*

スーダン南部、独立へ

公開日: : 最終更新日:2012/05/28 高野秀行の【非】日常模様

スーダン南部の独立をめぐる住民投票がはじまった。
報道では独立派の圧勝と予測されている。
一体どうなるんだろう。
ほんとうにスーダンは南北二つに分かれるのか。
分かれたら南部の人たちは喜ぶだろう。
今までさんざん苦渋をなめてきたから。
でもダルフールなど、他にも「北」もしくは「首都ハルツーム」の支配を嫌って
揉めている地域がある。
そこの人たちもきっと独立したいと言い出すだろう。
そして、他のアフリカ諸国。
どの国も民族問題を抱えている。
独立を願う民族、部族がいる。
でもいったん独立を許せば、あとは歯止めが効かなくなる—。
そういう理由で、アフリカでは分離独立は長らくタブーだった。
欧米諸国も許さなかった。
もしスーダン南部が独立すればそのタブーが一気に崩れる。
たとえばソマリランドの独立を否定するのも困難になる。
スーダン南部はパンドラの箱を開けることになるのか。
それとも「北」が実力すなわち武力でそれを阻止するのか。
いま、アフリカで大変なことが起きようとしている…。

関連記事

no image

ブランク

2ヵ月半ぶりにスポーツジムの水泳教室に行ったら、 運悪くいきなりバタフライ特集。 あっという間に腕が

記事を読む

no image

子供がノノさんになっていいのか

杉江さんから「な、な、なんか大変なことになってる!」と まるで銭形平次のところに駆け込んでくる八五郎

記事を読む

善し悪しはわからないけれど。

先週の日曜日、コソボより帰国した。 今回の旅はひじょうに忙しかった。 移動につぐ移動、その合

記事を読む

no image

バンコク炎上

昨日は友人のKさんに教えられ、twitterで、バンコク在住のRichard Barrowという欧

記事を読む

no image

4月12日は土曜日

数日前、「緊急告知」として書いたTSUTAYA盛岡店のイベント。 4月12日(日)と書いてあった。

記事を読む

no image

ムベンベは捕獲されていた!!

『怪獣記』刊行に先駆けて、「サンデー毎日」と、 取次ぎ会社・日販のPR誌「新刊展望」のインタビューを

記事を読む

アラスカへ逃げたい

石塚元太良・井出幸亮著『All About Alaska アラスカへ行きたい』(新潮社)

記事を読む

no image

ミステリ・ノンフィクションの傑作『龍馬史』

ちょっと前まで「学者」というのは圧倒的に年上の先生ばかりだった。 だが今は本のプロフィールを見

記事を読む

no image

『腰痛探検家』&『空白の5マイル』発売

早大探検部の後輩で、今年開高健ノンフィクション賞を受賞した 角幡唯介『空白の五マイル』(集英社)が

記事を読む

no image

犬と辺境旅をしてみたい

最近頭がぼやあっとして、ここに書いたかどうかも憶えていないのだが、 7月1日に行う旅の本屋のまどでの

記事を読む

Comment

  1. gadogado より:

    AGENT: Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 8.0; Windows NT 6.1; WOW64; Trident/4.0; GTB6.6; SLCC2; .NET CLR 2.0.50727; .NET CLR 3.5.30729; .NET CLR 3.0.30729; Media Center PC 6.0; eSobiSubscriber 2.0.4.16)
    リファレンダムの行方が気になるところです。アルジャジーラでは去年末から特集くんでましたけど、BBCやSKYなどのメジャーなとこでもここにきて本本格的にニュースで取り上げられるようになりましたね。パンドラのBOXとはまさにそうですよね。

  2. 読者 より:

    AGENT: Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 8.0; Windows NT 5.1; Trident/4.0; .NET CLR 1.1.4322; .NET CLR 2.0.50727; .NET CLR 3.0.4506.2152; .NET CLR 3.5.30729)
    ソ連崩壊の余波というかドサクサでエリトリアが独立したときに、他もさっさと独立していればよかったのにあれから20年ですか。
    パンドラの箱って言っても、アフリカでは今まで常にどこかで内戦があったわけだからあまり変わらない気もするけど、それがさらに激化するのかな。
    植民地の区域分けの理不尽さの後遺症だし、それを克服しない限りは解決しない気もするけど。
    ハウサみたいにいくつもの国にまたがっている民族はどうなるんだろうなぁ。ソマリ人みたいに統一国家があっても放棄してしまう例もあるし。アフリカは戦国時代に突入するんでしょうか。

読者 へ返信する コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

デビュー35周年記念・自主サバティカル休暇のお知らせ

高野さんより、「デビュー35周年記念・自主サバティカル休暇」のお知らせ

no image
イベント&講演会、テレビ・ラジオ出演などのご依頼について

最近、イベントや講演会、文化講座あるいはテレビ・ラジオ出演などの依頼が

ソマリランドの歌姫、来日!

昨年11月に、なんとソマリランド人の女性歌手のCDが日本でリリ

『未来国家ブータン』文庫はちとちがいます

6月23日頃、『未来国家ブータン』が集英社文庫から発売される。

室町クレージージャーニー

昨夜、私が出演したTBS「クレイジージャーニー」では、ソマリ人の極

→もっと見る

  • 2025年4月
     123456
    78910111213
    14151617181920
    21222324252627
    282930  
PAGE TOP ↑