逃してますぜ
公開日:
:
最終更新日:2012/05/28
高野秀行の【非】日常模様
ドキュメンタリー映画「引き裂かれたイレブン オシムの涙」のDVDを購入して観る。
原題は「ユーゴスラヴィア最後の代表チーム」とあるように、
ユーゴ解体直前のオシムが監督をつとめた代表チームの選手にインタビューし、
またユーロ2000で新ユーゴ(セルビア&モンテネグロ)がクロアチアと引き分けて
本大会出場を決定したというすごい場面が収録されている。
この映画ではオシムの発言はひじょうに常識的。
「サッカーが政治利用されてしまった」とか「スポーツは民族と民族をこえて存在する」とか。
もしかすると、今のオシム語録は修羅場を超えてから、何か突き抜けてしまったために
出てくる言葉なのかもしれないと思ってしまう。
一つだけ、オシムのすごい発言があった。
「(内戦で)死んだ人たちはかえってよかった。ひどい言い方だとわかっている。
(中略)でも、私たちは魂が殺されたんだ」
もう私の想像力をこえていて、なんとも言いようがない。
☆ ☆ ☆
内澤旬子副部長と妻と私の三人で、上野と湯島で飲む。
湯島のバーで、居合わせたナイスミドルの男性客が内澤さんに一杯5000円の超高級カクテル(!)を
おごったのに仰天したが、
「あ、どうもどうも」と軽く挨拶してそれをごくごく飲み、
あとはその人の存在も忘れている内澤さんにも呆れた。
内澤さん、上野ではあんなに「次は金持ちのオトコと結婚してえ!」と騒いでいたのに。
関連記事
-
まんせーむーのうあんあん
「本の雑誌」で今度は、大槻ケンヂ氏と「マンセームーノー対談」。 オーケン博士の分析によれば、人は誰で
-
講談社ノンフィクション賞を受賞しました
今日、タイの時間で3時過ぎ、チェンマイ大学の裏門前(通称「ランモー」)を通過中に驟雨にあい、 移動
-
いい人症候群の後遺症
震災以来、突然「いい人」のふりをしてしまう恐ろしい伝染病「急性いい人症候群」に冒されていたが、 ここ
-
私の出演するラジオ・テレビ番組がなぜ面白くないのか
今年はテレビ2本、ラジオはけっこうな数に出演した。 毎月一回は何かに出ているだろう。 が、正直言って
-
世界陰謀の真実はビニール傘にあるのか
某出版社で編集をしている探検部の後輩・杉山の紹介で、丸山ゴンザレスという異端作家と新宿の客家
-
テレビ川柳師・ナンシー関の秀逸な評伝
読書運というものがあって、読んでも読んでも面白い本に当たらないときもあれば、手にする本がことごとく面
-
「アフリカにょろり旅」
今、発売されている「本の雑誌」(雨合羽潜水号)の連載(「高野秀行の辺境読書」)で、こんな本をとりあげ
- PREV :
- 尼僧が行く!
- NEXT :
- ナカキョー、直木賞を受賞
Comment
AGENT: Mozilla/5.0 (Macintosh; U; Intel Mac OS X 10_4_11; ja-jp) AppleWebKit/533.16 (KHTML, like Gecko) Version/4.1 Safari/533.16
あんなに素晴らしく香り高い奇跡のようなダークラムをですよ、ミント入れてモヒート作らせるなんて、邪道なんすよ、邪道。
あれはキで飲むべき酒です。氷すら入れるべきではない。
それだけはゆずれませんのです。
ていいながら意地汚くも飲み干したけどさ。
AGENT: Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 8.0; Windows NT 5.1; Trident/4.0; .NET CLR 1.1.4322; .NET CLR 2.0.50727; .NET CLR 3.0.4506.2152; .NET CLR 3.5.30729; Creative AutoUpdate v1.10.10)
↑うほほほほ
副部長さんカッコいいす!
本日、高野さんお気に入りのナカキョーさんが直木賞というので、何か書いてあるかな〜と思ったら、副部長の男前エピソードでした。はっはっは!