民族問題とイスラムはダメなのか
公開日:
:
最終更新日:2012/05/28
高野秀行の【非】日常模様
こんな写真が出てきた。
うちには至る所に本があるが、ダルマはそれをいたずらすることは滅多になかった。
本は資料であり、仕事の道具である。
自分がどうやって飯が食えているのかおぼろげに理解していたのかもしれない。
ただ、なぜか3冊だけ被害にあった。
一冊は藤沢周「ブエノスアイレス午前零時」。
これは私が「こんなつまんねえ本、読ますな!」と怒って、文字通り放り投げていたので
犬がかじってボロボロにするのもわかる。
だが、仕事上でもひじょうに重要な「世界民族問題辞典」と「新イスラム辞典」(ともに平凡社)が
繰り返し襲撃にあったのは実に解せない。
私の部屋には山のように本があるのに、わざわざ本棚からその2冊を(別な機会に)引き抜いて、ばりばりにかじるのである。
隣にある「世界民族辞典」(弘文堂)は無傷で、ひょっとすると平凡社の本には犬にとって何かいい(くさい?)匂いがついているのかとも思ったが、やはり近くにある「アフリカを知る辞典」(平凡社)には興味がないらしく、謎だ。
ダルマとは妻は17年、私も11年ほどつき合ってきたが、
結局最後まで、意図や意味のわからない行動がたくさんあった。
犬の生態はまだ謎に包まれているといえる。
(写真は最初の襲撃の直後。このあと、二回ほど襲われ、今この本はボロボロである)
☆ ☆ ☆
私がプロデュースしている大野更紗「困ってる人」(ポプラビーチ連載)が更新された。
「第11回わたし、マジ難民 ——難民研究女子、「援助」のワナにはまる」
いよいよ、更紗さんは精神的にものっぴきならない状況に入ってきた。
彼女は一体どこまで落ちるのか?!
関連記事
-
島国チャイニーズと沖縄系ブラジル人
読了してから時間が経ってしまったが、野村進『島国チャイニーズ』(講談社)は 万人にお勧めの良書であ
-
電話不携帯のやめられない快適さ
帰国して拝受した本、第3弾。 『忘れられない一冊の本』週刊朝日編集部(朝日文庫)。作家や映
-
間違う力の巨人、インドにデビュー!!
人は私に「間違う力」があるという。 いや、そんなことはない。 というか、私のやってることなど間違い
-
霊感はない、ただ見えるだけ
工藤美代子『もしもノンフィクション作家がお化けに出会ったら』(幽ブックス)という本をもらっていたこ
-
友だちは反政府ゲリラだけ…
チェンマイにいる。 4年ぶりだが、驚くほど街が変わった。 見知っている建物がない。 だから自分がどこ
-
前回はブチ切れて、すみません。
よくよく見たら、前回の記事はなぜか途中でブチ切れているではないか。 石川さんと読者の方、すみません
-
くどくどかぱらぱらか
比較的調子よく来ていたブータン原稿がうまくいかなくなってきた。 逃避の意味合いもあって、ある作家の
- PREV :
- ダルマ死す。享年17歳9ヶ月
- NEXT :
- だいたい四国八十八カ所
Comment
AGENT: Mozilla/5.0 (Windows; U; Windows NT 5.1; ja; rv:1.9.2.13) Gecko/20101203 Firefox/3.6.13 ( .NET CLR 3.5.30729)
仕事上手放せない重要な資料が、一生手放せない思い出の品になりましたね。