*

超絶三味線じいさんも現役!「間(ま)」が命の伝統芸、浪曲恐るべし。

「THE 浪曲」の打ち合わせのため、浅草へ。

おかげさまでチケットの方は完売とのことで、あとはシンポジウムの内容を詰めるのみです。

浅草木馬亭で開かれた5月の浪曲の番組表。6月は1日(水)〜7日(火)の予定。

浅草木馬亭で開かれた5月の浪曲の番組表。6月は1日(水)〜7日(火)の予定。

1時間半ほど打ち合わせをしたのち、浪曲の定席(じょうせき)、木馬亭で浪曲を鑑賞。 この日は、ちょうど楽日で、富士路子、三門柳、東家浦太郎というそうそうたる面々が出演していました。

 

浪曲(ろうきょく)のおもしろさは、ライブにあり!

どの芸にも共通することなのかもしれませんが、浪曲もライブが命。

声色ひとつで人物や情景を鮮やかに描写し、ここぞというタイミングで入る唄によって、ぐっと盛りあげる。

浪曲では、語りの部分を「啖呵(たんか)」、唄の部分を「節(ふし)」と言うのですが、聞いていると、アタマの中に自然と映像が浮かんできて、「これぞまさに話芸の醍醐味!」と感動していたら、客席からお客さんのすすり泣きが聞こえてきました。

 

浪曲は「浪曲師」と「曲師」の二人三脚!

三味線を弾く人を、浪曲では曲師(きょくし)といい、浪曲師にとって、曲師は自分の腕を左右するほどに重要な存在です。

どんな名人でも、曲師が変わっただけで、まったくダメになるということがあるくらい。

その違いを突き詰めていくと、「間(ま)」なんだそうです。

曲師は、言葉と言葉の間の空白や、節のつなぎ、ほんの短い絶妙なタイミングで三味線や声を入れていきます。そのタイミングが少しでもずれてしまえば、浪曲師は息をのんでしまい、自分の実力が出せません。

これがいわゆる「間が悪い」というやつで、今もタイミングの悪いことや、人をさすときにいったりしますね。

 

浪曲師と“あうん”の呼吸で間を読みながら弾く!

浪曲の三味線は、決まりこそあれど、ほとんどは浪曲師と掛け合いでアドリブを弾くスタイル。譜面通りに1曲を演奏して終わりというわけではないので、フリージャズなどに近いのかも知れません。

長唄や義太夫を弾いている三味線の人が、浪曲の三味線にも挑戦してみたところ、掛け合いや、弾くタイミング、間の入れ方など、高度すぎてお手上げだったそうな。

さて、その超絶な間をクリエイトしていた曲師の方。

寄席後にご挨拶したら、なんと御年78歳。

6歳から浪曲をはじめ、10歳から三味線をはじめたという、脅威の芸歴68年選手でした。

御年78歳!の超絶三味線を弾く曲師、伊丹秀敏(いたみひでとし)師匠。 音色もリズムも自由自在、三味線奏者必見(必聴)の至芸。

御年78歳!の超絶三味線を弾く曲師、伊丹秀敏(いたみひでとし)師匠。
音色もリズムも自由自在、三味線奏者必見(必聴)の至芸。

 

PR

関連記事

祝!創立12周年。MOの読み方で世代がわかる、小社とデジタル環境の移り変わり。

先週の土曜日、10月29日(土)、会社創立から丸12周年を迎えた。 干支で一回りしたことになる。

記事を読む

no image

名物ブログのウラに編集の技あり!

新年度の初日、Facebookのウォールに飛び込んできた永江一石さんのリンクを一目見て、今期の日々の

記事を読む

no image

「編集スキルを応用した」大掃除のコツはこれだ!(長文)

いよいよ2012年も大詰めです。 TwitterやFacebookでは、仕事納めの済んだ人もちらほ

記事を読む

こそっと玉音も入ってる!シンセをバックに尺八と箏で演奏するレディー・ガガ『Telephone』の面白さ

面白い動画が飛び込んできました。 すでにロケットニュースでも取り上げられているので、目

記事を読む

第一線で活躍する人たちの「大いなる法則」みたいなものはないのか?〜過去の取材から考える

Google Analyticsのアクセス解析によると、ここ数日アクセスの伸びているものに、第一線で

記事を読む

プロでもぶっつけ本番で納得のいく文章を書くのは難しい……

1発で決めようと思うな!〜文章も写真もプロの作品のウラには大量のボツがある!

これは、子どものころ、自分も思っていたことなので、ぜひ書いておきたいと思います。  

記事を読む

Facebookで仕事がはかどる?!〜グループ機能を使って情報を共有する〜

職場のパソコンでFacebookを見ていると、サボっているように思われる……という方に必見(?)の、

記事を読む

止まらない音楽のデジタル化と、出版楽譜業界のジレンマについて思う。

ヤマハが開発したアプリ「Chord Tracker」についてFacebookに投稿したところ、いろん

記事を読む

no image

人はなぜ、三日坊主になってしまうのか。〜ほぼ日ブログ宣言とその真意〜

昨日、高校の同級生で、マンションや商業施設の再開発業務を行う会社を経営している齋藤くんが会社へ遊びに

記事を読む

校正あるある(あっちゃまずいんだけど)〜ヒヤリハット編〜

昨日、Twitter経由で回ってきたGIGAZINの記事、 「学研ムック「自然農法で野菜づくり」の

記事を読む

PR

Message

メールアドレスが公開されることはありません。

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

PR

2020年1月21日(火)@赤羽/新宿二丁目ママ歴27年、涼ママの歌とトークと焼肉ホルモンde笑ってナイト、大盛況でした。

 久しぶりのイベント復帰、どんなことになるだろう……と思いつつ、フタ

2020年1月21日(火)@赤羽/新宿二丁目ママ歴27年、涼ママの歌とトークと焼肉ホルモンde笑ってナイトをプロデュースします。

 あっという間に2019年が過ぎ去り、2020年入り。 明けましてお

小林家と居倉家の対面について書かれた福島民友新聞社の記事。
小林家のファミリーヒストリー 〜信州から会津に行ったご先祖様〜

NHKに「ファミリーヒストリー」という人気番組がある。 毎回、ひ

出版不況の中、デジタルオンデマンド印刷の登場は、業界をどう変えるのか?
出版不況の中、デジタルオンデマンド印刷の普及で出版界はどう変わる?

このところ、本の雑誌社の杉江さんと「おとなの社会科見学」が続いている。

レンガ状に配置された「Project」。今回、会社のサービスを紹介する場所に使いました。
WPテーマ「Perth」の設定で困ったこと③プロジェクトが表示されない!

先日、会社のホームページをリニューアルしました。Wordpressの「

→もっと見る

  • 2023年3月
     12345
    6789101112
    13141516171819
    20212223242526
    2728293031  
PAGE TOP ↑