第3回梅棹忠夫・山と探検文学賞を受賞しました
公開日:
:
高野秀行の【非】日常模様
ほとんどの人は梅棹忠夫・山と探検文学賞なる賞を知らないと思う。
かくいう私も、角幡唯介『空白の五マイル チベット、世界最大のツアンポー峡谷に挑む』(現在集英社文庫)の帯で見て、「なんだこりゃ?」と首をひねったものだ。
今回自分が受賞してやっとわかったのだが、同賞は山と渓谷社、信濃毎日新聞、そして長野県の書店チェーン「平安堂」の3社が共同で主催している。
第1回が角幡で、第2回は登山家の中村保氏の『最後の辺境 チベットのアルプス』(東京新聞出版局)、
そして第3回目の今回が『謎の独立国家ソマリランド』ということになった。
なんだか毎回角幡の後塵を拝しているようだが、賞については、いくらでも後塵を拝したいと思っている。
なんといっても梅棹忠夫大先生の名前を冠した賞であり、「文学賞」である。
ノンフィクションはともかく、文学賞なんてまず取れないだろうと思っていたから
ラッキー!としかいいようがない。
ちなみに、今回の賞の賞金は50万円。これも嬉しい。3月のソマリランド取材もこれで憂いなしだ。
関係者のみなさん、読者のみなさん、どうもありがとうございました。
関連記事
-
『誰も国境を知らない』
西牟田靖『誰も国境を知らない』(情報センター出版局)の書評を 「北海道新聞」に書く。 新聞の書評は
-
『恋するソマリア』装丁公開
ついに1月26日刊行の『恋するソマリア』(集英社)がAmazonでもカバーと詳細情報がアップされ
-
ストロベリー・ロード
仕事上の必要から石川好『ストロベリー・ロード』(上・下、文春文庫)を読んでみたら、 これがもんのすご
-
草食系夫のサバイバル術
『草食系男子の恋愛学』にはずいぶん反響がきた。 NONOさんらのコメントでは「今もてるのは草食。俺た
-
タマキングのおそるべき深化
早く紹介せねば!と思いながら、もう発売から二週間近くが過ぎてしまった。でも、まだ買っていない人もたく
- PREV :
- ここ数年最大の問題作か?
- NEXT :
- シワユメは絶版ではなかった
Comment
私は「梅棹忠夫・山と探検文学賞」事務局の扇田と申します。
この度は弊賞を授賞いただき、大変うれしく思っております。また、早速、貴ブログにてご紹介いただき深謝申し上げます。
ところで、貴ブログに2カ所の誤りがありますのでメールをさせていただきました。
誤:小林保 正:中村保
誤:山と溪谷社 正:東京新聞社
以上です。
授賞式でお会いできるのを楽しみにしております。
「謎の独立国家ソマリランド」の受賞おめでとうございます。
分厚い本で、難解な内容に拘わらず、一気に読ませる高野さんの筆力というか、熱意のこもった文章にいつもながら感服しております。
ところで私は1980年代にサウディアラビアに家内帯同で駐在しましたが、
当時社宅で雇った女性がジプチのパスポートを
持ったソマリの出稼ぎだったことをおもいだしました。
フランス語が少しわかるだけ、というおばさんで、
私が少し齧ったフランス語で話してみたものの
全く通じず、
身振り手ぶりの家内の英語。日本語。の指示が
よっぽど突破力があって
おまけにソマリからは「マッカラナイヨ」と言われ、
家内から「あなたのフランス語は判らない」て
言ってるわよ、とからかわれる始末でした。
マッカラナイ というのは「理解できる」という
ことでしたか。。。
謎の独立国家
面白かったです。