*

連投初戦で同志発見?!

公開日: : 最終更新日:2013/09/02 高野秀行の【非】日常模様

2013.06.18daikikin先週の木曜日から月曜(昨日)まで、5日間で4回の飲み会。
しかもほぼ全てが深酒。
まるで昔の稲尾やカネヤンみたいな連投っぷりだ。

どれも楽しかったが、知的好奇心を満足させるという面で圧倒的に面白かったのは最初の清水克行さんとの飲み会。
清水さんは明治大学准教授で日本の中世史が専攻。
NHKの「タイムスクープハンター」で監修も行っている。気鋭の学者だ。

私は清水さんの『喧嘩両成敗の誕生』(講談社メチエ新書)『日本神判史』(中公新書)『大飢饉、室町社会を襲う!』(吉川弘文館)という一連の著作を読み、
たいへんに感銘を受け、それをブログに書いたところ、
たまたま私の『移民の宴』を担当してくれた編集者、河井さんがタイムスクープハンターのコミック版を担当しており、
清水さんと私の飲み会をセッティングしてくれたのだ。

最初は明大の応接室で1時間半ほど話し、その後、下北沢の居酒屋に移って、
終電近くまで夢中で喋ってしまった。
あとで河井さんが「あんなに楽しそうな高野さんを見たことがありません。目がハートになってましたよ(笑)」とメールで書いてきたほどだ。

「非西欧化社会」という意味でアジア・アフリカと室町・戦国時代は共通する部分が多々あり、
私が今まで疑問に思っていたことを片っ端から質問すると、
清水さんがこれまた片っ端から、実に明晰かつ簡素に説明してくれる。
私が心に思い描いていることをここまで汲み取ってもらえることは稀で、
しかも互いに「事実を面白く伝えたい」という気持ちも同じ。
宮田部長、ウチザワ副部長と出会ったとき以来の「同志発見!」という感動を得た。

日本酒はバンバン飲んでいたので、後半はうろ覚えだが、
河井さんがちゃんと録音してくれていたので大丈夫。
まだまだ話したりない(正確には訊き足りない)ので、
清水さんとは何連投もしたいと真剣に思う。

(清水さんの著作は、ご本人のお話と同様、どれも読みやすく、面白く書かれているので
歴史が苦手、とくに室町のごちゃごちゃした感じが苦手の人にもお勧めです)

関連記事

no image

世にも奇妙なマラソン大会

帰国した。大人の遠足はなかなかにハードだったが、想像以上に充実していた。 今回私が参加したサハラ・

記事を読む

no image

前世マラソン

朝から深夜までかかって、横浜、東京都西多摩郡檜原村、新宿区の三ヶ所で 前世を見てもらう。 「未確認思

記事を読む

no image

タカノゴダン来宅

先週は客人がぞこぞこうちにやってきて、中には泊っていく人もおり、 「民宿&居酒屋タカノ」状態だった。

記事を読む

no image

魔術的リアリズムのブラジルサッカー

アレックス・ベロス『フチボウ—美しきブラジルの蹴球』(ソニーマガジンズ)は 実に面白い本だった。

記事を読む

no image

また知り合いがノンフィクション賞を受賞!

小説すばる(10月号)に、開高健ノンフィクション賞の発表が載っていた。 それを見て、たまげてしまった

記事を読む

no image

アラジンは中国人だった!?

旅のトリビア「たびとり」はまったく反響がなかったが、懲りずに最近驚いたことを一つ。 山田和『インド

記事を読む

写真の才能5%、四倍増計画

かつて「高野さんには写真の才能が5%くらいしかない」と友人の写真家G師匠に言われた。5%とは何の

記事を読む

no image

飲み放題トークイベント

一昨日、神保町に行ったら、いつの間にか東京堂書店が2軒とも様変わりしていた。 一件は女性のファッシ

記事を読む

no image

アマゾンの謎

 「極楽タイ暮らし」が手元になくなってしまった。  この本は一般書店では入手しにくいので、ネット書

記事を読む

no image

丸善ラゾーナ川崎店は伝説になる

今、丸善ラゾーナ川崎店でものすごいフェアをやっている。 その名も「君は高野秀行を知っているか」。 私

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。

no image
イベント&講演会、テレビ・ラジオ出演などのご依頼について

最近、イベントや講演会、文化講座あるいはテレビ・ラジオ出演などの依頼が

ソマリランドの歌姫、来日!

昨年11月に、なんとソマリランド人の女性歌手のCDが日本でリリ

『未来国家ブータン』文庫はちとちがいます

6月23日頃、『未来国家ブータン』が集英社文庫から発売される。

室町クレージージャーニー

昨夜、私が出演したTBS「クレイジージャーニー」では、ソマリ人の極

次のクレイジージャーニーはこの人だ!

世の中には、「すごくユニークで面白いんだけど、いったい何をしている

→もっと見る

    • アクセス数1位! https://t.co/Wwq5pwPi90 ReplyRetweetFavorite
    • RT : 先日、対談させていただいた今井むつみ先生の『言語の本質 ことばはどう生まれ、進化したか』(秋田嘉美氏と共著、中公新書)が爆発的に売れているらしい。どんな内容なのかは、こちらの対談「ことばは間違いの中から生まれる」をご覧あれ。https://t.c… ReplyRetweetFavorite
    • RT : 今井むつみ/秋田喜美著『言語の本質』。売り切れ店続出で長らくお待たせしておりましたが、ようやく重版出来分が店頭に並び始めました。あっという間に10万部超え、かつてないほどの反響です! ぜひお近くの書店で手に取ってみてください。 https:/… ReplyRetweetFavorite
    • RT : 7月号では、『語学の天才まで1億光年』(集英社インターナショナル)が話題の高野秀行さんと『ムラブリ』(同上)が初の著書となる伊藤雄馬さんの対談「辺境で見つけた本物の言語力」を掲載。即座に機械が翻訳できる時代に、異国の言葉を身につける意義について語っ… ReplyRetweetFavorite
    • オールカラー、430ページ超えで本体価格3900円によくおさまったものだと思う。それにもびっくり。https://t.co/mz1oPVAFDB https://t.co/9Cm8CjNob8 ReplyRetweetFavorite
    • 文化背景の説明がこれまた充実している。イラク湿地帯で食される「ハルエット(現地ではフレートという発音が一般的)」という蒲の穂でつくったお菓子にしても、ソマリランドのラクダのジャーキー「ムクマド」にしても、私ですら知らなかった歴史や… https://t.co/QAHThgpWJX ReplyRetweetFavorite
    • 最近、献本でいただいた『地球グルメ図鑑 世界のあらゆる場所で食べる美味・珍味』(セシリー・ウォン、ディラン・スラス他著、日本ナショナルジオグラフィック)がすごい。オールカラーで写真やイラストも美しい。イラクやソマリランドで私が食べ… https://t.co/2PmtT29bLM ReplyRetweetFavorite
  • 2024年11月
    « 3月    
     123
    45678910
    11121314151617
    18192021222324
    252627282930  
PAGE TOP ↑