超絶三味線じいさんも現役!「間(ま)」が命の伝統芸、浪曲恐るべし。
「THE 浪曲」の打ち合わせのため、浅草へ。
おかげさまでチケットの方は完売とのことで、あとはシンポジウムの内容を詰めるのみです。
1時間半ほど打ち合わせをしたのち、浪曲の定席(じょうせき)、木馬亭で浪曲を鑑賞。 この日は、ちょうど楽日で、富士路子、三門柳、東家浦太郎というそうそうたる面々が出演していました。
浪曲(ろうきょく)のおもしろさは、ライブにあり!
どの芸にも共通することなのかもしれませんが、浪曲もライブが命。
声色ひとつで人物や情景を鮮やかに描写し、ここぞというタイミングで入る唄によって、ぐっと盛りあげる。
浪曲では、語りの部分を「啖呵(たんか)」、唄の部分を「節(ふし)」と言うのですが、聞いていると、アタマの中に自然と映像が浮かんできて、「これぞまさに話芸の醍醐味!」と感動していたら、客席からお客さんのすすり泣きが聞こえてきました。
浪曲は「浪曲師」と「曲師」の二人三脚!
三味線を弾く人を、浪曲では曲師(きょくし)といい、浪曲師にとって、曲師は自分の腕を左右するほどに重要な存在です。
どんな名人でも、曲師が変わっただけで、まったくダメになるということがあるくらい。
その違いを突き詰めていくと、「間(ま)」なんだそうです。
曲師は、言葉と言葉の間の空白や、節のつなぎ、ほんの短い絶妙なタイミングで三味線や声を入れていきます。そのタイミングが少しでもずれてしまえば、浪曲師は息をのんでしまい、自分の実力が出せません。
これがいわゆる「間が悪い」というやつで、今もタイミングの悪いことや、人をさすときにいったりしますね。
浪曲師と“あうん”の呼吸で間を読みながら弾く!
浪曲の三味線は、決まりこそあれど、ほとんどは浪曲師と掛け合いでアドリブを弾くスタイル。譜面通りに1曲を演奏して終わりというわけではないので、フリージャズなどに近いのかも知れません。
長唄や義太夫を弾いている三味線の人が、浪曲の三味線にも挑戦してみたところ、掛け合いや、弾くタイミング、間の入れ方など、高度すぎてお手上げだったそうな。
さて、その超絶な間をクリエイトしていた曲師の方。
寄席後にご挨拶したら、なんと御年78歳。
6歳から浪曲をはじめ、10歳から三味線をはじめたという、脅威の芸歴68年選手でした。
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