ヤノマミ読書VSサバイバル登山家
公開日:
:
最終更新日:2012/05/28
高野秀行の【非】日常模様
忙しくてなかなかブログの更新ができなかった。
そうそう、本の雑誌3月号の「冒険本・探検本特集」でとにもかくにも
『ヤノマミ』(NHK出版)の国分拓の原稿を読んでほしい。
アマゾンのヤノマミの人たちに取り囲まれながらガルシア=マルケス『百年の孤独』を読んでいたら、本の登場人物たちの声とヤノマミの声が一緒になり、
読書と現実が「完全に同期した」という、ありえない読書体験を綴っている。
そして、対抗馬が『サバイバル登山家』(みすず書房)の服部文祥。
「行為者と報告者」というテーマで、リアルファイトとエンタメの境目を厳しく追及し、
角幡や沢木耕太郎までぶったぎられている。
さすが、ガチの冒険家はすごい!と感嘆したのだが、巻末の筆者近況を読んで、愕然…。
服部文祥、頭がおかしいぞ!
桜庭やミノワマンのような、リアルファイトでエンタメをやる冒険作家に彼はなれる!
関連記事
-
講談社ノンフィクション賞を受賞しました
今日、タイの時間で3時過ぎ、チェンマイ大学の裏門前(通称「ランモー」)を通過中に驟雨にあい、 移動
-
ついに文庫1位、総合3位!
「異国トーキョー漂流記」フェアで突っ走るブックストア談 浜松町店。 今日、5月1日〜7日までの売上げ
-
不思議で贅沢な春の晩
以前、コンゴ(旧ザイール)の障害者バンド「スタッフ・ベンダ・ビリリ」を日本に呼び、 そのライブに私
-
ムエタイのちチュニジア飲酒紀行
3,4日前に発売になった「ゴング格闘技」7月号で、格闘家・ムエタイ研究家の菱田慶文先生(帝京平成
-
ソマリ娘、二十歳の新春
正月に八王子の実家で振り袖を着たソマリ娘のサミラ。
-
正月には柳昇師匠がよく似合う
ここ数日、なんだか正月のような気がしてならない。 そう言うと妻に「は?」と呆れられたが、寒くて晴れて
-
ネアンデルタール人の冬眠性って…
ケリー・テイラー=ルイス著『シャクルトンに消された男たち』(文藝春秋)の書評を書く。 前に書いた
-
島国チャイニーズと沖縄系ブラジル人
読了してから時間が経ってしまったが、野村進『島国チャイニーズ』(講談社)は 万人にお勧めの良書であ
- PREV :
- 大久保小学校に未来をみた
- NEXT :
- 難病のソナタ
Comment
AGENT: Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 8.0; Windows NT 5.1; Trident/4.0; .NET CLR 1.1.4322; .NET CLR 2.0.50727; .NET CLR 3.0.4506.2152; .NET CLR 3.5.30729)
「頭がおかしい」なんて、最大の賛辞ですよね。
「情熱大陸」に出たときはネットでも大人気になりました。
http://news020.blog13.fc2.com/blog-entry-1010.html
番組見たけど別におかしいと思わなかった私は頭がおかしいのかなぁ・・。20世紀前半まではごくありふれた探検のやり方ですよね。食料の現地調達って。
それよりもこんなすごい服部さんに向かって「君のサバイバル技術はまだまだだから心配だ」と言っている「岳人」の編集長に本物の狂気を感じました 笑
ナンセンが北極で越冬したときには、自分たちを食べようとして近寄ってくる白熊を片っ端から食べまくって一冬に13キロも太ってしまったそうですね。