熱帯ジャングル風呂

マレーシア郊外を走っていると時々『Air panas』という
表示を見かける。Air=水、Panas=熱い、つまり温泉だ。
私は風呂に対する執着心はない方だと思うが、
正直これには心引かれる。
そう、熱帯地方だって、火山があれば温泉もあるのだ。
ただ、日本のように温泉があれば町おこしできるような
温泉に高い経済価値がないので、開発されていないだけなのだろう。
それでも有名なところではボルネオはサバ州のポーリンや、近年開発されたペラ州のスンガイクラ温泉リゾートがある。
さて、表題の熱帯ジャングル風呂である

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世界遺産や国立公園で生活するということ

知床が世界遺産に認定されたというニュースをテレビで見た。
そこに映し出される自然の美しさにうっとりしつつ、
ちょっと気になったことがある。
『世界遺産の中で生活するってどんな感じなんだろう』ということである。
ご存知のように世界遺産には『自然環境』を登録するものと、
『文化(主に建造物)』を登録するものとがある。
ラオスのルアン・パバン>などはその街並全体が登録されているということだが
これから発展しようという国にとって、その景観の破壊に対する規制は
かなり辛いものだろう。
いや誤解しないでもらいたいが、街並を保存するということは
観光行政上、大きな経済的メリットだと思うし、
個人的には保存された町を訪れてみたいとは思う。
しかし、そこで生活する者にとって、この制約は時としてかなり
やっかいなものだろうことは想像に難くない、ということなのだ。
まして発展途上国の中でもかなり後ろの方を走っているラオスの
ような国ならなおさらではないか?
そんなことを考えていたら、ふとジャングルでの経験を思い出した。

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「未開」という名のジャングル

2ヶ月ほど前に『ジャングルで60年』という内容の書き込みをした。
フィリピンの元日本兵のニュースについてのコメントである。
残念ながら多少危惧した通りガゼネタということで落着してしまったようだが
ミャンマーのわが盟友ショウタが書き込みをしてくれた。
相変わらず一般人には全く興味のない話で、
簡単に言うとマラヤ共産党に身を投じた元日本兵の話なのだが
このマレー語で「未開の」を意味するBulemと呼ばれる地域について
個人的に関係が深まる出来事があったので、ちょっとだけ記したい。
もちろん我が友であるジャングルエキスパートのノーリさんが
除隊後ガイドをやっていた場所だし、私も10回以上入っている
思い入れのある場所なのだが、今度の話はちょいとスケールがでかい。
私の会社がこの森林の所有者である州政府と契約して
Belumの生物資源を調査する権利を得たというニュースである。
この森林は、共産ゲリラの根拠地で危険だということで
1980年代後半まで全くの手つかず状態だったのだ。
危険だから自然が保たれるという皮肉な現象は朝鮮半島の
38度線にも言えることだが、いずれにしても嬉しいことだ。
最近は急速に開発の手が入り始めているようだが、なんとか
保全に協力できるよう、努力していくつもりだ。