*

読んではいけない

公開日: : 最終更新日:2012/05/28 高野秀行の【非】日常模様


仕事をしなければいけないのに
イエス小池『漫画家アシスタント物語』(マガジン・マガジン)
なんて奇書に手を出してしまった。
ジョージ秋山プロの52歳のスタッフがつづる
「自分はいかにして漫画家になれなかったのか」という血のにじむようにイタイ記録。
これを読んでいると、漫画家になることが宝くじ一等を三回連続で当てるくらい
至難の技に思えてくる。
一般読者に面白いと言われる作品を描くことが宇宙にロケットを飛ばすほどの
大事業にみえる。
漫画家も作家も結局は似たような商売だから
他人事とは思えず読みすすめるうちに
自分がこうして作家面して生活しているのがウソのような気がして
ますます仕事が手につかなくなった。
いまプロでやっている私もこうなのだから、
これから本気で漫画家や作家を目指す人は決して読んではいけない。

関連記事

no image

鍵は辺境にある!らしい

すごい本が出たものである。 内田樹『日本辺境論』(新潮新書)。 「日本人とは何ものか? 鍵は『辺境

記事を読む

no image

ニムラの時代到来&ツバルは沈まない

本日(9月21日)朝日新聞の朝刊11面にて、「明日来る」のトップバッターにして 私をブータンに送り込

記事を読む

no image

びっくり!

 昨年11月に何度か上映会を行ったが、そのときこのブログを通じて、 私に直接「上映会を見たい」とメー

記事を読む

no image

子供がノノさんになっていいのか

杉江さんから「な、な、なんか大変なことになってる!」と まるで銭形平次のところに駆け込んでくる八五郎

記事を読む

no image

知られざる名作がまた一つ

桜栄寿三『蝸牛の鳴く山』(藤森書店)を読む。 先日お会いした作家の古処誠二さんが「すごくいい本です

記事を読む

no image

危険の意味

『アフリカにょろり旅』(講談社文庫)の著者、青山潤氏(東大特命準教授)と対談。 一年のうち3,4ヶ月

記事を読む

no image

Resort in Somalia

nannichika Berbera toiu minato-machi ni ittekita.

記事を読む

帰国。今回の無念について

昨夜、ソマリランド取材から帰国した。 今回の取材の目的は2つ。 一つは5月から連載を開始

記事を読む

no image

謎の音楽家or神秘思想の徒バウル

ソマリランド本の仕事から解放されてからは、本が思うように読めてとても嬉しい。 先週も面白い本を

記事を読む

no image

東京の秘境

帰国中の義姉に連れられ、明大前にあるジャズ喫茶「マイルス」を訪問。 ゴールデン街のような狭い店には

記事を読む

Comment

  1. ウーマン18 より:

    AGENT: DoCoMo/2.0 SO702i(c100;TB;W24H12)
    なんだか気が遠くなりそうですね。というか、なりました。小説の書き方が分からなくて困ってる私には、ジュウロクモンキックなんて恐ろしいものを30回くらった感じです……名前しか知りませんが、未知の恐ろしさということで。

ウーマン18 へ返信する コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

デビュー35周年記念・自主サバティカル休暇のお知らせ

高野さんより、「デビュー35周年記念・自主サバティカル休暇」のお知らせ

no image
イベント&講演会、テレビ・ラジオ出演などのご依頼について

最近、イベントや講演会、文化講座あるいはテレビ・ラジオ出演などの依頼が

ソマリランドの歌姫、来日!

昨年11月に、なんとソマリランド人の女性歌手のCDが日本でリリ

『未来国家ブータン』文庫はちとちがいます

6月23日頃、『未来国家ブータン』が集英社文庫から発売される。

室町クレージージャーニー

昨夜、私が出演したTBS「クレイジージャーニー」では、ソマリ人の極

→もっと見る

  • 2025年12月
    1234567
    891011121314
    15161718192021
    22232425262728
    293031  
PAGE TOP ↑