*

2006年に読んだ本ベストテン(小説部門)

公開日: : 最終更新日:2012/05/28 高野秀行の【非】日常模様

今年、私が読んだ本の中からベストテンを選んでみた。断っておくが、あくまで客観的にして公正無私な選出である。
まずは小説から。
1.古川日出雄『アラビアの夜の種族』(角川文庫)
 圧倒的な筆力にただただ驚くばかり。
2.五味康祐『秘剣・柳生連也斎』(新潮文庫)
 剣豪小説の頂点。
3.椎名誠『武装島田倉庫』(新潮文庫)
 超高密度の辺境小説集。
4.山本幸久『凸凹デイズ』(文藝春秋)
 人物造形と会話が抜群。
5.中島京子『均ちゃんの失踪』(講談社)
 安定度ナンバーワン。
6.田中啓文『ハナシがちがう』(集英社)
 どうしてこんなに上手い作家がもっと評価されないのか?
7.パノス・カルネジス『石の葬式』(白水社)
 ギリシア人作家がガルシア=マルケスを忠実にパクッた佳品
8.荻原浩『明日の記憶』
 とても他人事と思えなかった。
9.マーガレット・シンプソン『マハーバーラタ戦記』(PHP)
 インド最大の叙事詩はあらすじだけでも面白い。
10.岩井三四二『難儀でござる』(光文社)
 笑える歴史小説とは新しい。
…となったが、忘れているものもあるかもしれない。てきとうです。
今年のあなたのベスト小説は何でしたか?

関連記事

no image

絶滅動物の生き残り?

さて、マリンダはいったいなにものなのか。 既知の現生哺乳類にはこんな動物はいない。 ところが、過去に

記事を読む

no image

法隆寺の謎

武澤秀一『法隆寺の謎を解く』(ちくま新書)を読む。 インドの聖地を歩いて回った建築家が建築学と空間

記事を読む

no image

出発前のわやくちゃ状態に突入

いつも海外旅に出発前2週間を切るとにはわやくちゃ状態になる。 今回ももうとっくにそれが始まっている

記事を読む

シャバはつらいよ

大野更紗のベストセラー『困ってるひと』から3年、とうとう待望の続編が15日発売になる。 そ

記事を読む

no image

震災のリアルを超える傑作

本屋大賞を受賞した『謎解きはディナーのあとで』という本を私はまったく見たことも聞いたこともなかった

記事を読む

15年前のドンガラさんと私

二十代の頃からずっとお世話になっている翻訳家の浅尾敦則さんからこんな写真が送られてきて仰天した。

記事を読む

no image

『猛き箱舟』をうっかり再読

いろんな仕事がたまっているのに、船戸与一の大作『猛き箱舟』を読んでしまった。 西サハラを舞台にして

記事を読む

no image

『神に頼って走れ!』見本とどく

『神に頼って走れ! 自転車爆走日本南下旅日記』(集英社文庫) の見本がさきほど届いた。 すんごく派手

記事を読む

no image

お詫びとやり直し

先日このブログで内澤旬子さんについてかなり失礼なことを書いてしまったような気がする。 あまりに刺激

記事を読む

no image

パレスチナの悲劇は世界の元気か

 今日こそアラファトとパレスチナについて辺境的な感想を一言書きたい。 十年ほど前、中国の大連にしばら

記事を読む

Comment

  1. フレディ より:

    AGENT: Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.1; SV1)
     純然たる新刊ではないのですが、今年光文社文庫から再発行された稲見一良の「セント・メリーのリボン」はお勧め。実は私も府中の書店の方から「これで泣かなきゃ男じゃないよ!」って言われて読んだんです。いや〜、やっぱり泣きましたねぇ。
     『限りなく優しい誇り高い男たちの人間模様を、無駄のない文体とハードボイルド・タッチで描いた、感動を呼ぶ珠玉の作品集。』との作品紹介が載ってます。まったくありえないことだけれど、きっとどこかにあって欲しい話だと思いました。
    同じ主人公を題材にした「猟犬探偵」もいいです。

  2. 名無し より:

    AGENT: Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.1; SV1; .NET CLR 1.1.4322)
    頼まれてもいないのに私のベストを挙げてしまいます。
    吾妻博勝「新・マフィアの棲む街」
    陳惠運「わが祖国、中国の悲惨な真実」
    早坂隆「ルーマニア・マンホール生活者たちの記録」
    マーシャ・エンジェル「ビッグ・ファーマ」
    イングリッド・ベタンクール「それでも私は腐敗と闘う」
    高野秀行「ミャンマーの柳生一族」
    藤原正彦「国家の品格」
    小川和久・坂本衛「日本の戦争力」
    スラヴォミール・ラウイッツ「脱出記」
    張平「十面埋伏(上・下)」

  3. 名無し より:

    AGENT: Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.1; SV1; .NET CLR 1.1.4322)
    書きかけでアップしてしまいました。
    今年出た本は上2つと高野さんの本くらいで、他は昨年より前に出たもの。
    小説は「十面埋伏」だけです。

  4. 松木たいら より:

    AGENT: Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.1; .NET CLR 1.1.4322)
    ノンフィクション部門も、できれば知りたいです。

名無し へ返信する コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

デビュー35周年記念・自主サバティカル休暇のお知らせ

高野さんより、「デビュー35周年記念・自主サバティカル休暇」のお知らせ

no image
イベント&講演会、テレビ・ラジオ出演などのご依頼について

最近、イベントや講演会、文化講座あるいはテレビ・ラジオ出演などの依頼が

ソマリランドの歌姫、来日!

昨年11月に、なんとソマリランド人の女性歌手のCDが日本でリリ

『未来国家ブータン』文庫はちとちがいます

6月23日頃、『未来国家ブータン』が集英社文庫から発売される。

室町クレージージャーニー

昨夜、私が出演したTBS「クレイジージャーニー」では、ソマリ人の極

→もっと見る

  • 2025年7月
     123456
    78910111213
    14151617181920
    21222324252627
    28293031  
PAGE TOP ↑