タイ行きのお知らせ
公開日:
:
最終更新日:2013/08/28
高野秀行の【非】日常模様
今日からタイ行きである。
帰国は9月3日。二ヵ月弱も滞在することになる。
何しに行くのか。それを話すと長くなるが、一言で言えば「生活における海外含有率を高めるため」である。
前からずっと自分は日本にいる時間が長すぎると思っていた。
私は年に2,3ヶ月は海外で過ごしているが、逆に言えば9,10ヶ月は日本にいるわけで、
ほとんど日本に張り付いているようなものだ
理想をいえば、海外含有率を50%くらいにしたい。
つまり一年のうち、日本に半年、海外に半年くらいにしたいわけだ。
日本にいなければいけない理由はいくつかある。
外国に長い時間滞在すれば日本との二重生活で当然費用は余計にかかる。
それから仕事。私はどこかへ行って何かしている人だと思われている節があるが、
本当は「書く人」だ。
それには大量の資料が必要で、全部をもって動くのはなかなか難しい。
でも最大のネックは家族を置き去りにして長く海外にいると問題が生じること。
具体的には妻と犬である。
それなら家族と一緒に海外に行けばいいと考えた。
問題は犬だが、
今は書類さえちゃんと用意すれば、犬も一緒に飛行機のキャビンに乗れるし、
成田空港に帰ったときも数分で検疫の手続きが終了するという。
というわけで、とにかく一度、犬連れでの海外生活(旅)を試してみることになったのだ。
最初、ダメ元でソマリランド滞在を提案したのだが、やっぱり妻に即却下された。
で、あれこれ検討した結果、犬が行きやすいのはフライトの短さとキャビンに同乗できる飛行機があること、直通のフライトがあること、
私がよく勝手を知っている国などの理由でタイを選んだ。
妻は犬連れで果たしてちゃんと海外旅ができるのかという体験ルポを書くつもりらしい。
宿泊、列車やバス、飛行機での移動、食堂など犬連れの難関は多々あるだろう。
実はバンコクは公園に犬を連れて入ることが原則禁止であり、散歩の場所を探すのも一苦労しそうだ。
そしてうちの犬は音が苦手で車やバイクの音がすると怖くて動けなくなってしまう。
さて、どうするか? その辺も見物である。
私のほうは、基本的には妻の奮闘を横目に見ながらビールを飲み、ときどきソマリランドの続篇を書く。
それからビールばかり飲んでいると飽きるので、たまには取材もする。
今回から「アジア納豆紀行」というのをやろうと思っている。
納豆は日本食の代名詞みたいに思われている節があるが、実は最大の本場はミャンマー・シャン州。
在日シャン人曰く、「日本の納豆はおいしいけど、味も種類も一つしかないからね」
要するに、ヨーグルトでいえばプレーンしかない。アイスクリームでいえばバニラしかない。
それが日本の納豆状況なのだ。
シャンには日本と同じ糸引き納豆もあれば、円盤状の納豆(写真)や、それを細かく砕いて粉にした粉納豆もある。
モチ米を練り込んだものもあれば、唐辛子や生姜を混ぜたものもある。スープや煮物に入れて調味料として使ったり、
軽く揚げて酒のつまみにしたりもする。兵隊は米と納豆だけもって、ジャングルに出かける。
シャン人が納豆を口にしない日はないんじゃないか。
…というようなことを漠然と見聞きしているが、よくわからない部分も多々ある。
納豆の作り方や使い方、味のちがい、種類、納豆料理の数々などを取材していくつもり。
幸い、私は20年前、チェンマイで培ったシャン人脈がある。
今回はタイ北部のシャン人居住域と、あとできればシャン州南部のチェントゥンを訪ねたいと思っている。
基本的にネット環境にあると思うので、御用の方はメールでご連絡ください。
私のほうも随時、ブログやツイッターで報告していくつもりです。
※上の写真は、タイの水子の霊を象った「クマーントーン」人形。
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Comment
おぉ!お気をつけ(というのか)ください。
ツイッターやブログも楽しみですが
アジアとアフリカ大陸を縦横に出入りしながらの
執筆にも首を長くして待っています!
*そろそろ世界のシワに夢をみろ的なのも読んでみたいです。
これはこれは!ファンとしては、行く前からとても楽しみな旅ですね!イスラム飲酒紀行でも奥方との紀行において、高野さんがのたうち回る⁈とても楽しい(失礼)エピソードがとても好きでひたので、今回も期待せずにはいられませぬ。
お気をつけて行ってらっしゃいませ!
マイペンライ。
高野さんの本沢山読んでます!!(あとー多分三作ほど読んでないですがこれから読みます(*^^*))
私も犬と共に生活していて旅にいきたくてもいつも愛犬の事が気になり断念してしまってます。。。だから今回のレポ気になります!!
高野さんの著書を読んでいると何故かお酒がやたらのみたくなり(水商売なので単なるアル中に近いものなのかもしれませんが)
今もワイン片手に、チーズ
何故か麻婆豆腐を肴に移民の民を読み終わったとこです。
鏡を覗けば澱でヤバイ唇。。。
高野さん!!私ゎお酒が大好きです。
高野さんと盃を交わすのが夢です( ^ ^ )/□
さすが酔っ払い。。。
移民の宴です!!
失礼しました!!
はじめまして。高野本は文庫、単行本すべてを収集しているファンです。アジア納豆紀行いいですね。ぜひ読んでみたいです。ワタクシは南アジア、西アジア、北アフリカで活動している野外系研究者の端くれですが、ナガランドで食べた納豆は美味でした。
ナガランドにも納豆があるんですね…。
やっぱりインド入国せねば…。
タイの納豆
タイも其の納豆文化化の一部が有りますよ。そして豆類の利用も、、、蔓性の大豆も有り、えんどう豆の豆腐、油揚げなんかも同じ地域の食品だと思います。
写真の納豆煎餅、バンコクでも売っていましたよ。勿論此処チェンライでも普通に売っています。
発酵度の低い、納豆?醤油?豆粒が塩水に浮いているような物(トアチアオ)も有ります。これはその辺のスーパーでも売っています。
このトアチオを使う料理の、パクブン(ヨウサイ、空芯菜)ファイデーン(強火炒め)と言う料理に、日本では納豆を使うと丁度良い味になります。
パックブンファイデーンは私も大好きで、日本では空心菜を使って類似料理を作っています。
そのときはトアチアオを入れてますよ。うまいですよね~
ご指摘のとおり、北タイも納豆文化圏です。
主役はシャン人(タイヤイ)なのですが。
来月はほぼタイ北部で納豆を食べる予定です。
http://cblle.tufs.ac.jp/dic/th/thja/index.html
ツイッターでつぶやかれていた冨田竹二郎先生のタイ日辞典と日タイ辞書に基いてAA研が公開している電子辞書です。
何でもタダ、の時代は恐ろしいですが・・
はじめまして。
高野さんが講談社ノンフィクション賞を受賞されたとのことで、思わず書きこんでしまいました。
高野さんの本はほとんど持っています。今回のソマリランドの本は特にすばらしく、これは絶対賞をとるに違いないと思い、サイン会にも参加しました。
高野ファンを増やそうと、周りの友人にムベンべやアマゾンの本を貸していますが大変好評です。
気に入ったら、ソマリランドの本を買ってくれといっています。
一ファンとして、新作を楽しみにまっています。
高野さんのファンで、ご著書を楽しみに拝読しています。
私達も8月からチェンマイにシーズンステイしているので、より身近に感じられます。
シーズン終わりにはいつも本をチェンマイ大学に寄付しているので、今回はソマリランドを寄付しますね!
「クマーントーン」人形とのツーショット、バンコクの海鮮レストランでお会いした際に、私が撮った一枚でしたね!お久しぶりです。文庫本、いただきまして、ありがとうございました。帰りの飛行機の中で半分読んだまま、読みかけ。。。私も「1年の1/5は海外」(本拠地が台湾なので、日本を含め)を実践、その割合を増やしていきたいと……また、いつか、どこかで……