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くどくどかぱらぱらか

公開日: : 最終更新日:2012/05/28 高野秀行の【非】日常模様


比較的調子よく来ていたブータン原稿がうまくいかなくなってきた。
逃避の意味合いもあって、ある作家の新刊を読むが、
こちらも文章の調子がわるい。
前はすごくその作家の文章が好きだったのだが、
最近その人の書くものはえらくくどい。
キャリアが長くなると、作家は「くどくど」か「パラパラ」の罠に落ちやすい。
筆力があがってしまい、不必要な細かい部分までくどくど書いてしまうか
逆にざっくりまとめるのがうまくなってしまい、描写を手抜きするかのどっちかだ。
私はもしかしたら「くどパラ」かもしれぬ。
かわりに、『オシムの言葉』(集英社文庫)などユーゴ三部作の木村元彦が勧めていた高賛侑『ルポ 在日外国人』(集英社新書)を買って読む。
在日外国人のおかれた状況が手っ取り早くわかるハンドブック的な良書だった。

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    • 文化背景の説明がこれまた充実している。イラク湿地帯で食される「ハルエット(現地ではフレートという発音が一般的)」という蒲の穂でつくったお菓子にしても、ソマリランドのラクダのジャーキー「ムクマド」にしても、私ですら知らなかった歴史や… https://t.co/QAHThgpWJX ReplyRetweetFavorite
    • 最近、献本でいただいた『地球グルメ図鑑 世界のあらゆる場所で食べる美味・珍味』(セシリー・ウォン、ディラン・スラス他著、日本ナショナルジオグラフィック)がすごい。オールカラーで写真やイラストも美しい。イラクやソマリランドで私が食べ… https://t.co/2PmtT29bLM ReplyRetweetFavorite
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