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【訂正】岡野雅行『野人伝』

公開日: : 最終更新日:2012/05/28 高野秀行の【非】日常模様


このところ忙しくてブログを書く時間がなかなかとれないが、
岡野雅人 岡野雅行『野人伝』(新潮社)だけは言っておかねばならない。
もーとにかくむちゃくちゃ面白いなんてもんじゃない。
初版43万部完売で追加注文になぜならなかったのか不思議なくらいだ。
魁!男塾に紛れ込んで素人サッカー部を立ち上げ、
大学時代はディスコの黒服をやっていて、清原に買い物を頼まれ、
あまりに早く戻ってきて驚かれ、
泥酔でシュートを決めプロ入りし、
一人スルーパス(一人サイドチェンジという説も)でスタジアムを爆笑のるつぼにたたき込み、
犬に走り勝ち、
ワールドカップ予選ではベンチ入りからはずれて試合中ピッチでビールを飲みながら観戦、
そしてジョホールバルで伝説の決勝ゴールを決める……。
チャンスがなくてくさってる人、能力がいまだ開花してないと感じる人、
もう手遅れだと思っている人、故障や体調不良に悩んでる人、
上司に恵まれないと思ってる人など、
すべての冴えない人にお勧めである。

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  1. Fuku より:

    AGENT: Mozilla/5.0 (Macintosh; U; PPC Mac OS X 10_4_11; ja-jp) AppleWebKit/533.19.4 (KHTML, like Gecko) Version/4.1.3 Safari/533.19.4
    岡野の名前が雅人になってますよ。Twitterも。

  2. 高野秀行 より:

    AGENT: Mozilla/5.0 (Windows; U; Windows NT 6.0; en-US) AppleWebKit/534.10 (KHTML, like Gecko) Chrome/8.0.552.224 Safari/534.10
    あ、誠に失礼しました!
    “野人”に引っ張られてしまいました。
    本名じゃないんですよね。

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    • RT : 7月号では、『語学の天才まで1億光年』(集英社インターナショナル)が話題の高野秀行さんと『ムラブリ』(同上)が初の著書となる伊藤雄馬さんの対談「辺境で見つけた本物の言語力」を掲載。即座に機械が翻訳できる時代に、異国の言葉を身につける意義について語っ… ReplyRetweetFavorite
    • オールカラー、430ページ超えで本体価格3900円によくおさまったものだと思う。それにもびっくり。https://t.co/mz1oPVAFDB https://t.co/9Cm8CjNob8 ReplyRetweetFavorite
    • 文化背景の説明がこれまた充実している。イラク湿地帯で食される「ハルエット(現地ではフレートという発音が一般的)」という蒲の穂でつくったお菓子にしても、ソマリランドのラクダのジャーキー「ムクマド」にしても、私ですら知らなかった歴史や… https://t.co/QAHThgpWJX ReplyRetweetFavorite
    • 最近、献本でいただいた『地球グルメ図鑑 世界のあらゆる場所で食べる美味・珍味』(セシリー・ウォン、ディラン・スラス他著、日本ナショナルジオグラフィック)がすごい。オールカラーで写真やイラストも美しい。イラクやソマリランドで私が食べ… https://t.co/2PmtT29bLM ReplyRetweetFavorite
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