トルコの飲酒史
公開日:
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最終更新日:2012/05/28
高野秀行の【非】日常模様
トルコ通風来坊の末澤の紹介で、16世紀オスマン朝の文化・経済を研究している気鋭の研究者Sさんと一杯やりながら、当時の「酒」について聞く。
Sさんは専門以外の話でも、私が何を訊いても即答がかえす強者で、
当時、どのようににムスリム、キリスト教徒、ユダヤ教徒が共存していたかを
具体例をあげて説明してくれた。
共存は酒問題に直結する。今も昔も。
また、「酢を作るときにはどうしてもまず酒を造らなければならない。
その製造過程の酒を横流しすることが絶えなかったらしい」
なんて指摘も目から鱗。
アヘンとモルヒネの関係じゃないが、酒はムスリムにとっても
どうしても必要なものだったのだ。一時的にしても。
これらは4月発売予定の『イスラム飲酒紀行』のあとがきあたりで
詳しく書きたい。
あと、関係ないが、Sさんはたまたま私の「ワセダ三畳青春記」を読んでいた。
イスタンブールに持って行って読み、読み終わると知り合いにあげたという。
まだイスタンブールでぐるぐる回っているらしい。
嬉しいことである。
どうもありがとうございました。
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もし、未読であれば、ぜひご一読を。