高野秀行著『未来国家ブータン』(集英社)絶賛発売中!!
【内容紹介】
ブータン政府公認プロジェクトで雪男探し!!
「あの国には雪男がいるんですよ!」。
そのひと言に乗せられて高野氏はブータンヘ飛んだ。
雪男を探しながらも、「世界最高の環境立国」「世界で一番幸せな国」
と呼ばれる本当の理由にたどりつく。
【「BOOK」データベースより】
GNPよりGNH、生物多様性、環境立国…今世界が注目する
「世界でいちばん幸せな国」の秘密を解き明かす。
「生物多様性とは何か」(岩波新書)
6月18日発行と出たばかりの本がこれだ。
著者の井田徹治氏は共同通信社の科学部記者で
この手の本にありがちな、前半だけ非常にやさしいのに
途中から専門用語の氾濫により何を言っているのか
わからなくなる傾向を免れている。
実例も豊富だし、生物多様性を広範囲にわたって
しっかりと解説できていると感心した。
一言で言って、非常にわかりやすく読みやすい本だと思う。
自分を生物多様性条約のある種の専門家として見ると
食い足りないこともあるのだが、世の中に出回りつつある
生物多様性って何を指していて、それをどうしろって言うの?
と思っている人には是非一読をお勧めする。
食い足りない部分については、自分たちが主体的に解決するよりないと
考えているので、少しお待ちいただきたい。
ブータンと似た小さな国の話
ブータン滞在のこぼれ話(読書の話)。
5月13日バンコク発の便でブータンに入った。
前2回は1月(冬)、8月(夏)という時期だったので
初めての春のブータンである。
不思議なことにあまりの硬さに好評(不評?)だった
乾燥ヤクチーズが前二回と同じところで入手したにも関わらず、
全く硬くなかったのである。
なんてことはどうでもいいか…
2 Super Women
積読になっていた大好きな吉田よし子の『カレーなる物語』(筑摩書房)をマレーシアへの飛行機内で読む。
続・トルコのもう一つの顔
9月7日のエントリーでご紹介した傑作『トルコのもう一つの顔』(1991)。
今でも売れ続けているこの本の著者小島剛一氏は、出版後消息がわからない状態が続いていた。
ところが熱烈な愛読者である高野秀行氏が自身のブログ『ムベンベ』で絶賛したところ、
なんと本人からコメントが届いたのであった。
それから氏と小島氏の交流が始まり、私もどさくさにまぎれて輪に入れてもらった次第である。
さて、その小島氏がとうとう続編を発表することになった。
あす発売の『旅行人 161号 2010年上期号』である。
公式サイトには編集者の興奮ぶりがうかがわれるコメントがある。
短期集中連載
続・トルコのもう一つの顔 一挙50枚掲載!
漂流するトルコ(1) 小島剛一
みなさんにもぜひ手にとっていただきたいと思う。
私もすでに注文した。
『トルコのもう一つの顔』もまだの方はぜひ。
西南シルクロードは密林に消える
成田空港第二ターミナルの搭乗ゲート側-出国審査を終えた後のエリア-で
コミュータートレインに乗って移動した先には、三省堂の小さなお店がある。
20坪に満たないような小さなお店なので、文庫本の棚は非常に小さなものだが
どうやらここには高野秀行ファンがいるらしく、常に彼の集英社文庫の作品が
充実しており(売れないってこと?ではなさそう)嬉しく思っていた。
熱帯料理人
実は大事な作家を忘れていた。
吉田よし子である。
「香辛料の民族学」(中公新書)「熱帯のくだもの」「熱帯の野菜」(楽游書房)など
熱帯を中心とした食用植物に関するたくさんの著作がある。
私が最初に手にした著作は「21世紀の熱帯植物資源」(米国科学アカデミー編)
(㈶農政調査委員会)で、吉田氏はご主人の吉田昌一博士と共同翻訳をしている。
東大農学部農芸化学科卒業後、農林省農業技術研究所に勤め、
夫の国際稲作研究所勤務にともない、1966年から84年までフィリピンに滞在。
「環境スワップ」と言う言葉
マレーシアのジャングルに惹かれて読書傾向も
ジャングルものに集中し始めた1992年から93年にかけて
クアラルンプールの紀伊国屋書店で購入した本だと思われる。
(裏表紙の価格シールに92年6月1日入荷とある)
『アマゾン 生態と開発』西沢利栄・小池洋一著 (岩波新書)
カバーにはこう書かれている。
多様な動植物が生きるアマゾン川流域の世界。そのユニークな生態や川の表情と、自然環境に適応しつつそこに生きる人たちの生活を、長年ブラジルでの現地調査を重ねてきた著者二人が語り、同時に環境を破壊し、人々の暮らしを脅かす開発や経済のあり方を指摘しながら、未来に向けて日本そして世界は何をすべきかを問う。
おそらくリオの環境サミット開催を踏まえて出版された本なのだろうし、
私もサミットに影響を受け、「環境問題も大事だな」という感覚で入手したのだろう。
屈強の旅人
先日、驚くべき人が新居に来てくれた。
『トルコのもう一つの顔』(中公新書)の著者小島剛一氏だ。
友人の高野秀行氏と相棒のショウタ氏が小島氏を囲んで食事をする、
というので『家でやりませんか?』とお誘いしたのだ。
座右の掌編(2作)
前回のエントリーで座右の書として「竜馬が行く」を挙げた。
本当に愛してやまない本(全8巻)なのだが、もう一つ挙げておくべき本というか
作品がある。(実際は2冊にまたがる、二つの作品)
「ドランカー <酔いどれ>」(沢木耕太郎著「敗れざる者たち」文春文庫)と
その続編とでも言うべき作品「コホーネス <肝っ玉>」(「王の闇」文芸春秋)である。