仕事を減らして納豆探究?
公開日:
:
高野秀行の【非】日常模様
慢性的な多忙状態が続いていて、すっかりごぶさたしてしまった。
なにしろ2年ぶりに出た自分の新刊発売を宣伝するのも忘れていたくらいだ。
それに引き替え、昔は暇だった。
私が10年あまりの間にいったいブログにどれだけ書いたことか。
単行本3冊分くらい、軽く書いたのではないか。
当時は、というか、つい一年半ほど前まで、仕事なんかたまに書評の依頼が来るくらいで、
笑ってしまうほど来なかった。単発もしくは連載のエッセイの依頼なんて皆無に近かった。
よく妻に「今日は何するの?」と聞かれ、「うーん、何しようかな…」なんて答えて呆れられていた。
なのに、講談社ノンフィクション賞をもらってからは、まるで私が別人になったかのように仕事の依頼が来る。もしかしたら、本当に誰かと間違えてるんじゃないか。『ジェノサイド』の高野和明さんとか。(実際にときどき間違えて本を読む人がいるらしい)
ともあれ、こんな状況ではアウトプットばかりでインプットしている時間がない。
正直、取材だって今は全力投球からほど遠い。エッセイのネタだってもう尽きた。
自らを充電する意味において、仕事と雑務を極力減らして、取材や読書、趣味の時間を増やし、
そのメモ代わりにブログを書いていきたい。
まずは今日届いた「二代目福治郎 最高級納豆詰め合わせ」。
「日本で最も高級な納豆」として知られる秋田県横手市の納豆会社の商品だ。
これでなんと5250円(税抜き)!! 高っ!!
私は昨年、横手市で福治郎の店に行き、社長さんからじかに納豆をいくつか買った。
実際においしかったのだが、どんな味だったのか、今ひとつ思い出せない。
食べ物は、外国語の単語と同様、何度か続けて食べないと、味の記憶が定着しにくい。
だから、あえて多めに頼み、しばらくは福治郎の味を自分の舌に覚えさせたいのだ。
アジア納豆調査はかなり進んできたので、今後は平行して、日本納豆のどれがいちばん美味いのか
追求していきたい。
関連記事
-
記憶がないからどうにも
1年に1度くらいのペースで、自分に「映画ブーム」が来る。 今年はなぜか今がそう。 昨日、伊坂幸太郎の
-
濁った水たまりで釣りをする
アブディンから電話がかかってきた。 彼は結局、身重の奥さんと北九州に「疎開」した。 スーダンの実家か
-
ドンガラさん、15年ぶりの緊急来日
私がかつて翻訳したコンゴ文学の名作『世界が生まれた朝に』(小学館、絶版)。 その著者であるエマ
-
猪木信者は本屋信者でもあった!
2年ほど前、「本の雑誌」で「プロレス本座談会」なるものが開かれ、 私も「レフリー:ジョー高野」とし
-
Bhutan ni tsuita
Ottoi Bhutan ni tsuita. Sono hi wa hareteite yokat
-
なんといってもインド
ちょうど映画「スラムドッグ・ミリオネア」がアカデミー賞を受賞した日に その原作であるヴィカス・スワ
-
パキスタン航空おそるべし
6月23日売りの雑誌「TVBros」は、なぜか人気エアライン・ランキングが特集。 私も頼まれて、「機
- PREV :
- 『恋するソマリア』装丁公開
- NEXT :
- 黒豆納豆のアボガド・サラダ