*

エメリウム光線か

公開日: : 最終更新日:2012/05/28 高野秀行の【非】日常模様

持病の腰痛を治すため、「すごい治療師」のところへ行く。
「すごい」と言われる民間療法の治療師はこれでもう何人目だろうか。
この先生の特徴は、額から「レーザーのように気を放出させてインナーマッスルの緊張をほぐす」というもの。
ウルトラセブンのエメリウム光線みたいだ。
残念ながら、私の体はガッツ星人並みに頑丈らしく、
エメリウム光線は全く効かなかった。
ていうか、腰痛は悪化した。
それにしても、民間医療業界は面白い。
「すごい先生」の人たちの話もほとんど文芸の世界で、
下手な小説を読むよりずっと愉快だ。
患者である自分の気持ちの揺れ方も、他人事としてみると興味深い。
これで一つ、エンタメノンフが書けるような気がする。
題は『腰痛人間の告白』とか『腰痛を巡る冒険』とか。
それを愛する漫画『へうげもの』みたいに書けないものかな。

関連記事

no image

ロゼをちびちびやりながら砂漠を行く

ごぶさたしております。 20日に東京を発ち、今度はなぜか北アフリカのチュニジアをうろうろしている。

記事を読む

no image

急性アルコール分離症候群

昨日、帰国しました。 ソマリランド(&ソマリア)に行ったときはいつもそうなのだが、 だいたい毎日葉っ

記事を読む

no image

ナカキョーの文庫解説に感激

西芳照『サムライブルーの料理人』(白水社)を読む。 サッカー日本代表専属でワールドカップにも2回帯

記事を読む

no image

ツチノコ目撃者によるスケッチ

岡山県吉井町で今から8年前、ツチノコらしき奇妙なヘビの屍骸を発見し、 土に埋めてやったという女性

記事を読む

no image

ブータンはチベットではない

日本で入手できる唯一のブータン映画ということで、 5000円近くも出して「ザ・カップ 夢のアンテナ

記事を読む

no image

ネットでキム・ジョンイルになる方法

中川淳一郎『ウェブはバカと暇人のもの 現場からのネット敗北宣言』(光文社新書)は傑作だった。 著者

記事を読む

no image

エンタメノンフの古典

「不思議ナックルズ」という変わった雑誌のインタビューを受ける。 「実話ナックルズ」の別冊ムックみたい

記事を読む

no image

医学界に進出

「週刊医事新報」なる医学雑誌が自宅に届き、何事かと思ったら 私の本が紹介されていた。 神奈川県葉山

記事を読む

no image

ソマリ娘、二十歳の新春

正月に八王子の実家で振り袖を着たソマリ娘のサミラ。

記事を読む

no image

豚に真珠とはこのことか

昨年亡くなった義母の命日なので (そして一昨年亡くなった義父の命日にも近いので)、 義姉とその夫であ

記事を読む

Comment

  1. のえみ より:

    AGENT: Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.1; SV1; .NET CLR 1.1.4322)
    よみたい〜! 腰痛人間未知の旅。
    女子の間では骨盤矯正で下半身スッキリ、とかが人気です。
    わたしもたまに上野の安い中国整体にいきます〜!
    新しいお店はちょっとした冒険ですよね

  2. 植原 より:

    AGENT: Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.1; SV1; .NET CLR 1.1.4322)
    高野さん、腰痛は’’真っ直ぐ・仰向け・寝返りなし’’が原因だったはず。
    そう、胎児のように丸くなって寝てみましょう。カルカッタへ行かなくても出来ると思います。

植原 へ返信する コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。

no image
イベント&講演会、テレビ・ラジオ出演などのご依頼について

最近、イベントや講演会、文化講座あるいはテレビ・ラジオ出演などの依頼が

ソマリランドの歌姫、来日!

昨年11月に、なんとソマリランド人の女性歌手のCDが日本でリリ

『未来国家ブータン』文庫はちとちがいます

6月23日頃、『未来国家ブータン』が集英社文庫から発売される。

室町クレージージャーニー

昨夜、私が出演したTBS「クレイジージャーニー」では、ソマリ人の極

次のクレイジージャーニーはこの人だ!

世の中には、「すごくユニークで面白いんだけど、いったい何をしている

→もっと見る

    • アクセス数1位! https://t.co/Wwq5pwPi90 ReplyRetweetFavorite
    • RT : 先日、対談させていただいた今井むつみ先生の『言語の本質 ことばはどう生まれ、進化したか』(秋田嘉美氏と共著、中公新書)が爆発的に売れているらしい。どんな内容なのかは、こちらの対談「ことばは間違いの中から生まれる」をご覧あれ。https://t.c… ReplyRetweetFavorite
    • RT : 今井むつみ/秋田喜美著『言語の本質』。売り切れ店続出で長らくお待たせしておりましたが、ようやく重版出来分が店頭に並び始めました。あっという間に10万部超え、かつてないほどの反響です! ぜひお近くの書店で手に取ってみてください。 https:/… ReplyRetweetFavorite
    • RT : 7月号では、『語学の天才まで1億光年』(集英社インターナショナル)が話題の高野秀行さんと『ムラブリ』(同上)が初の著書となる伊藤雄馬さんの対談「辺境で見つけた本物の言語力」を掲載。即座に機械が翻訳できる時代に、異国の言葉を身につける意義について語っ… ReplyRetweetFavorite
    • オールカラー、430ページ超えで本体価格3900円によくおさまったものだと思う。それにもびっくり。https://t.co/mz1oPVAFDB https://t.co/9Cm8CjNob8 ReplyRetweetFavorite
    • 文化背景の説明がこれまた充実している。イラク湿地帯で食される「ハルエット(現地ではフレートという発音が一般的)」という蒲の穂でつくったお菓子にしても、ソマリランドのラクダのジャーキー「ムクマド」にしても、私ですら知らなかった歴史や… https://t.co/QAHThgpWJX ReplyRetweetFavorite
    • 最近、献本でいただいた『地球グルメ図鑑 世界のあらゆる場所で食べる美味・珍味』(セシリー・ウォン、ディラン・スラス他著、日本ナショナルジオグラフィック)がすごい。オールカラーで写真やイラストも美しい。イラクやソマリランドで私が食べ… https://t.co/2PmtT29bLM ReplyRetweetFavorite
  • 2024年4月
    « 3月    
    1234567
    891011121314
    15161718192021
    22232425262728
    2930  
PAGE TOP ↑