私の2006年上半期ベスト本はこれだ!
公開日:
:
最終更新日:2012/05/28
高野秀行の【非】日常模様
先月のことだが、「本の雑誌」編集部から、「高野さんの個人的な2006年上半期ベスト1を教えてほしい」という依頼があった。
小説、ノンフィクション、文庫、新書、マンガ、絵本など、ジャンルは問わないが、新刊に限るという。
ちょっと困ってしまった。
私は最近、あまり新刊を読まないのだ。
それに新刊ですごく面白いといって、リリー・フランキー「東京タワー」とか藤原正彦「国家の品格」なんかは挙げたくない(実際はどちらも読んでないけど)。
そういう本は誰だって知っているし、面白いという評判なのだから、
今さら私が紹介しても意味がないのだ。
だからといって、受け狙いで無理にマイナーなものを出すのも考え物だし…。
と思っていたら、幸いなことに、ちょうどいいものを思い出した。
奥野良之助著『金沢城のヒキガエル』(平凡社ライブラリー)である。
1526匹のヒキガエルを個体識別し、
9年間徹底的に追いかけた研究者の話である。
いかに面白いかは今出ている「本の雑誌」8月号で語っているので、立ち読みでもしていただきたい。
もちろん、その本をいきなり買って読めばもっといい。
今年の上半期だけでなく、歴史に残る名作だろう。
関連記事
-
名探偵なき大巨篇ミステリ
最近小説が読めなくなっていると前に書いたが、 とくにミステリはダメだ。 なにしろリアルでは原発や放射
-
人は夢だけでは生きて行けない
かすれ声のまま、大学へ。 幸いマイクがかろうじて音を拾ってくれていたが、 声は突然、完全ストップす
-
ついに文庫1位、総合3位!
「異国トーキョー漂流記」フェアで突っ走るブックストア談 浜松町店。 今日、5月1日〜7日までの売上げ
-
発売直前の本は売れるように見える
本の雑誌社へ赴き、できたての「アスクル」を見る。 一見ビジネス書風だが色合いがおかしい。 ブログに載
-
酒浸りなのかと言われても…
私の数ある悩みの一つは、初対面の人に「これが私の書いた本です」とさっと渡せるような本が一冊もないこと
-
新しい探検部の部室とゴリラ
第5回目の上映会が早稲田大学の学生会館で行われた。 数年前に建てられたわりと新しい建物だ。 この新
-
新刊入荷『青春の門』
今日も外出。 といっても毎日、最終的にはワセダの「野々村荘」に落ち着く。 これは外出ではなく、アパー
- PREV :
- 重版ラッシュ
- NEXT :
- トルコの怪獣ジャナワール取材
Comment
AGENT: KDDI-SN32 UP.Browser/6.2.0.9 (GUI) MMP/2.0
久しぶりです。なんか部室の連絡ノートをダラダラ読み続けていたころの感じを懐かしく思い出しました。
活躍期待してます。三畳記が癒し系だとは。
AGENT: Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.1; SV1; .NET CLR 1.1.4322)
高野さん、余計なお世話かも知れませんが、
この本は1995年に出版された本の再刊ですよ…..