先週の土曜日(2月3日)、
クアラルンプール郊外のショッピングモールで家族で食事をしていると
『パーン』という爆竹のような乾いた破裂音が数回聞こえてきた。
最初の2発ぐらいまでは、『ん?何だ』というのんきな好奇心にかられて窓の外を
眺めていた客達も、事情を察して大慌てで床に伏せだした。
これは銃声である。しかも一向に止む気配がない。
銃撃戦だ!家族をボックス席のテーブルの下に押し込んで、息を潜める。
ボックス席以外のテーブルの客も我々の席に避難してきた。
銃声が止み、そろそろと首を出して状況を調べようとしてみると、
吹き抜けのコンコースをはさんで、反対側の二階のバルコニーから散弾銃か何かを
こちらに向かって構えている男の姿が見える。まだ続いている!
その時頭に浮んだのは、『イスラム過激派のテロリストではないか!』ということだ。
このレストランはアメリカ資本の『ケニーロジャーズ・ローストチキン』
もしかしてターゲットか!?
へたに目立つと狙われる。
ガラス張りで外から丸見えのレストランである。
するとテーブル下に潜り込んだ拍子に頭でもぶつけたのか赤ん坊が泣き出した!
静寂の中、ひときわ響き渡る鳴き声…頼む泣き止んでくれ!!
…という緊迫した状況の中で思い出したのは、
もうかれこれ10年ぐらい前になるあの出来事であった。