*

シュウコウとヒデユキは同一人物です

公開日: : 最終更新日:2012/05/28 高野秀行の【非】日常模様


ご存知のように、前回のブログのコメント欄に映画配給会社の宣伝の人から
コンゴの作家、エマニュエル・ドンガラさんの連絡先を教えてほしいという伝言が掲載された。
実は私もつい最近、内澤旬子さんより聞いて知ったのだが、
ドンガラさんの『ジョニー・マッド・ドッグ』という小説が
いつの間にか映画化され、日本でも公開されることになったという。
ネットで調べたら、
なんとカンヌ映画祭で賞ももらっていた。
内澤さんが試写会のチケットをもらい、誘ってくれたので、
近々見に行くつもり。
少しは話題になって、その前の作品である『世界が生まれた朝に』(高野秀行訳、小学館、絶版)
がどこかで文庫化されないかな、なんて、はかない希望を抱きはじめてしまった。
      ☆          ☆           ☆
先日、サハラ・マラソンに出た帰り、マドリッドで夜中、いきなり高熱を出した。
砂で喉がやられたうえに、急に集中力を爆発させて5時間以上も走った疲れというか、
知恵熱みたいなものかもしれない。
とにかく、翌日の17時間のフライトに耐えられそうになかったので
深夜に医師を呼ぶべく日本の保険会社に電話した。
すると、ここで問題発生。
私はネットで保険会社と契約した。
クレジットカードで支払い、その名義である「タカノ・シュウコウ」が契約人となっていた。
去年の名前変更大作戦の名残りだ。
しかるに、パスポートでは「タカノ・ヒデユキ」。
ここで電話オペレーターが困惑し、「シュウコウ様とヒデユキ様が同一人物だということを
示す証明書がありますか?」
「同一人物だという証明書???」
私も絶句。
マドリッド。深夜2時。熱が39度近くあるのに
どうしてこんなことになるのだ!
「私がその生き証人ですよ!」とかわけのわからないことを
口走り、
電話が何度も行ったり来たりしたあげく、
なんとか解決されたようだが、
文字通り疲労困憊した。
こんなバカらしいことはこりごりなので、やっと重い腰をあげ、
シュウコウとヒデユキが入り混じっている各種の名義を、
ヒデユキに統一することにした。
銀行口座はとりあえず全てヒデユキに戻した。
振込は今後、じゃんじゃんヒデユキにお願いしますね。

関連記事

no image

シワ夢文庫化

『世界のシワに夢を見ろ!』の文庫化が決まり、 小学館の編集者Tさんと打ち合わせ。 文庫化にあたっては

記事を読む

no image

ナガランドに行けるのか

「G-diary」の元編集長がスタッフとともに分離独立して創刊した「アジアの雑誌」3月号が届く。

記事を読む

no image

おお、神よ、私は働きたくない

宮田珠己待望の新刊『なみのひとなみのいとなみ』(朝日新聞出版)が発売された。 単行本の新刊は一年半ぶ

記事を読む

no image

あなたの本職は何ですかと訊かれた

3月に、大野更紗さんが「わたくし、つまりnobady賞」という謎の文芸賞を受賞し、 私もその授賞式

記事を読む

no image

来たれ、ポロロッカ!

昨日、『困ってるひと』に重版がかかったという知らせが届いた。 発売後たった6日のことだ。 よく「発売

記事を読む

no image

『ワセダ1.5坪青春記』韓国でヒット中

ソウル・ショック第2弾は、私の本の韓国語版『ワセダ1.5坪青春記』が 発売たった2ヶ月で3刷りにな

記事を読む

no image

新刊「世界のシワに夢を見ろ!」完成

いよいよお待ちかね、新刊「世界のシワで夢を見ろ!」(通称「しわゆめ」)が完成した。 これはヤングチ

記事を読む

no image

これからは「盲人サッカー」だ!

以前「少林サッカー」という面白い映画があったが、それはもう古い(私が言うまでもなく古いけど)。これか

記事を読む

no image

今年も奇書で行きます

新年あけましておめでとうございます。 今年は高野本プチバブル最終年になる。 新刊、文庫合わせて5冊

記事を読む

no image

トルコ・ワン湖の怪獣

> タカさんというUMA(未確認動物)ファンの方から、今話題となっているいろいろなUMAを紹介

記事を読む

Comment

  1. 山中温泉 より:

    AGENT: Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 8.0; Windows NT 6.0; Trident/4.0; SLCC1; .NET CLR 2.0.50727; Media Center PC 5.0; .NET CLR 3.5.30729; .NET CLR 3.0.30729)
    銀行のキャッシュカードのパスワード認証ができず
    新しいカードを作るはめになりました。
    1つのパスワードを使いまわすのは危険と聞きますが
    とても覚えられません。
    シンプルなのが1番だと思います。
    名前なら尚更です。

山中温泉 へ返信する コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。

no image
イベント&講演会、テレビ・ラジオ出演などのご依頼について

最近、イベントや講演会、文化講座あるいはテレビ・ラジオ出演などの依頼が

ソマリランドの歌姫、来日!

昨年11月に、なんとソマリランド人の女性歌手のCDが日本でリリ

『未来国家ブータン』文庫はちとちがいます

6月23日頃、『未来国家ブータン』が集英社文庫から発売される。

室町クレージージャーニー

昨夜、私が出演したTBS「クレイジージャーニー」では、ソマリ人の極

次のクレイジージャーニーはこの人だ!

世の中には、「すごくユニークで面白いんだけど、いったい何をしている

→もっと見る

    • アクセス数1位! https://t.co/Wwq5pwPi90 ReplyRetweetFavorite
    • RT : 先日、対談させていただいた今井むつみ先生の『言語の本質 ことばはどう生まれ、進化したか』(秋田嘉美氏と共著、中公新書)が爆発的に売れているらしい。どんな内容なのかは、こちらの対談「ことばは間違いの中から生まれる」をご覧あれ。https://t.c… ReplyRetweetFavorite
    • RT : 今井むつみ/秋田喜美著『言語の本質』。売り切れ店続出で長らくお待たせしておりましたが、ようやく重版出来分が店頭に並び始めました。あっという間に10万部超え、かつてないほどの反響です! ぜひお近くの書店で手に取ってみてください。 https:/… ReplyRetweetFavorite
    • RT : 7月号では、『語学の天才まで1億光年』(集英社インターナショナル)が話題の高野秀行さんと『ムラブリ』(同上)が初の著書となる伊藤雄馬さんの対談「辺境で見つけた本物の言語力」を掲載。即座に機械が翻訳できる時代に、異国の言葉を身につける意義について語っ… ReplyRetweetFavorite
    • オールカラー、430ページ超えで本体価格3900円によくおさまったものだと思う。それにもびっくり。https://t.co/mz1oPVAFDB https://t.co/9Cm8CjNob8 ReplyRetweetFavorite
    • 文化背景の説明がこれまた充実している。イラク湿地帯で食される「ハルエット(現地ではフレートという発音が一般的)」という蒲の穂でつくったお菓子にしても、ソマリランドのラクダのジャーキー「ムクマド」にしても、私ですら知らなかった歴史や… https://t.co/QAHThgpWJX ReplyRetweetFavorite
    • 最近、献本でいただいた『地球グルメ図鑑 世界のあらゆる場所で食べる美味・珍味』(セシリー・ウォン、ディラン・スラス他著、日本ナショナルジオグラフィック)がすごい。オールカラーで写真やイラストも美しい。イラクやソマリランドで私が食べ… https://t.co/2PmtT29bLM ReplyRetweetFavorite
  • 2024年4月
    « 3月    
    1234567
    891011121314
    15161718192021
    22232425262728
    2930  
PAGE TOP ↑