*

エンタメノンフ的野球論

公開日: : 最終更新日:2012/05/28 高野秀行の【非】日常模様


野村克也『あぁ、監督』(角川Oneテーマ21)

近年、二度目のブームを迎えている野村監督が
ボヤキ口調で歴代および現在の監督をめったぎりにする。
例えば古田が監督に失敗した原因の一つは自己中心的なところだとし、
「周囲に対する感謝の心が足りない。私に年賀状一枚送ってこないところが
それを象徴している」そうである。
さらにあとがきでも「古田の人間教育には失敗した」と書き、
ほんとうに古田とは仲が悪いんだなあと感じさせる。
いっぽう、野村監督に代表される日本独特の緻密でせこせこした野球が
意外にもブレイザーやスペンサーといった外国人からもたらされた
という話には驚いた。
野村監督が現役の頃まで、日本の野球はものすごく大雑把まものだったらしい。
つまり今言われている「日本野球」は実は「アメリカン・ベースボール」だったというわけで、
思い込みというのは恐ろしいもんである。
笑えてためになるエンタメノンフ的野球論である。

関連記事

no image

心身がついていかない

日本に帰り突然環境が激変し、心身がまったく付いていかない。 2ヶ月近くソマリエリア(ソマリランド、ソ

記事を読む

no image

ソマリランドをラクダで探検する

来年の今頃、ソマリランドとプントランドの国境地帯をラクダで旅しようと思っている。 ピラミッドみたい

記事を読む

no image

花と兵隊

タイ・ミャンマー国境に今でも住んでいる元日本兵(未帰還兵)を撮った ドキュメンタリー映画「花と兵隊」

記事を読む

ミャンマーの歌と踊りのイベント@上智大学

         

記事を読む

no image

コンゴ・ジャーニー

友人の訃報があっても、日常は容赦なく動いている。       ☆       ☆       ☆

記事を読む

no image

映画「ホテル・ルワンダ」を見るべし!

試写会で、映画「ホテル・ルワンダ」を見た。 1994年、ルワンダで三ヶ月で数十万人が虐殺されるという

記事を読む

no image

「イエティは現実だ」

長らく待っていたブータン行きがやっと決定した。 来週の14日(水)に出発となった。 期間は約一ヵ月半

記事を読む

no image

ワンの大地震

バンコクで大洪水、そしてトルコ東部のワンでは大地震が発生。 私にとって思い入れが深く、知人友人が何人

記事を読む

電話不携帯のやめられない快適さ

 帰国して拝受した本、第3弾。  『忘れられない一冊の本』週刊朝日編集部(朝日文庫)。作家や映

記事を読む

no image

ヘンタイ監督の話

今月号の『映画秘宝』(洋泉社)で、大槻ケンヂと小沢真珠の対談が載っている。 話題は、佐藤圭作監督『

記事を読む

Comment

  1. アジケト より:

    AGENT: Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 5.1; GTB5; .NET CLR 2.0.50727)
    最近は嫌味にも丸みが出て味になって来ている野村監督ですが、
    彼が人間性うんぬんを語るのだけは看過できません。
    ヴェルディのラモス元常務が、選手の心がけについて語るのと同様に。

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

デビュー35周年記念・自主サバティカル休暇のお知らせ

高野さんより、「デビュー35周年記念・自主サバティカル休暇」のお知らせ

no image
イベント&講演会、テレビ・ラジオ出演などのご依頼について

最近、イベントや講演会、文化講座あるいはテレビ・ラジオ出演などの依頼が

ソマリランドの歌姫、来日!

昨年11月に、なんとソマリランド人の女性歌手のCDが日本でリリ

『未来国家ブータン』文庫はちとちがいます

6月23日頃、『未来国家ブータン』が集英社文庫から発売される。

室町クレージージャーニー

昨夜、私が出演したTBS「クレイジージャーニー」では、ソマリ人の極

→もっと見る

  • 2025年12月
    1234567
    891011121314
    15161718192021
    22232425262728
    293031  
PAGE TOP ↑