*

パキスタンの辺境

公開日: : 最終更新日:2012/05/28 高野秀行の【非】日常模様

週刊プレイボーイのインタビューで集英社の会議室に行ったら
探検部で3年先輩のTさんがふらっと現れた。
Tさんはアウトドア雑誌を作ると宣言して集英社に入ったものの、
配属されたのは週刊マーガレット。
しかもそこで実力を存分に発揮してしまい、18年も恋や愛と格闘していた。
今は広告部勤務だという。
Tさんに会ったのは7,8年ぶり。
現役のとき、Tさんはパキスタン北部のカラコルム山脈のあたりで民族調査をしていた。
私はそれをサークル紹介で読み、パキスタンなんてどこにある国か知らなかったけど探検部に入りたいと思ったことを憶えている。
(実際にはコンゴに行ってしまったが)
久しぶりにビールを飲みながら、聞けば、パキスタンのその辺は、
青い目に金髪という人たちと日本人そっくりという顔の人たちが入り交じって暮らしており、ひじょうに面白いところらしい。
ムスリムだが、イスマイル派(シーア派の一派)の村では葡萄を足で踏んでどぶろくをつくっているという。
いっぽう、スンニー派のすごく貧しくて酒も祭りも何もない村もあるとか。
「もう20年以上も行ってないけど、行った人の話を聞く限り、あんまり変わってないみたいだよ。
交通事情も悪いし、辺鄙だし、
ビン・ラディンもあの辺に潜伏してると思うな」
と先輩は言った。
イスラム飲酒紀行第2弾があれば、有力な候補地である。
あ、第1弾も出るかどうかわからなくなってきているけど。

関連記事

no image

妻がブータンに夜這いに…

今朝、妻がブータンに出かけた。 7月に引き続き2回目だが、今度は取材で二週間行くという。 「何やるの

記事を読む

no image

豆腐学生

私が原稿を書いた古本愛好雑誌「彷書月刊」今月号で 内澤旬子さんのダンナで編集者・ライターの 南陀楼綾

記事を読む

no image

豚に真珠とはこのことか

昨年亡くなった義母の命日なので (そして一昨年亡くなった義父の命日にも近いので)、 義姉とその夫であ

記事を読む

no image

今日のアブちゃん

今週の講義のゲストでもあるアブディンのブログを発見した。 ていうか、どうして今まで気づかなかったんだ

記事を読む

no image

陳会長の誕生パーティで動転する

日本冒険作家協会の内藤陳会長の誕生日パーティがあるから来ないかと友人に誘われ、行ってみた。 陳会長は

記事を読む

no image

計算ができないのか?

野々山さんのご指摘で気づいたが、 前回の日記で換算した部数計算がまるっきりまちがっていた。 日本に換

記事を読む

カーンとハーン

「すごくおもしろそう」と妻が買ってきたインド映画「マイネーム・イズ・ハーン」。  DVDの表紙を見

記事を読む

no image

ミステリ・ノンフィクションの傑作『龍馬史』

ちょっと前まで「学者」というのは圧倒的に年上の先生ばかりだった。 だが今は本のプロフィールを見

記事を読む

no image

インド入国(たぶん)OK!

ほぼ三週間ぶりの更新だ。 ずいぶんといろいろなことがあった。 なかでも特筆することが二つある。両方と

記事を読む

no image

東京うんこナイト

探検部の後輩が2月5日、東京うんこナイト 〜ウンコロジー入門。「のぐそ」は地球を救えるか?〜」とい

記事を読む

Comment

  1. まつもと より:

    AGENT: KDDI-CA39 UP.Browser/6.2.0.13.1.5 (GUI) MMP/2.0
    カラーシュ・バレーの辺ですかね、いいところですよ〜。たまにベットバグがいますが。

  2. よっしぃ より:

    AGENT: Mozilla/5.0 (Windows; U; Windows NT 5.1; ja; rv:1.9.2.13) Gecko/20101203 Firefox/3.6.13 (.NET CLR 3.5.30729)
    おお、パキスタン。
    縁があって、パキスタンの北東部のフンザの結婚式に
    呼ばれました。
    そこでは「フンザウォーター」という樫の実のお酒を飲みましたが、
    ずばり、まずい!
    日本から行った我々は、大量にお酒を持ち込みましたが
    「ゲストのお酒は現地の人に、現地のお酒をゲストに」という方針により
    まずい酒をチビリチビリ。
    フンザの人々は、上等な八海山を一気飲みして
    あっという間に酔いつぶれ、ゲーゲー吐いていました。
    おお、なんてもったいないことするんだ・・・・と思った記憶があります。
    なので、酒はあります。意外と簡単に手に入る。
    ただ、うまくは、ない。

  3. UMA より:

    AGENT: DoCoMo/2.0 F06B(c500;TB;W24H16)
    私はブラックバス釣りが趣味です。主に琵琶湖で釣りを楽しんでます。
    琵琶湖には『プロガイド』と呼ばれる人達がいて、琵琶湖で大物の釣れるポイントに連れて行ってくれたりする日々琵琶湖に通いつめている、プロのフィッシングガイド達がいます。
    その中でも有名な『奥村哲史』さんの本日(2011/02/08)のブログに気になる記事が載ってたので、是非見てみてください!
    http://www.biwakoblog.com/okumura/

  4. うの より:

    AGENT: Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 5.1; GTB6.6; .NET CLR 1.1.4322)
    先日はお疲れ様でした。
    高野さんのブログを読んで久しぶりにアリを思い出しました(笑)
    日本にはロクでもないニュースしか伝わってきませんが、一度仲良くなると
    本当に親切だし、子供たちもキラキラしています。
    ラホールの近くの村に友人達が住んでいますので、その近くにも行かれるときは教えてください、紹介しますね!

  5. タツ より:

    AGENT: Mozilla/5.0 (Macintosh; U; Intel Mac OS X 10_6_6; ja-jp) AppleWebKit/533.19.4 (KHTML, like Gecko) Version/5.0.3 Safari/533.19.4
    >UMAさん
    奥村プロのブログ見ました。これはすごそうですねー。
    かなり期待値高そうです。
    しかし高野さんの本にもよく出てくる「見た」ひとの話は真に迫るものがありますね。嘘をついているとは思えないリアリティというか…

  6. 高野秀行 より:

    AGENT: Mozilla/5.0 (Windows; U; Windows NT 6.0; en-US) AppleWebKit/534.13 (KHTML, like Gecko) Chrome/9.0.597.94 Safari/534.13
    奥村氏のブログ、つづきが知りたいですねー。

  7. ウリ より:

    AGENT: Mozilla/5.0 (Linux; U; Android 2.2; ja-jp; SC-02B Build/FROYO) AppleWebKit/533.1 (KHTML, like Gecko) Version/4.0 Mobile Safari/533.1
    初めまして、いつもブログ、本、楽しく読ませていただいております
    奥村プロの目撃談、これは、リアル版の柴田哲孝著『KAPPA 』では?
    読んでいて、ドキドキしました。

高野秀行 へ返信する コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。

no image
イベント&講演会、テレビ・ラジオ出演などのご依頼について

最近、イベントや講演会、文化講座あるいはテレビ・ラジオ出演などの依頼が

ソマリランドの歌姫、来日!

昨年11月に、なんとソマリランド人の女性歌手のCDが日本でリリ

『未来国家ブータン』文庫はちとちがいます

6月23日頃、『未来国家ブータン』が集英社文庫から発売される。

室町クレージージャーニー

昨夜、私が出演したTBS「クレイジージャーニー」では、ソマリ人の極

次のクレイジージャーニーはこの人だ!

世の中には、「すごくユニークで面白いんだけど、いったい何をしている

→もっと見る

    • アクセス数1位! https://t.co/Wwq5pwPi90 ReplyRetweetFavorite
    • RT : 先日、対談させていただいた今井むつみ先生の『言語の本質 ことばはどう生まれ、進化したか』(秋田嘉美氏と共著、中公新書)が爆発的に売れているらしい。どんな内容なのかは、こちらの対談「ことばは間違いの中から生まれる」をご覧あれ。https://t.c… ReplyRetweetFavorite
    • RT : 今井むつみ/秋田喜美著『言語の本質』。売り切れ店続出で長らくお待たせしておりましたが、ようやく重版出来分が店頭に並び始めました。あっという間に10万部超え、かつてないほどの反響です! ぜひお近くの書店で手に取ってみてください。 https:/… ReplyRetweetFavorite
    • RT : 7月号では、『語学の天才まで1億光年』(集英社インターナショナル)が話題の高野秀行さんと『ムラブリ』(同上)が初の著書となる伊藤雄馬さんの対談「辺境で見つけた本物の言語力」を掲載。即座に機械が翻訳できる時代に、異国の言葉を身につける意義について語っ… ReplyRetweetFavorite
    • オールカラー、430ページ超えで本体価格3900円によくおさまったものだと思う。それにもびっくり。https://t.co/mz1oPVAFDB https://t.co/9Cm8CjNob8 ReplyRetweetFavorite
    • 文化背景の説明がこれまた充実している。イラク湿地帯で食される「ハルエット(現地ではフレートという発音が一般的)」という蒲の穂でつくったお菓子にしても、ソマリランドのラクダのジャーキー「ムクマド」にしても、私ですら知らなかった歴史や… https://t.co/QAHThgpWJX ReplyRetweetFavorite
    • 最近、献本でいただいた『地球グルメ図鑑 世界のあらゆる場所で食べる美味・珍味』(セシリー・ウォン、ディラン・スラス他著、日本ナショナルジオグラフィック)がすごい。オールカラーで写真やイラストも美しい。イラクやソマリランドで私が食べ… https://t.co/2PmtT29bLM ReplyRetweetFavorite
  • 2024年4月
    « 3月    
    1234567
    891011121314
    15161718192021
    22232425262728
    2930  
PAGE TOP ↑