*

ハダカデバネズミのことはソマリ人に訊け?!

公開日: : 最終更新日:2012/05/28 高野秀行の【非】日常模様


もうとっくに出発したと思ってらっしゃる方も多いだろうが、
実はまだいます。
やっと仕事が全部片付いて、準備も今終わった。
あとは一時間後に家を出て成田へ向かうのみ。
ところで紹介しようと思っていて忘れていた本があった。
吉田重人、岡ノ谷一夫『ハダカデバネズミ』(岩波科学ライブラリー)
ハダカデバネズミなんて聞いたこともなかったが、
ネズミの赤ん坊にセイウチの牙が上下に生えたような異様な風体、
女王が君臨し、兵隊ネズミやふとん係ネズミがいるというアリやハチみたいな集団生活をし、哺乳類なのに変温で、とにかく、めうちゃくちゃに変わっていておもしろい動物だ。
本書はこのへんてこネズミをユーモラスな文章で語る、そうエンタメノンフなのだ。
びっくりすることだらけだが、私が個人的にいちばん驚いたのは
このネズミの生息域が不気味なくらいソマリ人の居住域と重なっていることだった。
理由はよくわからない。
両者ともサバンナより乾燥した土地に適応しているのかもしれない。
現地に行ったら、ソマリ人にこのネズミを知っているか訊いてみたい。
まさか食べないとは思うけど。

関連記事

no image

メールが届かない

最近、こちらから出したメールが届いていないというケースが増えている。 プロバイダのせいなのだろうか。

記事を読む

『バウルを探して』が新田次郎文学賞を受賞!!

川内有緒『バウルを探して 地球の片隅に伝わる秘密の歌』(幻冬舎)が 第33回新田次郎文学賞を受

記事を読む

no image

バンコク炎上

昨日は友人のKさんに教えられ、twitterで、バンコク在住のRichard Barrowという欧

記事を読む

no image

文学じゃないが

少し声らしきものが出るようになったが、まだ人間のものとは思えない。 今日の授業はいったいどうなるの

記事を読む

ときに意味もなく文庫解説一覧

別に意味はないが、書いていた原稿が一段落したので、こんなものを作ってみた。 まず拙著の文庫解説

記事を読む

no image

オススメ土着的流行歌

今日は珍しく音楽の紹介をさせていただきたい。 シングルCD エコツミ「さくらの日」 二年前になる

記事を読む

no image

なんだかすごく忙しい…

ブログの更新がすっかり滞ってしまった。 なんだかすごく忙しいのである。 12月出発予定のウモッカ探索

記事を読む

no image

映画「ホテル・ルワンダ」を見るべし!

試写会で、映画「ホテル・ルワンダ」を見た。 1994年、ルワンダで三ヶ月で数十万人が虐殺されるという

記事を読む

no image

ナカキョーの文庫解説に感激

西芳照『サムライブルーの料理人』(白水社)を読む。 サッカー日本代表専属でワールドカップにも2回帯

記事を読む

no image

今さらだが…

角田光代『八日目の蝉』(中央公論新社)を読む。 今まで読んだ角田作品の中で(そんなにたくさん読んでな

記事を読む

Comment

  1. コシチェイ より:

    AGENT: DoCoMo/2.0 N05A(c100;TB;W24H16)
    ペシャクパラングの原イメージとなった(と思われる)地雷除去動物、ガンビア・ポウチド・ラットはどのあたりの動物なんですか?ハダカデバネズミとはどう違うでしょうか?

  2. さわよう より:

    AGENT: Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 8.0; Windows NT 5.1; Trident/4.0; GTB7.1; .NET CLR 1.1.4322; InfoPath.1; .NET CLR 2.0.50727; .NET CLR 3.0.04506.30; .NET CLR 3.0.4506.2152; .NET CLR 3.5.30729)
    高野さん、一応の報告ですが、今朝の王様のブランチの文芸書ランキングで大野更紗「困ってるひと」が8位にランクインしていました。
    テレビ見ててぶっ飛びました。ここまできたか・・・と。
    ちなみに西武池袋の三省堂書店でもリブロでも平積みされていて結構売れている感じでした。
    私はといえばメモリークエスト文庫を明日地元亀有で購入予定です。
    帰ってきたら忙しくなりそうですね。ソマリランドお気をつけて。

Message

メールアドレスが公開されることはありません。

no image
イベント&講演会、テレビ・ラジオ出演などのご依頼について

最近、イベントや講演会、文化講座あるいはテレビ・ラジオ出演などの依頼が

ソマリランドの歌姫、来日!

昨年11月に、なんとソマリランド人の女性歌手のCDが日本でリリ

『未来国家ブータン』文庫はちとちがいます

6月23日頃、『未来国家ブータン』が集英社文庫から発売される。

室町クレージージャーニー

昨夜、私が出演したTBS「クレイジージャーニー」では、ソマリ人の極

次のクレイジージャーニーはこの人だ!

世の中には、「すごくユニークで面白いんだけど、いったい何をしている

→もっと見る

    • アクセス数1位! https://t.co/Wwq5pwPi90 ReplyRetweetFavorite
    • RT : 先日、対談させていただいた今井むつみ先生の『言語の本質 ことばはどう生まれ、進化したか』(秋田嘉美氏と共著、中公新書)が爆発的に売れているらしい。どんな内容なのかは、こちらの対談「ことばは間違いの中から生まれる」をご覧あれ。https://t.c… ReplyRetweetFavorite
    • RT : 今井むつみ/秋田喜美著『言語の本質』。売り切れ店続出で長らくお待たせしておりましたが、ようやく重版出来分が店頭に並び始めました。あっという間に10万部超え、かつてないほどの反響です! ぜひお近くの書店で手に取ってみてください。 https:/… ReplyRetweetFavorite
    • RT : 7月号では、『語学の天才まで1億光年』(集英社インターナショナル)が話題の高野秀行さんと『ムラブリ』(同上)が初の著書となる伊藤雄馬さんの対談「辺境で見つけた本物の言語力」を掲載。即座に機械が翻訳できる時代に、異国の言葉を身につける意義について語っ… ReplyRetweetFavorite
    • オールカラー、430ページ超えで本体価格3900円によくおさまったものだと思う。それにもびっくり。https://t.co/mz1oPVAFDB https://t.co/9Cm8CjNob8 ReplyRetweetFavorite
    • 文化背景の説明がこれまた充実している。イラク湿地帯で食される「ハルエット(現地ではフレートという発音が一般的)」という蒲の穂でつくったお菓子にしても、ソマリランドのラクダのジャーキー「ムクマド」にしても、私ですら知らなかった歴史や… https://t.co/QAHThgpWJX ReplyRetweetFavorite
    • 最近、献本でいただいた『地球グルメ図鑑 世界のあらゆる場所で食べる美味・珍味』(セシリー・ウォン、ディラン・スラス他著、日本ナショナルジオグラフィック)がすごい。オールカラーで写真やイラストも美しい。イラクやソマリランドで私が食べ… https://t.co/2PmtT29bLM ReplyRetweetFavorite
  • 2024年11月
    « 3月    
     123
    45678910
    11121314151617
    18192021222324
    252627282930  
PAGE TOP ↑