*

戦時中に建てられた家

公開日: : 最終更新日:2012/05/28 高野秀行の【非】日常模様

友人が大井町線千束に新居を構えたので、
他の友達連中と一緒に遊びに行く。
友人はマレーシア人女性と結婚し、クアラルンプール在住だが、
一ヶ月の半分は東京で仕事をしている。
今までホテルやウィークリーマンションを使っていたが、
モノが置けないので家を借りたという。
その家がすごかった。
なんと昭和18年、つまり戦時中に建てられた平屋の家。
三つの部屋はぜんぶ畳で、廊下があり、障子張りだ。
箪笥も昔のものがそのままで、柱時計がボーン、ボーンと時を打つ。
大人たちはちゃぶ台を囲んでわいわいと酒を飲み、
子供たちは廊下や部屋を転げ回っている。
まるで昔、田舎の親戚のうちに集まったみたいだ。
情緒ありすぎ。
しかも聞けば家賃はたった9万。自由が丘のすぐそばなのに。
「ここに住みたい!」と集まった人間全員が叫んだ。
住人である友人は一ヶ月のうち半分はいないので、その間ここを対談やエンタメノンフの部活や昼寝場所に使わせてもらおうと勝手に心に決めた。

関連記事

no image

楽しい南米

ペルーのマリオ・バルガス=リョサがノーベル文学賞を受賞した。 私が親しみ、著作を何冊も読んでいる作

記事を読む

no image

ほんとうに極限捜査

一週間くらい前、「あまりに重過ぎて飽きた」といった オレン・スタインハウアーの『極限捜査』(文春文

記事を読む

no image

王様のブランチ

妻は早起きして一昨日から通っている浦安市の災害ボランティアに出かけていたので、 9:30にひとりで「

記事を読む

no image

次にブレイクする作家

 今月8日発売の「本の雑誌」(7月号)に、久しぶりに私の名前が出た。  「次にブレイクする作家はこ

記事を読む

no image

『辺境の旅はゾウにかぎる』

ここで書いたかどうかもう忘れてしまったが、 6月に『辺境の旅はゾウにかぎる』(本の雑誌社)という本

記事を読む

マスクマンになりたい

旧ユーゴ(主にコソボ)の取材が終わってだいぶ経つ。 ブログで写真をお見せしようと思っていたのだ

記事を読む

no image

世の中は私の知らない番組であふれている

三日間、伊豆に行ってきた。 昼間は外であれこれやっていたのだが、 夜は何もやることがなくすごくヒマ。

記事を読む

no image

サッカーファン強化合宿

高橋源一郎の小説『「悪」と戦う』(河出書房新社)を読む。 文学が成り立つ前提をとっぱらうというタカ

記事を読む

no image

早大探検部バカ50周年記念

早稲田大学探検部が今年で創立50周年を迎える。 本当ならば、ライバル視していた(向こうは屁とも思って

記事を読む

no image

テレビ、週刊誌

 週刊Aよりある本の書評をしてほしいと頼まれるが、実はすでに全く同じ本を週刊Bから頼まれていたので、

記事を読む

Comment

  1. アジケト より:

    AGENT: Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 5.1; GTB6; .NET CLR 2.0.50727)
    おほめにあずかり光栄です。
    でも、いいでしょ?(笑)

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

デビュー35周年記念・自主サバティカル休暇のお知らせ

高野さんより、「デビュー35周年記念・自主サバティカル休暇」のお知らせ

no image
イベント&講演会、テレビ・ラジオ出演などのご依頼について

最近、イベントや講演会、文化講座あるいはテレビ・ラジオ出演などの依頼が

ソマリランドの歌姫、来日!

昨年11月に、なんとソマリランド人の女性歌手のCDが日本でリリ

『未来国家ブータン』文庫はちとちがいます

6月23日頃、『未来国家ブータン』が集英社文庫から発売される。

室町クレージージャーニー

昨夜、私が出演したTBS「クレイジージャーニー」では、ソマリ人の極

→もっと見る

  • 2025年11月
     12
    3456789
    10111213141516
    17181920212223
    24252627282930
PAGE TOP ↑