炎のジプシー・ブラス
公開日:
:
高野秀行の【非】日常模様

ルーマニアを代表するロマ(ジプシー)ブラス、ファンファーレ・チォカリーアのドキュメンタリー映画『炎のジプシー・ブラス』を観た。
実は2,3年前にも観たことがあるのだが、当時はジプシー・ミュージックを全然知らなかった。
今観ると、エミール・クストリッツァ『アンダーグラウンド』でも使われて有名になった「カラシニコフ」や「メセチナ」といった曲も普通に演奏されているのに驚く。
映画はどこまで事実で、どこまで作りなのかわからないが、そんなことはもはやどうでもいいのだろう。
結婚式に呼ばれて演奏に出かけるとき、トランペットやチューバといった楽器をむき出しのまま
車の屋根に積んでひどい泥濘の道をめちゃくちゃに揺られながら出かける。
ヨーロッパツアーでは移動のバスの中でみんなで「口三味線」で練習し音を合わせていく。
村の教会は十字架が傾いている。アヒルやガチョウが走り回り、人々は鉄道の線路を道代わりに歩く。
まるでクストリッツァをパクッたようだが、クストリッツァがジプシーの音楽と生活を手本に映画を作っているわけだから
当然と言えば当然だ。
とにかく、この自由さがなんとも言えない。ルーマニア、行ってみたいなあ。
関連記事
-
-
パキスタン航空おそるべし
6月23日売りの雑誌「TVBros」は、なぜか人気エアライン・ランキングが特集。 私も頼まれて、「機
-
-
「またやぶけ」の発見
そうそう、肝心なことをすっかり忘れていた。 奄美で遊んでいるうちに、新刊『またやぶけの夕焼け』(集
-
-
「本の雑誌」存亡の危機
ご存じの方も多いと思うが、世界同時不況のあおりを食らい、 本の雑誌社の経営が突然悪化し、 「本の雑誌
-
-
8年ぶりにアフリカ大陸
セイシェルの取材を終え、次は旧ユーゴスラビアのセルビアに行くはずが、 急に気が変わって南アフリカ
-
-
新計画?!「イラワジ河(ほぼ)全流下り」
昨日から今日にかけて、突然新しい探検計画が生まれた。 その名も「イラワジ河ほぼ全流航下紀行」とい
-
-
ダウン症ドラマーのドキュメンタリー映画「タケオ」
飯田基晴『犬と猫と人間と』『あしがらさん』、土屋トカチ『フツーの仕事がしたい』と、 観た映画がすべて
-
-
小説家になるのは大変だ!
土曜日、モスク取材とその後の予定について打ち合わせをしていたら、 ホテルの部屋に戻ったのはもう12



Comment
ルーマニア、ローマニア、アレキサンダー大王、ナディア・コマネチ、ブラド・ツェペシュ、ドラクール伯爵、串刺し公、ドラキュラ、おいらも行ってみてぇ。
ロマ映画の名作「ガッジョ・ディーロ」はご覧になりましたか?
ここでもロマ・ミュージックが
すごく重要なものとして聞けます
もちろん「黒猫・白猫」もすばらしい。
最初に見たとき、「アンダーグラウンド」との
あまりのギャップに
「ドリフかよ!」と突っ込みました。名作です!
>よっしいさん、
「ガッジョ・ディーロ」、知りませんでした。
ロマ音楽は広くて深い。私はまだまだ入口でうろうろしている感じです。
Amazonのレビューで見ると、すごく面白そうですね!
早速注文してしまいました。
観るのが(聴くのが)楽しみです。