このベタな帯の作者はなんと…!!
公開日:
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最終更新日:2012/05/28
高野秀行の【非】日常模様
妻・片野ゆかの「犬部!」(ポプラ文庫)が4月6日に発売になる。
単行本で3万部近く売れた、我が家で史上最高のベストセラーだから、
文庫も活躍が期待されるのだが、驚きは帯のコピー。
「笑って、泣いた。ありがとう。動物たちを救ってくれてありがとう」
なんだよ、この直球ど真ん中というか、あまりにベタなコピーは。
いくらポプラ社にしても…と思いかけるのだが、こう言った人はなんと
馳星周なのだ。
馳星周といえば、なんと言っても「不夜城」。
その衝撃を、私のある後輩は「新宿はもう鮫島の手に負えなくなっていたんですね」と語った。
不夜城以前、私もその後輩も大沢在昌の「新宿鮫」に夢中になっていた。それが不夜城の登場で、吹っ飛んだような気がしたのだった。
(現実には鮫島は20年後のいまでも新宿で頑張っており、人気も高いのはご承知のとおり)
そして、馳星周はその金髪にサングラスというスタイルと、日本でも屈指の非情なハードボイルド路線で文芸界のトップランナーになったわけだが、
なんということか、いつの間にか、日本でも屈指の愛犬家に変貌を遂げていたらしい。
だいたい、うちの妻の本の文庫解説を、新宿を鮫島の手から奪った馳星周が書いてくれるなんて、ちょっと考えられないではないか。
しかもこのストレートな言葉。
そればかりか、ご自分のブログでも宣伝してくださっている。
そういえば、妻が「愛犬王」で小学館ノンフィクション大賞を受賞したとき、
授賞式の控え室で、選考委員の猪瀬直樹氏が彼女に、「うちで飼っている犬はね…」と
とても楽しそうに話しかけてきたという。
犬でなくても猫でも象でもパンダでもいいが、動物というのはニュートラルな存在なだけに
その人の思想やキャラクターとは全く関係なく、でも直にその人の中に入り込んでくる。
そこが実におもしろい。
ていうか、私も犬とか象とか動物を主題にすれば、もう少し読者を獲得できたのかもしれない。
ていうか、実際に、数年前、そう思って「ミサイル上野動物園」という意味不明な動物エッセイの企画を考えて、連載開始する直前まで行ったのだった。
諸事情により頓挫して、それっきりになってしまったが。
話は思い切りそれたが、「犬部!」は漫画化もされている。
しかも、「少年サンデー」と「エレガンス・イブ」という女性誌の二誌で
少年サンデーはコミックの1巻がすでに発売されている。
犬は強し。動物は強し…。
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Comment
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高野さんには未知動物があるじゃないですか!ムベンベ!ジャナワール!誰の心も鷲掴みですよ。
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おかえりなさい。
子供と動物は万国共通の話題です。
宗教や政治とも関係ないし…