*

雲南のツヨカワ花嫁

公開日: : 最終更新日:2012/05/28 高野秀行の【非】日常模様

カゼをひいていたが、雪が降り始めたのでついプールに行ってしまう。
案の定、泳いでいる人はほとんどいない。
あまりに空いているので、日ごろは一般客と混じって泳ぐことはないOコーチも泳いでいた。
Oコーチは若い頃プロレスラーを目指していたというだけあって、かっぷくがいい。
まるでトドかクジラのように雄大に泳いでおり、大自然に触れたような妙な感動をおぼえた。
夜、「雲南の花嫁」という映画を観る。
雲南省に住むイ族という民族の話だが、イ族には結婚して3年立たないと夫の家に嫁入りできないという奇習があるのだという。
そんな奇習に翻弄される健気な娘の地味な恋愛譚(「初恋が来た道」みたいな)だと思ったら、夫をぶん殴り、隣村の男のキンタマを蹴り上げ、父や義父に叱られればふてくされて部屋の梁から逆さづりになるという、わけのわからん豪傑娘の話でおもしろかった。
でも、この娘がめちゃくちゃかわいい。
中国でもこういう強くてかわいい「ツヨカワ」女子が人気を得ているのだろうか。
あと、個人的なことだが、昔、雲南と接するミャンマーのワ州やカチン州の村で毎日聞いていた鳥の鳴き声が何度も映画のあいだに聞こえ、たまらなくなつかしくなる。

関連記事

no image

イラン行き

もう半年以上も日本滞在が続いていて鬱屈したせいだろう、 発作的に今月23日からイランへ行くことにした

記事を読む

no image

3回目のボリショイ・サーカス

「本の雑誌」9月号の特集「エンタメ・ノンフ座談会」のゲラを校正する。 これがメチャクチャおもしろい。

記事を読む

no image

2011年のベスト本はもう決まった!

数日前、増田俊也『木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか』(新潮社)を読了した。 これほど面白くて

記事を読む

no image

落語界の奇才、小説もいけるのか!

春風亭昇太がリーダー役を務める創作話芸アソーシエーション、略してSWA。 私は昇太さんの独演会も好き

記事を読む

no image

夢のエンタメノンフフェア

丸善川崎ラゾーナ店という書店で「エンタメノンフフェア」をやっており、 しかもそこの書店員オリジナルの

記事を読む

no image

朝青龍ミステリー

木村理子『朝青龍 よく似た顔の異邦人』(朝日新聞出版)を読む。 スポーツ選手に密着したルポものでは

記事を読む

no image

原宏一氏と対談

新宿のナイジェリア料理店で異能の小説家・原宏一氏と対談。 原さんは昨年、『床下仙人』で「啓文堂おすす

記事を読む

no image

Shuto ni modoru

3shukan buri ni shuto no Thimphu ni modotte kita.

記事を読む

no image

楽しい南米

ペルーのマリオ・バルガス=リョサがノーベル文学賞を受賞した。 私が親しみ、著作を何冊も読んでいる作

記事を読む

no image

かっこいい公務員たちの物語

片野ゆかの『ゼロ!こぎゃんかわいか動物がなぜ死なねばならんと?』(集英社)が本日発売である。

記事を読む

Comment

  1. Y.N より:

    AGENT: Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.0)
    高野さんにファンレターを書きたいのですが、どこに送ればよいでしょうか?

  2. タカノ より:

    AGENT: Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 6.0; WOW64; YTB720; GTB6.3; SLCC1; .NET CLR 2.0.50727; .NET CLR 3.5.30729; .NET CLR 3.0.30618)
    ありがとうございます。
    右側のCONTACTという箇所をクリックすると
    メールを送ることができます。
    よろしくお願いします。

  3. Oです^^ より:

    AGENT: Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.1; SV1; .NET CLR 1.0.3705; .NET CLR 1.1.4322)
    アップ早々に、獣医のKさんがコピーを見せてくださいました。
    雪の中のご来館、ありがとうございました。
    これからも雄大な泳ぎを心がけます^^

タカノ へ返信する コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

デビュー35周年記念・自主サバティカル休暇のお知らせ

高野さんより、「デビュー35周年記念・自主サバティカル休暇」のお知らせ

no image
イベント&講演会、テレビ・ラジオ出演などのご依頼について

最近、イベントや講演会、文化講座あるいはテレビ・ラジオ出演などの依頼が

ソマリランドの歌姫、来日!

昨年11月に、なんとソマリランド人の女性歌手のCDが日本でリリ

『未来国家ブータン』文庫はちとちがいます

6月23日頃、『未来国家ブータン』が集英社文庫から発売される。

室町クレージージャーニー

昨夜、私が出演したTBS「クレイジージャーニー」では、ソマリ人の極

→もっと見る

  • 2025年12月
    1234567
    891011121314
    15161718192021
    22232425262728
    293031  
PAGE TOP ↑