アマゾンの謎
公開日:
:
最終更新日:2012/05/28
高野秀行の【非】日常模様
「極楽タイ暮らし」が手元になくなってしまった。
この本は一般書店では入手しにくいので、ネット書店のアマゾンで注文しようと思い、自分のページを開いた。
で、驚いたのだが、「巨流アマゾンを遡れ」(集英社文庫)の親本である「アマゾンの船旅」(ダイヤモンド社)が入荷されていた。
これはずっと前に「品切れ」になっていたものだ。
よく見れば「ユーズド」つまり古本出品である。しかし、価格を見てたまげた。
「3400円」という値段がついているのだ。
ちなみに、元の定価は税込みで1713円。
ほぼ2倍になっている。
文庫化されたら、単行本はふつう値が下がる。それが逆にプレミアがついているのだ。
これはおそらく親本には、文庫で大幅削除された鈴木邦弘氏のカラー写真がふんだんに載っているからだと思われる。
しかし、一般の読者も書店員もそんなことは知らないだろうし(なんせ親本は全然売れなかった)、いったいどういうことなんだろう?
だいたい、この本は「地球の歩き方・紀行ガイド」と明記してある。
古いガイドブックにプレミアがつくなんて、前代未聞ではないか。
どういうことなんだろう?
マニアがいるのか? 誰が値段設定をしているのだろう? 謎だ。
私の手元にも、親本「アマゾンの船旅」はたった一冊しかない。
古本で見つけたらすぐに買うつもりでいたが、3400円はちとキツい…。
絶版になった自分の本にプレミアがついたのは嬉しいが、それを自分が買えないというのは極めて遺憾であり、たいへん複雑な気分である…。
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Comment
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すごい! 自分の本を検索してみたら、4円から出てました。
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4円はキツイですねえ。
でも、そういう出品者はよほど本を愛しているんでしょうね。ふつうはゴミに出しますよ。めんどうくさいし。
私たちにとってはありがたいお客さんです。
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すごいことです。でも当たり前のことだ。アレだけ大変だったのだからね。あの本はワシも手元においてある。完成度が高く、読者に媚びてない。硬派の高野節がブイブイ言ってる。たかが3400円だとワシは思うぜ。ちなみにワシのLPは1万で売れた。やっぱ読者やリスナーに媚びたらイカンな。でもそれだけだとワシのようにマイナーになっちまうが・・・(涙)。
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<続>
とは言ったものの・・・・3400円じゃ、ワシ先行投資してアマゾンに出品しょーっと!ここでセコク金儲けじゃい。高野君の本でショーバイさしちもらいますっ!
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タカノさん、なんとウチには3冊もありますぜ。
しかもいずれもきれいで良品状態。
トータル1万円オーバーですか・・・
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悟空さんとmoriyamaさんが出品したら、一気に大暴落しそうですねえ…。