*

娘を溺愛する父親と言われた

公開日: : 最終更新日:2012/05/28 高野秀行の【非】日常模様


先週末、本の雑誌の杉江さんに会ったら、「最近高野さんのブログを見ていると、
娘を溺愛してる父親みたいですよ」とにやにやしながら言う。
大野更紗さんと『困ってるひと』の話ばかり書いているからだろうが、
杉江さんに言われるのは心外だ。
なにしろ杉江さんこそ、日本で最も娘を溺愛している人間のひとりなのだ。
それに私は大野さんがいつか遠くない日に独り立ちすることを最初から計算に入れている。
デビュー作発売直後、このフィーバーで早くも急速に遠ざかっているのは
やや誤算であり、うれしさと同時に寂しさも感じてしまったりするが。
だからこそ、今のうちにせっせとできることをやっておこうと思うだけで、
杉江さんのように「うちの娘だけは親離れしないんです!」と真顔で言い張る人とはちがうのだ。
というわけで、『困ってるひと』の新しい書店用作家推薦パネルができたというお知らせ。
京極夏彦、平山夢明、窪美澄、星野智明、坂木司、そして私、高野秀行という超豪華な執筆陣が熱いエールを送っている。
(京極さんに頼んだら、1000ページにわたる推薦が来るのではと心配する人もいたが、
そんなこともなく、簡潔で気の利いたなものだった)
…こう書いていながら不安になる。
やっぱり娘を溺愛する父親モードに入っているのだろうか……。
まあ、長くは続かないので(二週間後にはアフリカに行ってしまうし)
読者のみなさん、許して下さい。

関連記事

no image

豚に真珠とはこのことか

昨年亡くなった義母の命日なので (そして一昨年亡くなった義父の命日にも近いので)、 義姉とその夫であ

記事を読む

no image

イギリスにもタマキングがいた!

書くのがだいぶ遅くなったが、今年最初に読んだ本は早くも今年最高の本になる可能性がある。 ダグラス・

記事を読む

no image

新計画?!「イラワジ河(ほぼ)全流下り」

 昨日から今日にかけて、突然新しい探検計画が生まれた。  その名も「イラワジ河ほぼ全流航下紀行」とい

記事を読む

no image

淋しい…

ここ数日で、今まで抱えていたものが突然、全部おわってしまった。 NHK「ビルマロード」の編集終了(放

記事を読む

no image

『わが盲想』見本出来!!

 ゴールデン・ウィーク中は風邪とその後遺症の酷い咳のため家で休んでいたら、 その後から猛烈に忙

記事を読む

no image

ベトナムの猿人

紆余曲折の結果、ミャンマー行きは取り止めになった。 最近、ほんとについていない。 その代わり同じ時期

記事を読む

内側から見た「やくざ」

最近イースト・プレスの本が面白い。 まあ、知り合いの編集者が増えて新刊を送ってきてくれるせいも

記事を読む

no image

今度はジュンク堂新宿店で

丸善ラゾーナ川崎店で驚いていたら、 今度はジュンク堂新宿店で「高野秀行が偏愛する本たち」というフェ

記事を読む

no image

読書気功療法!!

『幻の楽器・ヴィオラアルタ物語』について途中まで書いたら時間がなくなり、そこでぶつ切りになってしまっ

記事を読む

no image

「いちおう民主国家」ミステリ

今さらだが、伊坂幸太郎『ゴールデンスランバー』を読んだ。 独裁国家でのミステリ読書週間の番外編だ。

記事を読む

Comment

  1. さわよう より:

    AGENT: Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 8.0; Windows NT 6.0; Trident/4.0; YTB730; GTB7.0; SLCC1; .NET CLR 2.0.50727; Media Center PC 5.0; .NET CLR 3.5.30729; .NET CLR 3.0.30729; .NET4.0C)
    「困ってる人」近くの本屋で買って読みました。発売直後は置いていなかったのに、この間は闘病記の棚に2冊もありました。
    本はすごく良かったです。たくさん笑えたけど、読み終わったあとはなぜか涙が出てきました。更紗さんの生命力というか生きる力に自分自身が励まされた思いです。いまから続編が楽しみです。
    今週金曜日にのまどさんのトークイベントに参加します。イスラム飲酒紀行はそのとき買いまーす。楽しみにしています。

  2. byfiles より:

    AGENT: Mozilla/5.0 (X11; Ubuntu; Linux i686; rv:10.0.1) Gecko/20100101 Firefox/10.0.1
    素晴らしい。これは私にとって最高のプレゼントです。子供たちはとても才能を持っています。

Message

メールアドレスが公開されることはありません。

no image
イベント&講演会、テレビ・ラジオ出演などのご依頼について

最近、イベントや講演会、文化講座あるいはテレビ・ラジオ出演などの依頼が

ソマリランドの歌姫、来日!

昨年11月に、なんとソマリランド人の女性歌手のCDが日本でリリ

『未来国家ブータン』文庫はちとちがいます

6月23日頃、『未来国家ブータン』が集英社文庫から発売される。

室町クレージージャーニー

昨夜、私が出演したTBS「クレイジージャーニー」では、ソマリ人の極

次のクレイジージャーニーはこの人だ!

世の中には、「すごくユニークで面白いんだけど、いったい何をしている

→もっと見る

    • アクセス数1位! https://t.co/Wwq5pwPi90 ReplyRetweetFavorite
    • RT : 先日、対談させていただいた今井むつみ先生の『言語の本質 ことばはどう生まれ、進化したか』(秋田嘉美氏と共著、中公新書)が爆発的に売れているらしい。どんな内容なのかは、こちらの対談「ことばは間違いの中から生まれる」をご覧あれ。https://t.c… ReplyRetweetFavorite
    • RT : 今井むつみ/秋田喜美著『言語の本質』。売り切れ店続出で長らくお待たせしておりましたが、ようやく重版出来分が店頭に並び始めました。あっという間に10万部超え、かつてないほどの反響です! ぜひお近くの書店で手に取ってみてください。 https:/… ReplyRetweetFavorite
    • RT : 7月号では、『語学の天才まで1億光年』(集英社インターナショナル)が話題の高野秀行さんと『ムラブリ』(同上)が初の著書となる伊藤雄馬さんの対談「辺境で見つけた本物の言語力」を掲載。即座に機械が翻訳できる時代に、異国の言葉を身につける意義について語っ… ReplyRetweetFavorite
    • オールカラー、430ページ超えで本体価格3900円によくおさまったものだと思う。それにもびっくり。https://t.co/mz1oPVAFDB https://t.co/9Cm8CjNob8 ReplyRetweetFavorite
    • 文化背景の説明がこれまた充実している。イラク湿地帯で食される「ハルエット(現地ではフレートという発音が一般的)」という蒲の穂でつくったお菓子にしても、ソマリランドのラクダのジャーキー「ムクマド」にしても、私ですら知らなかった歴史や… https://t.co/QAHThgpWJX ReplyRetweetFavorite
    • 最近、献本でいただいた『地球グルメ図鑑 世界のあらゆる場所で食べる美味・珍味』(セシリー・ウォン、ディラン・スラス他著、日本ナショナルジオグラフィック)がすごい。オールカラーで写真やイラストも美しい。イラクやソマリランドで私が食べ… https://t.co/2PmtT29bLM ReplyRetweetFavorite
  • 2024年4月
    « 3月    
    1234567
    891011121314
    15161718192021
    22232425262728
    2930  
PAGE TOP ↑