酔って記憶をなくします
公開日:
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最終更新日:2012/05/28
高野秀行の【非】日常模様
野宿泥酔の翌日は二日酔いにもならず、心身とも妙に快調。
そして翌々日、つまり今日も絶好調。
身体から毒が抜けたような感じだ。
伊野尾書店前に吐き出してきたともいえる。
(比喩ですよ。ゲロ吐いてないからね)
写真・上 かとうちあき編集長と私
写真・中 観客は路上のブルーシートの上か立ち見
写真・下 翌朝の野宿風景
だが、一つ謎の現象が。
デイパックの中を見たら、見覚えのない文庫本が入っている。
石原たきび『酔って記憶をなくします』(新潮文庫)
酔っ払って意識を失った人たちの体験談を集めたものらしい。
いったい何だ、これは。
きれいなビニールに包まれていたから、私が伊野尾書店の店頭からガメたものではなさそうだ。
でも、てことは、誰かが私に渡すつもりで、用意してきたのだろうか。
私が酔って意識を失うのを見越したうえで?
しっかし、この本、最高におもしろい。
酔っ払って交番のおまわりさんにプロポースしたとか、
泥酔した翌日、エレベーターのない3階の自室に新聞配達用のスーパーカブがあったとか、
好きな男性が飲み会にいたので嬉しくて飲み過ぎ、気づいたら別の男とベッドに寝ていたとか、
他人の酒の失敗談というのはなぜこんなに笑えるのか。
さんざん笑い転げたあとで、ふと思った。
私は今まで酒の失敗がないというのが自慢だったのだが、それは本当だろうか。
単に記憶を失ってるだけじゃないのか。
昨日もいったい何をしたのか、しゃべったのか憶えてないのだ。
ていうか、この本、くれたのは誰なんだろう???
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ボクも、酔って記憶を無くしたことがないのが自慢ですが、学生の頃の友人が「酔ってパンツを脱ぎ、そのまま女子を追い回していた」と言っていました。冗談だと思っていましたが、そういえば、その女子がボクを避けるようになったのは、その飲み会のあとだったことを思い出しました…
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寝袋畑、壮観です。
右の黒い寝袋の人は自転車に轢かれても文句言えない位置ですね。w
みんなカッコイイ!ちょっとうらやましい。
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不思議な空間でした^^
かとうさんは、見た目『可愛らしい普通の女性』でしたが、やっぱり『野宿モノ』なんですね〜。
一番記憶に残るのは、伊野尾店長さんのアッチコッチへのフットワークでしょうか。。。
あ!そういえば高野さんにサインもらわなかった!^^;;;
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学生時代じゃないんだから・・・
でも、落ち着いちゃった身としては、
スゲーうらやましい。