*

本来なら今日エジプトに行っていた

公開日: : 最終更新日:2012/05/28 高野秀行の【非】日常模様

本来私は今日、成田を発ち、エジプトのカイロに向かっているはずだった。
カイロで一泊して、ケニヤのナイロビに行くという便をおさえていた。
それがオープンチケットとしてはナイロビ往復でいちばん安かったのだ。
だが、犬が寝たきりになった時点で断念、キャンセルした。
その直後、エジプトでデモが激化。
今エジプト航空は欠航と遅延が相次ぎ、行きたくても行けるかどうかわからない状況だ。
もし犬がまだ無事で、エジプト航空が飛んでいた場合、
私はいったいどうしていたんだろう。
エジプトは見てみたいし、でも本来の目的はソマリランドとソマリアだし。
まあ、今となっては無意味な仮定だが。
     ☆         ☆         ☆
昨日、タマキングのウェブ新連載「日本全国津々うりゃうりゃ」を読んで、たまげる。
「旅の理不尽」や「ずんずん歩く」時代のハチャメチャなギャグが復活しているのだ。
一体何がタマキングに起きたのだろう。
夜、杉江さんとマラソン本の打ち上げをしたのだが、杉江さんは「どうしてあれ、他社の連載なんだろう」といたくショックを受けていた。
連載開始前、宮田さんがどうにも暗かったので、杉江さんは関係ないのにこの連載企画の相談にのっていたのだ。
要するにタマキングを心配すること自体が無意味だったわけだ。
ちなみにこの連載は、オフィスでは見ないほうがいいと思います。周囲に顰蹙を買うから。

関連記事

no image

天地明察

冲方丁(うぶかた・とう)『天地明察』(角川書店)を読了。 いやあ、素晴らしい。 新しい日本独自の暦

記事を読む

no image

高野秀行フェア バンコクで好評

7月25日から8月7日(つまり今日)まで、バンコクの紀伊国屋書店で「高野秀行フェア」が行われ、なか

記事を読む

no image

踊るダルビッシュの謎

斉藤祐樹が日本ハムに入団したため、以前にも増してダルビッシュ有のニュースが多い。 で、思い出したの

記事を読む

no image

落語界の奇才、小説もいけるのか!

春風亭昇太がリーダー役を務める創作話芸アソーシエーション、略してSWA。 私は昇太さんの独演会も好き

記事を読む

no image

炎のジプシー・ブラス

ルーマニアを代表するロマ(ジプシー)ブラス、ファンファーレ・チォカリーアのドキュメンタリー映画『

記事を読む

no image

アジア未知動物紀行<第3弾>

「小説現代」(講談社)で不定期連載中の「アジア未知動物紀行」。 第1弾はベトナムの猿人フイハイ、そ

記事を読む

no image

長井健司、ミャンマーに死す

毎日このブログではお気楽な話題を提供していたが、 ミャンマー情勢は緊迫の一途をたどっていた。 私のと

記事を読む

no image

名犬ラッシー 家路

妻の希望で夕食後「名犬ラッシー 家路」を見る。 1943年製作、ラッシーとエリザベス・テイラーの両

記事を読む

『未来国家ブータン』文庫はちとちがいます

6月23日頃、『未来国家ブータン』が集英社文庫から発売される。 ふつう、文庫化といえば、単

記事を読む

no image

お祓いしたくなるほどの夏休み

 宮田部長、杉江さんと一緒に行った「エンタメノンフ文芸部シュノーケル分科会奄美合宿夏休みデラックス篇

記事を読む

Comment

  1. fankani より:

    AGENT: Mozilla/5.0 (Windows; U; Windows NT 5.1; ja; rv:1.9.2.13) Gecko/20101203 Firefox/3.6.13 ( .NET CLR 3.5.30729)
    午前中、まさにオフィスで「日本全国津々うりゃうりゃ」を見てしまいました。
    口元がニヤケテしまいましたが、風邪予防のためのマスクが思わぬかたちで役に立ちました。タマキング節全開!
    「カミシンデン奇譚」と同じ人が書いているとは思えませんね。

  2. しばいぬ より:

    AGENT: Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 8.0; Windows NT 5.1; Trident/4.0; YTB730; GTB6.6)
    ちょっと留守をしていて、こちらも暫く拝見していない間に、ダルマちゃん亡くなっていたのですね。
    奥様の作品でダルマちゃんに出会って以来、会った事も無いのに、友達犬のような気がしていたので、しばらく涙がt止まりませんでした。
    何も言葉が見つかりませんが、ダルマちゃん有難う。

  3. コシチェイ より:

    AGENT: DoCoMo/2.0 N05A(c100;TB;W24H16)
    インターネット→民主化要求→アメリカ支持☆、と言うのが合衆国の描くシナリオでしょうか。ムシがいいってヤツですね。今回のエジプト騒動を見ていてそんな気持ちがします。

  4. 台湾まにあ より:

    AGENT: Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 8.0; Windows NT 5.1; Trident/4.0; .NET CLR 1.1.4322; .NET CLR 2.0.50727; .NET CLR 3.0.4506.2152; .NET CLR 3.5.30729)
    うーん、今までだってエジプトはサウジと同じく「親米の砦」だったはずなんだけど、オバマ政権の弱腰でアメリカによる一元支配の箍が緩んできているってことなんでしょうか? そう考えると日本における沖縄を巡る混乱や自民党の失墜も、それと同じ文脈で捉えられるのかな。
    チュニジアといいスーダンといい、世界が多極化に向かってるきざしなのかも。キルギスやウクライナでは親露へのゆり戻しが起こっているし。

fankani へ返信する コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。

no image
イベント&講演会、テレビ・ラジオ出演などのご依頼について

最近、イベントや講演会、文化講座あるいはテレビ・ラジオ出演などの依頼が

ソマリランドの歌姫、来日!

昨年11月に、なんとソマリランド人の女性歌手のCDが日本でリリ

『未来国家ブータン』文庫はちとちがいます

6月23日頃、『未来国家ブータン』が集英社文庫から発売される。

室町クレージージャーニー

昨夜、私が出演したTBS「クレイジージャーニー」では、ソマリ人の極

次のクレイジージャーニーはこの人だ!

世の中には、「すごくユニークで面白いんだけど、いったい何をしている

→もっと見る

    • アクセス数1位! https://t.co/Wwq5pwPi90 ReplyRetweetFavorite
    • RT : 先日、対談させていただいた今井むつみ先生の『言語の本質 ことばはどう生まれ、進化したか』(秋田嘉美氏と共著、中公新書)が爆発的に売れているらしい。どんな内容なのかは、こちらの対談「ことばは間違いの中から生まれる」をご覧あれ。https://t.c… ReplyRetweetFavorite
    • RT : 今井むつみ/秋田喜美著『言語の本質』。売り切れ店続出で長らくお待たせしておりましたが、ようやく重版出来分が店頭に並び始めました。あっという間に10万部超え、かつてないほどの反響です! ぜひお近くの書店で手に取ってみてください。 https:/… ReplyRetweetFavorite
    • RT : 7月号では、『語学の天才まで1億光年』(集英社インターナショナル)が話題の高野秀行さんと『ムラブリ』(同上)が初の著書となる伊藤雄馬さんの対談「辺境で見つけた本物の言語力」を掲載。即座に機械が翻訳できる時代に、異国の言葉を身につける意義について語っ… ReplyRetweetFavorite
    • オールカラー、430ページ超えで本体価格3900円によくおさまったものだと思う。それにもびっくり。https://t.co/mz1oPVAFDB https://t.co/9Cm8CjNob8 ReplyRetweetFavorite
    • 文化背景の説明がこれまた充実している。イラク湿地帯で食される「ハルエット(現地ではフレートという発音が一般的)」という蒲の穂でつくったお菓子にしても、ソマリランドのラクダのジャーキー「ムクマド」にしても、私ですら知らなかった歴史や… https://t.co/QAHThgpWJX ReplyRetweetFavorite
    • 最近、献本でいただいた『地球グルメ図鑑 世界のあらゆる場所で食べる美味・珍味』(セシリー・ウォン、ディラン・スラス他著、日本ナショナルジオグラフィック)がすごい。オールカラーで写真やイラストも美しい。イラクやソマリランドで私が食べ… https://t.co/2PmtT29bLM ReplyRetweetFavorite
  • 2024年4月
    « 3月    
    1234567
    891011121314
    15161718192021
    22232425262728
    2930  
PAGE TOP ↑