ハチャメチャな宴
公開日:
:
最終更新日:2012/05/28
高野秀行の【非】日常模様
探検部の大先輩である関野吉晴さん(一ツ橋大探検部OB)に「望月さんと一緒に飯食わないか」と誘われ、渋谷に出かけた。
望月さんは東京農大出身で、探検部ではないが、ひじょうにつながりが強い。
四万十の山田先輩のさらに先輩筋にあたる。
私は15年前、ワ州から帰ったばかりのとき、望月さん宅を訪ねて、「アヘン王国」の売り込みを手伝ってほしいと頼んだことがある。
この人はもう天衣無縫というしかない。
60年代に農大を卒業後、単身デンマークに渡り、デンマーク王立芸術アカデミーで7年、
建築とランドスケープアーキテクチャーを学んだ。
ランドスケープアーキテクチャーとは「景観構築」とでも訳すんだろうか。
日本では「造園学」に入るみたいだが、都市計画や環境保全まで含んだ総合的な設計だという。
望月さんの恩師はシドニーのオペラハウスをつくった建築家だそうだ。
日本では夢の島にある熱帯植物園をつくったり、あと凄いのは、サダム・フセインに頼まれ、
バグダッドに「革命記念広場」を作ったことだろう(写真)
前に会ったときは国立にある望月さんの家でそんな話をきいたのだが、
それが超オンボロの長屋だった。
あまりに時代の先端を行き過ぎて日本では評価されてなかったのだ。
しかし望月さんはそんな俗世間の評価やカネのあるなしなど一切頓着しない人で、
私のアヘン話をきいて「最高だよ」と喜んでいた。
それから十数年たち、やっと望月さんもそれなりに評価されるようになって、
現在は武蔵野美術大学の教授で、関野さんの同僚だ。
関野さんはグレートジャーニーでしょっちゅう日本にいないから
その間、望月さんが代講をするという。
ちなみに関野さんの講義は「文化人類学」で、どうして望月さんが代講できるんですかときいたら、「いいんだよ、面白けりゃ何だってさ。わっはっは」と呵呵大笑。
世界を又にかけた二人の豪快かつハチャメチャな話で盛り上がっていたとき、
突然、望月さんが隣にいたサラリーマン風の親子連れに声をかけた。
「あ、福岡さん!」
なんと、名著『生物と無生物の間』(講談社学芸新書)の著者、福岡伸一さんだった。
望月さんは何かの出版パーティで福岡さんと会ったことがあるらしいが、
福岡さんは憶えておらず、きょとんとしていた。
でも福岡さんはすごくいい人なので、なぜか四人でビールで乾杯するというわかのわからない夜なのだった。
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Comment
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凄すぎるメンツ…でも一番面白いのはタカノさん。
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福島さんなら顔は分かるが、高野さんの先輩となぜつながりがあるのか理解できない。
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・・・る、類友ってやつですね。何と羨ましくも濃密な。
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昨日、途中まで書いて外に出かけたのですが、
知らないうちに「送信」を押してしまっていたようです。
今ちゃんと書き直しました。