*

シャンの新年って何だ?

公開日: : 最終更新日:2012/05/28 高野秀行の【非】日常模様


以前、ミャンマーのシャン人(自称「タイ」)の独立運動を手伝っていた関係で、
今でもシャン・コミュニティのメーリング・リストに名前が入っており、
いろんなお知らせが届くが、
ここ数日、11月14日〜17日は、シャン州ムセーやシンガポールから
「シャンの新年あけましておめでとう!」
というメールがじゃんじゃん来ている。
シャンに関わって長いが(必ずしも深くないけど)、今頃新年なんて初耳だ。
タイもミャンマーも新年といえば、4月13日〜15日ごろで、
私が現地にいたときはどちらの国に住むシャン人もそのときに祝っていた。
もしかすると民族高揚のため、昔の暦を持ち出してきたということなんだろうか。
しかし、この時期が新年というのは何なんだろう。
インドの新年祭「ディーワーリー」と関係があるのかとも思ったが、
これは今年は一ヶ月ちがいの10月17日ごろだった。
でもぴったり一ヵ月ちがいということは、ディワーリー同様、
太陰暦で何か計算をしているのだろうか。
シャン人の友人にメールで訊いたが返事はなし。
ネットのどのサイトでも理由は書かれていない。
うーん、謎だ。

関連記事

no image

偉いのは荻原井泉水

いつ買ったのかすら憶えていない吉村昭『海も暮れきる』(講談社文庫)を読む。 吉村昭のドラマチック性を

記事を読む

no image

新作『異国トーキョー漂流記』見本届く

 2月18日に発売される私の新刊『異国トーキョー漂流記』(集英社文庫)の見本が届いた。  私がこれ

記事を読む

no image

重版は他力にかぎる

今日、集英社の担当編集者の人から電話がかかってきて、「『未来国家ブータン』重版が決まりました」と言っ

記事を読む

no image

シャングリ・ラは実在した!

探検部の後輩・角幡唯介の開高健ノンフィクション賞受賞作品 『空白の五マイル』(集英社から刊行予定)の

記事を読む

no image

速報 最後の決戦の舞台

バンコクに着いた。 空港から乗ったタクシーの運転手に「タクシン派と軍の衝突は今どうだ?」と訊いたら

記事を読む

no image

純文学とエンタメのあいだ

三崎亜紀『廃墟建築士』(集英社)を読む。 『となり町戦争』『バスジャック』を読んだときにも思ったが

記事を読む

no image

ポプラ社で「ムベンベ」キャンペーン?!

ポプラ社の文芸ウェブサイト「ポプラビーチ」の日替わり表紙写真(「本のある風景」)が6月29日、「ムベ

記事を読む

no image

怪獣ノノゴン、上智に現る!

「探検業界の寅さん」「永遠の日雇い青年」こと野々山富雄氏が 上智大学の対談ゲストに登場。 かつて一

記事を読む

no image

なぜ小説を書かないのか?

早大探検部OB会<特別ホラー篇>みたいな催しがあり、 「もっと若手がほしい」とのことで40歳の私も召

記事を読む

no image

すべての酒飲みに読んでほしい

大野更紗『困ってるひと』(ポプラ社)の影でひっそりとだが、 私の『イスラム飲酒紀行』(扶桑社)の見

記事を読む

Comment

  1. きいち より:

    AGENT: Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 8.0; Windows NT 5.1; Trident/4.0; GTB0; .NET CLR 1.1.4322; InfoPath.2)
    シャン人の知り合いに聞いたら、何でも今年はシャン暦2104年(!)だそうです。子供の頃から祝っていて、大都市ではダンスやカラオケ大会、屋台がでるそうです。「シャン暦って何なの?」「・・・」「シャン人として結束感感じる?」「・・・」という感じで、それ以上質問しようとすると、「ちょっとグーグルで調べてみるわ!」と言ったまま、未だに音沙汰なしです。

  2. 高野秀行 より:

    AGENT: Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 6.0; WOW64; YTB720; SLCC1; .NET CLR 2.0.50727; .NET CLR 3.5.30729; .NET CLR 3.0.30618)
    え、子供の頃から祝っている?
    不思議ですねえ。
    ヤンゴンに5年暮らしたミャンマー文化の専門家である義姉も
    「聞いたことがない」といっていましたが…。
    シャン州でしかやってないんでしょうか。
    ちなみに、私の知り合いから、
    岡田芳朗著『アジアの暦』(大修館書店)という本に詳しく載っているというメールが来ました。
    その本によれば、タイ暦の第一月はもともとヒンズー暦の第9月の「アガハーン(アグラハヤナ)月」で、現在の西暦(グレゴリオ暦)では11月から12月にあたっていたのだが、
    何度も改暦をするうちにヒンズー暦の第5月に移り、
    それがなぜかグレゴリオ暦に固定されて4月13-15日になった。
    だから、ほんとうはやっぱり今頃がタイの新年…ということだそうです。
    いやあ、知りませんでした。
    勉強になりました。

高野秀行 へ返信する コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。

no image
イベント&講演会、テレビ・ラジオ出演などのご依頼について

最近、イベントや講演会、文化講座あるいはテレビ・ラジオ出演などの依頼が

ソマリランドの歌姫、来日!

昨年11月に、なんとソマリランド人の女性歌手のCDが日本でリリ

『未来国家ブータン』文庫はちとちがいます

6月23日頃、『未来国家ブータン』が集英社文庫から発売される。

室町クレージージャーニー

昨夜、私が出演したTBS「クレイジージャーニー」では、ソマリ人の極

次のクレイジージャーニーはこの人だ!

世の中には、「すごくユニークで面白いんだけど、いったい何をしている

→もっと見る

    • アクセス数1位! https://t.co/Wwq5pwPi90 ReplyRetweetFavorite
    • RT : 先日、対談させていただいた今井むつみ先生の『言語の本質 ことばはどう生まれ、進化したか』(秋田嘉美氏と共著、中公新書)が爆発的に売れているらしい。どんな内容なのかは、こちらの対談「ことばは間違いの中から生まれる」をご覧あれ。https://t.c… ReplyRetweetFavorite
    • RT : 今井むつみ/秋田喜美著『言語の本質』。売り切れ店続出で長らくお待たせしておりましたが、ようやく重版出来分が店頭に並び始めました。あっという間に10万部超え、かつてないほどの反響です! ぜひお近くの書店で手に取ってみてください。 https:/… ReplyRetweetFavorite
    • RT : 7月号では、『語学の天才まで1億光年』(集英社インターナショナル)が話題の高野秀行さんと『ムラブリ』(同上)が初の著書となる伊藤雄馬さんの対談「辺境で見つけた本物の言語力」を掲載。即座に機械が翻訳できる時代に、異国の言葉を身につける意義について語っ… ReplyRetweetFavorite
    • オールカラー、430ページ超えで本体価格3900円によくおさまったものだと思う。それにもびっくり。https://t.co/mz1oPVAFDB https://t.co/9Cm8CjNob8 ReplyRetweetFavorite
    • 文化背景の説明がこれまた充実している。イラク湿地帯で食される「ハルエット(現地ではフレートという発音が一般的)」という蒲の穂でつくったお菓子にしても、ソマリランドのラクダのジャーキー「ムクマド」にしても、私ですら知らなかった歴史や… https://t.co/QAHThgpWJX ReplyRetweetFavorite
    • 最近、献本でいただいた『地球グルメ図鑑 世界のあらゆる場所で食べる美味・珍味』(セシリー・ウォン、ディラン・スラス他著、日本ナショナルジオグラフィック)がすごい。オールカラーで写真やイラストも美しい。イラクやソマリランドで私が食べ… https://t.co/2PmtT29bLM ReplyRetweetFavorite
  • 2024年4月
    « 3月    
    1234567
    891011121314
    15161718192021
    22232425262728
    2930  
PAGE TOP ↑