「困ってる人」書籍化プロジェクトX
公開日:
:
最終更新日:2012/05/28
高野秀行の【非】日常模様
私がプロデュースしている大野更紗「困ってるひと」の連載もそろそろ最終回近い。
いよいよ書籍化の相談をしようと大野さんの家に集まる。
デザイナーKさんとイラストレーターの能町みね子さんも参加。
出版関係以外の人は知らないと思うが、
著者がデザイナーやイラストレーターと会うことはめったにない。
ましてやみんなで一緒に相談することは皆無に近い。
プロデューサーである私も一体どうなるのかわからず、
豪腕編集者Sさんの仕切りで、あれよあれよとカバーの装丁や、タイトルや、
帯コピーなどが決められていった。
4月には書店向けのプルーフ(見本原稿)ができ、6月には書籍発売という。
なんだか凄いことになりそうだ。
☆ ☆ ☆
実に久しぶりにふつうの小説を読んだ。
津原泰水『蘆屋家の崩壊』(集英社文庫)。
並外れた豆腐好きという一点で結ばれるフリーターの若者と、「伯爵」という仇名の怪奇小説作家が遭遇する不可思議な事件や現象を描く連作短篇集。
私はホラーや幻想小説が苦手でめったに読まないが、
これはけっこう楽しめた。
文章が端正で、ほどよいユーモアが効いているからだろう。
とくにネズミが少女に姿を変えて男になつく話と虫が体中に巣くう話がよかった。
幻想小説が好きな人にはたまらないかもしれない。
関連記事
-
「ゴールデン・トライアングル秘史」
トウ賢著(トウはトウ小平のトウ)「ゴールデン・トライアングル秘史(以下GT秘史)」(NHK出版)と
-
ムエタイのちチュニジア飲酒紀行
3,4日前に発売になった「ゴング格闘技」7月号で、格闘家・ムエタイ研究家の菱田慶文先生(帝京平成
-
探検部映像50年史のお知らせ
早稲田大学探検部50周年映像史が、早稲田祭の期間中に 早大で上映されることになった。 ほとんどNHK
-
明日、いや今日出発。
もう深夜2時。 まだ何も準備していないが、 明日というか今日の朝5:20に家を出なければならない。
-
白骨になっても大丈夫
先日山形に行ったとき、山形大法医学教室の梅津和夫先生にDNAの検査をしてもらった。 口の中に綿棒を突
- PREV :
- アラブ音楽の決定版CD
- NEXT :
- 辺境映像祭中止