*

事実上は本日発売だった!

公開日: : 高野秀行の【非】日常模様

『謎の独立国家ソマリランド』(本の雑誌社)がいよいよ昨日発売になった。

本の雑誌社に行くついでに、さっそく神保町の書店を一つ一つ覗いて回るが、
なんとどこにも私の本は置いてない。

「なぜだ!?」

考えてみれば、今度のは凄い凄いと騒いでいるのは私と担当編集の杉江さんとその周辺だけであり、
世間的にはソマリランドなんてなんだかわからないし、わかったところでどうだっていいもんなあ。

とがっくり落ち込んだ。
その足で本の雑誌社に行き、杉江さんにそう話すと、

「あ、今日は搬入日だから、早いところで今日の夜あたりに店頭に並ぶんじゃないですかね」

え、そうだったの?

私はこの世界で24年も飯を食ってきて、本も24冊か25冊か書いてきて、
いまだに本がいかにして作られ、いかにして売られているのか
よく理解していない。

そうか、搬入日か。
要するに、印刷所(たぶん)から書店に本が発送されるのが昨日なのだ。
早いところでは昨日のうちに梱包がとかれ(たぶん)、店頭に並べられるが、
多くの書店では翌日、つまり今日から棚に並べられ、販売されるのだろう。
(Amazonも発売日が19日つまり今日となっている)
東京から遠い地方では、それがさらに1日か2日ずれるのだろう。

ああ、よかった。
というわけで、昨日私の「本日発売!」というツイートやFacebookを見て昼のうちに書店に行ったみなさん、
すみません。たぶん見当たらなかったでしょう。
事実上は今日から発売の模様です。

        ☆         ☆          ☆

夜は出版/マスコミ関係者をお招きしての出版記念パーティ。
五十人以上も来てくれ、しかも義理で来たという感じの人がおらず、
ひじょうに楽しい宴会だった。

私は会が始まる4時半頃から挨拶の内容を考えながら飲み始め、
終わったのは午前2時。
まだ体がぐらぐら揺れているが、
これから大久保まで行って、ソマリ料理の食材(骨付き羊肉や各種ハーブ)を仕入れねばならない。

関連記事

週末イラクで壮大に脱力?

月曜日、朝日新聞出版のPR誌「一冊の本」に掲載用に下川裕治氏と対談した。 下川さんとは初対面。

記事を読む

no image

オタクの底力を感じさせる『タイ・演歌の王国』

 タイ女性と結婚し、バンコクに十数年暮らしている友人Aさんが、「高野さん、この本、すごく面白いよ

記事を読む

no image

海賊の少年とすしざんまい

裁判というのはひじょうに傍聴が難しい。 いつ行われるのか直前にならないと公表されないのだ。

記事を読む

no image

王様のブランチ

妻は早起きして一昨日から通っている浦安市の災害ボランティアに出かけていたので、 9:30にひとりで「

記事を読む

no image

日本はフライ級ミステリの宝庫?

独裁政権下の小説を読みつづけている。 最近はオレン・スタインハウアー『極限捜査』(文春文庫)を読ん

記事を読む

no image

すばらしき未知動物対談

作家の宮部みゆきさんと対談した。 テーマはずばり「未知動物」。 宮部さんはネッシーをはじめとする未知

記事を読む

no image

辺境ミステリの醍醐味

 私はついこの間まで「辺境作家」と名乗っていたくらいの辺境好きだが、年を追うごとにその度合いがど

記事を読む

no image

顔写真なしでよかった

『西南シルクロードは密林に消える』(講談社文庫)の 全作業が終了した。 今回、講談社文庫に初めて入る

記事を読む

no image

ゾウ本について他

まずはお知らせから。 『辺境の旅はゾウにかぎる』(本の雑誌社)を ただいま「本やタウン」でご予約いた

記事を読む

no image

アブディン作家化大作戦

mixiのトークイベントの翌日、私もただ二日酔いでうなっていたわけでもなくて スーダンの魔術師(?)

記事を読む

Comment

  1. タツ より:

    アマゾンで予約注文して最低でも今日手元に届くかと思ってたのに、まだ来ないです。今日はもう無理かな。佐川飛脚便で発送したっていうし、ったく。あ~早く読みたい。まだ読んでもいないのに今回の作品はぜったい何かしらの賞をとると勝手に思ってます(笑)

  2. タツ より:

    とおもったらキターー!さっそく読むぞー!

  3. GO より:

    広島はジュンク堂で買いました!ソマリランド本、
    今日の時点で
    いわゆる街の本屋さんはどこにもそれを確認することができませんでした。
    仕方なくじゃないですけど、最後に行ったジュンク堂も新刊コーナーにはなくて、何だまだか、と思いきや
    社会コーナーの「時事アフリカ」の専門書っぽい中に紛れてましたよ。
    高橋秀実さんの本はどこの本屋でも新刊コーナーに平積みされているというのに……この差はなんでしょう。
    本棚に横置きになっていたのが、唯一の救いか。
    しかしあれじゃあ、衝動買いの人を捕まえるのは難しいかもおです。
    我がことのように悲しいので、よっぽど新刊コーナーにこっそり持って行ってやろうかと思いました。実行できなくてすいません。これからぼちぼち読みます

  4. あきーら より:

    届きましたよサイン本!いやー嬉しい。
    昨日発送済のメールが来ていたので、今日は朝から仕事をしていても「帰ったら読めるかも」と思い、なんだか元気が出ましたよ。
    無事、夜に届きました。
    今回の本こそ、まさに高野本の真骨頂!これからじっくり読みます。
    家宝にします。

  5. 百草の薬 より:

    高野様

    先日は急な依頼にご回答いただきありがとうございました。
    移民の宴に続きこちらも当然購入し晩酌のお供になっています!

  6. CHIBASHIYAHAGICHO より:

    今晩は。19日に、ネット購入のサイン本、到着しました。
    ちょっと 気合い入りすぎて、ぶ厚過ぎじゃネ?
    いつもは、面前でサイン頂戴してるんだけど、今回は諸般の事情から、サイン会トークショーには、いずれも参加できませぬ。そう言えば、「 またやぶけ 」や 「 移民たちの宴 」も まだサインもらってなかったのでありました。

タツ へ返信する コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

デビュー35周年記念・自主サバティカル休暇のお知らせ

高野さんより、「デビュー35周年記念・自主サバティカル休暇」のお知らせ

no image
イベント&講演会、テレビ・ラジオ出演などのご依頼について

最近、イベントや講演会、文化講座あるいはテレビ・ラジオ出演などの依頼が

ソマリランドの歌姫、来日!

昨年11月に、なんとソマリランド人の女性歌手のCDが日本でリリ

『未来国家ブータン』文庫はちとちがいます

6月23日頃、『未来国家ブータン』が集英社文庫から発売される。

室町クレージージャーニー

昨夜、私が出演したTBS「クレイジージャーニー」では、ソマリ人の極

→もっと見る

  • 2025年4月
     123456
    78910111213
    14151617181920
    21222324252627
    282930  
PAGE TOP ↑