文体について考える〜あなたは「ですます調」「だである調」どちらが書きやすいですか?〜
今日はブログの文体について少し考えてみます。
文体とは、文章のスタイルのことです。書き手によっていろんな文体があるのですが、ここではもっと大雑把に、文末の締めくくり方という意味で書き進めたいと思います。
通常、文章の終わり方には「です」や「ます」で締めるものと、「だ」や「である」で終わるものとがあり、前者を「ですます調」、後者を「だである調」といってそれぞれ区別します。
一般的に「ですます調」は文章が柔らかく、読む人に丁寧な印象を与え、「だである調」は言い切ることで、感情がよりストレートに伝わりやすいという効果があります。
同じ文章の中でこれらが混在することは通常だとタブーですので、校正などでは「文体ソロエル」という赤字が入りますが、カッコ書きでセリフを入れたり、写真のキャプションなどで使う場合はOKでしょう。
2006年にこのブログを始めた時は、「AISA(アイザ)はどんな会社なのかブログで紹介する」というテーマでスタートしたため、丁寧なほうがいいだろうと「ですます調」で書き始めました。
ですが、ひょんなことから、ミャンマーのチン州にあるヴィクトリア山(3050m)に登ることになってしまい(しかも雨季!)、その顛末を書きつづるには「だである調」のほうが書きやすく、その後、ずっと「だである調」で通していました。
ミャンマー紀行〜チン州への道〜(1)
一度「だである調」で書いてみると、自分の考えや気持ちがストレートに表現でき、書きやすい!!
意見や体験をつづるノンフィクションの本は大抵「だである調」で書かれており、著者の細やかな心理描写をするには最適です。というか、それを「ですます調」でつづろうとすると、相当高度と言いましょうか、“飛車格落ちの将棋”、“ジョーカーと2のない大富豪”、“ホームボタンの使えないiPhone”くらいにしんどいです。
しかも、「ですます調」は、感情的にどこかひいているようなニュアンスもあるので、当たり障りのないいことを書いていると「いい子ちゃん」に思えたり、「上から目線な物言い」に感じられたりしがちです。
行間から漂う書き手の思考や立ち位置が、「です」「ます」という丁寧なことばのベールに覆われることで、読み取りづらくなるのかもしれません。
それでも、再び「ですます調」に戻したのは、やはり当初のとおり、会社の紹介を丁寧にしたほうがよいだろうということや、文章を扱う仕事をしているなら、どちらの文体であってもきちんと伝えられるべきだろうという点からでした。
ということで、あえてイバラの道を選んで進む当ブログ。
当面「ですます調」でおつきあいください。
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