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白水社のウェブ

公開日: : 最終更新日:2012/05/28 高野秀行の【非】日常模様

つい2週間ほど前、本の雑誌の杉江さんとマラソン本の打ち上げをしたとき、
「全然執筆の依頼が来ないんですよ」と彼が愚痴っていた。
この愚痴自体が変だ。
だって、本人は営業マンなのだ。
なぜ営業マンが「執筆依頼が来ない」なんて嘆くのだろう。
と思っていたら、いつの間にか、なんと白水社のウェブで連載を始めていた。
しかも「蹴球暮らし」なんていう文豪の随筆みたいなタイトルだ。
うーん、きっとあの打ち上げのときはもう話が決まっていたのだろう。
なのに、わざと隠して「依頼が来ない」とか「やっぱり僕も得意ジャンルを見つけなきゃいけないのかな」なんて言っていたのか。
まったく油断ならない担当編集者だ。
まだ第一回目だからよくわからないが、サッカーにかこつけて小学生のかわいい女子に
手を出そうとするロリコンおやじを主人公とした小説らしい。
いいのか、こんなものを書いて…?
ちなみに同じく白水社のウェブで連載されている「ことば紀行」は私のような言語オタクにはたまらない。
http://www.hakusuisha.co.jp/essay/

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Comment

  1. 杉江@本の雑誌 より:

    AGENT: Mozilla/5.0 (Macintosh; U; Intel Mac OS X 10.5; ja-JP-mac; rv:1.9.1.16) Gecko/20101130 Firefox/3.5.16
    いやいや、急転直下の展開で、突如始まったのです。
    中華料理屋で餃子頬張っていたときにはまったくなかった話でして。
    次からは怒涛のレッズ話が続く……かも。

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    • オールカラー、430ページ超えで本体価格3900円によくおさまったものだと思う。それにもびっくり。https://t.co/mz1oPVAFDB https://t.co/9Cm8CjNob8 ReplyRetweetFavorite
    • 文化背景の説明がこれまた充実している。イラク湿地帯で食される「ハルエット(現地ではフレートという発音が一般的)」という蒲の穂でつくったお菓子にしても、ソマリランドのラクダのジャーキー「ムクマド」にしても、私ですら知らなかった歴史や… https://t.co/QAHThgpWJX ReplyRetweetFavorite
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