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「アヘン王国」復活?!

公開日: : 最終更新日:2012/05/28 高野秀行の【非】日常模様

知人から「アヘン王国」関係の情報を教えてもらった。
「黄金の三角地帯」でアヘン生産が激増しているという記事。
違法薬物制圧委員会(NCB)では、タイ北部ゴールデントライアングルで
アヘン栽培が急増していることを懸念。取り締まり強化の準備を進めている。
 タイだけでも、2006年には700ライ(1ライ=1600平方メートル)だった栽培面積が、2007年には1800ライ、2008年には2000ライに増えている。このため、NCBでは、近年の異常増加について捜査を行うとともに、王室の支援を得て、アヘン農家に対して別の商品作物への変換を促すとしている。
 ゴールデントライアングルでのアヘン栽培は、この3年間、ラオスとミャンマー側でも増加。薬物の一大供給源となっているミャンマーのシャン州では先日、2008年は例年の約3倍にあたる3000トンのアヘンを収穫できる見通しを発表した。
(「バンコク週報」11月17日)
うーん、驚きだ。
タイは90年代にアヘンの生産が激減し、限りなくゼロに近づいていたはずだが、
また急速に回帰しているとはどういうことか。
さらにシャン州では3000トン——これはほぼ全盛期(つまり私が住んでいた頃)に近い数字だ。
シャン州のどこで作られているかは書いていないが、ワ州でも相当やらないと
この数字は出ないだろう。
ワ州も一時期(それも二、三年前)には「ほぼアヘンの生産はなくなった」と日本の援助関係者が胸を張っていたが…。
どういうことなのか、本当に理由が知りたいところだ。

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Comment

  1. 景棟之風 より:

    AGENT: Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 5.1; .NET CLR 1.1.4322; .NET CLR 2.0.50727; .NET CLR 3.0.04506.30; .NET CLR 3.0.04506.648)
    はじめまして。貴職のファンでシャン州に係りを持つ者です。
    現地消息でも、確かにアヘンは増産されている様です。
    ポリスが安月給を補うために売りつけている光景が見られるほか、
    一人でも多くの山岳少数民族を薬物中毒にしてしまって、民族浄化してしまおうという「おぞましい」発想も潜んでいるとか。
    軍事政権は「仏教を信奉してビルマ語を話すビルマ族」であり、「異教徒 異民族」は浄化の対象なんでしょう。

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    • 文化背景の説明がこれまた充実している。イラク湿地帯で食される「ハルエット(現地ではフレートという発音が一般的)」という蒲の穂でつくったお菓子にしても、ソマリランドのラクダのジャーキー「ムクマド」にしても、私ですら知らなかった歴史や… https://t.co/QAHThgpWJX ReplyRetweetFavorite
    • 最近、献本でいただいた『地球グルメ図鑑 世界のあらゆる場所で食べる美味・珍味』(セシリー・ウォン、ディラン・スラス他著、日本ナショナルジオグラフィック)がすごい。オールカラーで写真やイラストも美しい。イラクやソマリランドで私が食べ… https://t.co/2PmtT29bLM ReplyRetweetFavorite
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