*

今、モガディショです

公開日: : 最終更新日:2012/05/28 高野秀行の【非】日常模様

今、ソマリアの首都モガディショにいる。
昨年8月と比べると、格段に街が明るく、陽気な雰囲気に包まれている。
前回はまるでかばんか何かのように銃を持っている人がふつうにいたが、
今回はあまり見かけない。
「もう戦争は終わった」と、市民は明るく話すのだが、市外ではしっかりと戦闘が行われている。
東京で言うなら、23区内ではやってないが、吉祥寺や川崎辺りでは戦争しているみたいなものだ。相変わらずここの感覚は一味ちがう。
ダメもとで「たまにはホテルではなく、市内のレストランで食事がしたい」と言ったら、
地元の友人たちが「わかった」と言って連れていってくれた。
おお、やっと地元の感覚が味わえるのかと思ったら、コンクリートの塀の前に
重装備の兵隊が二十人くらいたむろしている戦地みたいな場所。
実はこちらの要人や富裕層だけが来る高級レストランだった。
そういう人には必ず護衛の兵士がついている。
そしてその兵士たちがみんな、門の前で待機しているので、そういう状況になるのだった。
もちろん、私の護衛もその仲間に入ったわけだが。
庶民と同じ食堂で飯を食い、茶屋でお茶し、カート居酒屋でカートを喰うという日はいつになったら来るのだろう。

関連記事

no image

うちの子は中華学校に入れたい

最近、「移民の宴」の取材があまりに頻繁で、 週に3,4回、編集の河井さんとカメラマンの森清と一緒に

記事を読む

no image

ぶったるんでるのか、それとも…

最近どうにも体調がわるい。 3,4年ぶりに腰痛が再発したのを皮切りに、これまた5年ぶりとも6年ぶり

記事を読む

no image

2009年の小説ベスト1

ここんところ仕事で行き詰っているのに、いや、だからこそ、 大作の小説を読んだ。 アミタヴ・ゴーシュ

記事を読む

no image

頑張れ、ミャンマーの柳生一族!

 困ったことになった。  ミャンマー情勢である。  私は「小説すばる」誌で「ミャンマーの柳生一族」と

記事を読む

no image

今年からノンフィクション作家

みなさん、明けましておめでとうございます。 今年は何をするか。 まずは肩書きを変えることにした。 正

記事を読む

no image

純文学とエンタメのあいだ

三崎亜紀『廃墟建築士』(集英社)を読む。 『となり町戦争』『バスジャック』を読んだときにも思ったが

記事を読む

no image

Low Positionの秀作3本

ドキュメンタリーの秀作を3本観た。 どれもLow Positionという制作グループのメンバーの手に

記事を読む

no image

刀魚

昨晩は「銭形金太郎」でノノさんを見た。 まあ、そこそこ面白かったが、本人を知る者にとっては物足りな

記事を読む

no image

酒飲み書店めぐり

『怪獣記』の担当編集者とともに、丸一日かけて書店へ挨拶まわり。 ほとんどが名高い(?)酒飲み書店員

記事を読む

no image

「移民の宴」ソマリ篇?

長生きはするものである。 かつてレトルトカレーを「めんどくさい」という理由で温めずに食っていた

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

デビュー35周年記念・自主サバティカル休暇のお知らせ

高野さんより、「デビュー35周年記念・自主サバティカル休暇」のお知らせ

no image
イベント&講演会、テレビ・ラジオ出演などのご依頼について

最近、イベントや講演会、文化講座あるいはテレビ・ラジオ出演などの依頼が

ソマリランドの歌姫、来日!

昨年11月に、なんとソマリランド人の女性歌手のCDが日本でリリ

『未来国家ブータン』文庫はちとちがいます

6月23日頃、『未来国家ブータン』が集英社文庫から発売される。

室町クレージージャーニー

昨夜、私が出演したTBS「クレイジージャーニー」では、ソマリ人の極

→もっと見る

  • 2025年7月
     123456
    78910111213
    14151617181920
    21222324252627
    28293031  
PAGE TOP ↑