豚追い人
公開日:
:
最終更新日:2012/05/28
高野秀行の【非】日常模様
バングラ北部への旅の途中、すごく変なものを見た。
ヤギか牛を追うように、棒をもって群れを追い立てている人が道路脇を歩いているのだが、
よく見ればそれは豚だった。
豚って、こんなにきちんと群れをなすのか?
だいたいイスラム国家バングラデシュで、豚の群れなんてその辺を歩かせていいのか?
豚の「放牧」をやっている人に訊いたら、
彼はヒンドゥー教徒だった。
豚は実際には放牧でなく、泥沼に連れて行かれ、
みんなで楽しそうに泥の中を転げまわっていた。
中には他の豚にかみついていじめる奴もいて、
ウチザワさんところの「夢」を思い出した。
この写真を首都ダッカの人々に見せたら、
たいそう驚かれた。
現地でも珍しいもののようだ。
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明日、いや今日出発。
もう深夜2時。 まだ何も準備していないが、 明日というか今日の朝5:20に家を出なければならない。
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Comment
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高野さんおかえりなさい。あーしも東京砂漠に帰って来ましたよ。
ところでこのバングラの遊牧豚ですが、みんぱくの池谷さんが何回かフィールドワークに出かけてます。つい先日東京でも発表会があったんですが、行きそびれました。田んぼの落ち穂とか食べてるみたいでした。
でもインドでも豚ってあんまり食べないのに不思議ですよね。
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東京砂漠へお帰りなさい。
国立民族博物館の池谷和信先生のプロフィールを見たけど、
ほんとうに「放牧ブタ」と呼んでいますね。
笑っちまいました。
田んぼの落穂を食わせるとはなんともナイスなアイデアです。
それからこの池谷先生は、もともとカラハリのサン(昔ブッシュマンといわれていた人たち)の研究をやっていたみたいですが、
今では世界中の辺境地に行って、極東シベリアのチュクチとか、タイ北部のムラブリとか、めちゃくちゃたっくさんの論文や原稿を書いてますね。
辺境作家並み。
ていうか、私より原稿量が多いかも。
驚いたのは、この先生、ソマリランドにも行ってるんですね。
まだ独立直後のときらしいけど、ぜひ一度お話をうかがってみたいです。
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初めまして、つかぬことをお伺いしますが、上のタカノさんって、たかのてるこさんですか? 高野秀行さんとたかのてるこさんって縁戚関係ですか? 大阪と八王子では違うと思うんですけど、念の為。
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サン族は、我々の「生物多様性条約・アクセスと利益配分COP-ABS」業界では近年、非常に重要な民族です。昨日サン族関係の論文を
読んでいたのですが、まさかここで出会うとは…