伊藤雄馬さんの対談「辺境で見つけた本物の言語力」を掲載。即座に機械が翻訳できる時代に、異国の言葉を身につける意義について語っ… ReplyRetweetFavorite
    • オールカラー、430ページ超えで本体価格3900円によくおさまったものだと思う。それにもびっくり。https://t.co/mz1oPVAFDB https://t.co/9Cm8CjNob8 ReplyRetweetFavorite
    • 文化背景の説明がこれまた充実している。イラク湿地帯で食される「ハルエット(現地ではフレートという発音が一般的)」という蒲の穂でつくったお菓子にしても、ソマリランドのラクダのジャーキー「ムクマド」にしても、私ですら知らなかった歴史や… https://t.co/QAHThgpWJX ReplyRetweetFavorite
    • 最近、献本でいただいた『地球グルメ図鑑 世界のあらゆる場所で食べる美味・珍味』(セシリー・ウォン、ディラン・スラス他著、日本ナショナルジオグラフィック)がすごい。オールカラーで写真やイラストも美しい。イラクやソマリランドで私が食べ… https://t.co/2PmtT29bLM ReplyRetweetFavorite
  • 2023年12月
    « 3月    
     123
    45678910
    11121314151617
    18192021222324
    25262728293031
PAGE TOP ↑